大学時代にアルベール・カミュを読んだのを思い出します。
初めて読んだのが、「シーシュポスの神話」です。
当時はあまり理解していなかったなぁと思います。
アルベール・カミュについて
アルベール・カミュは、1913年にフランス領アルジェリアのモンドヴィで生まれました。
小説家、劇作家、そして哲学者です。
父は、農場労働者であったが、カミュが生まれた翌年、この父はマルヌ会戦で戦死しています。
そのため、アルジェ市内のベルクール地区にある母の実家に身を寄せて地中海の自然に恵まれた幼少期を過ごしたそうです。
1918年に公立小学校に入学。貧しかったが奨学金を受けながらアルジェの高等中学校リセ=ビジョーに進学しました。
カミュはこのときに先生から受けた恩を生涯忘れず、ノーベル賞記念講演の出版の際に当時の小学校の先生であったルイ=ジェルマン先生へ献辞を添えています。
泣かせますね。
1930年より結核となり、病院を退院後もしばらく叔父の家で療養生活を送ります。
1932年、バカロレアに合格しアルジェ大学文学部に入学し在学中に結婚しますが、生活はやがて破綻し離婚にいたります。
その後、カミュは共産党に入党しました。
実際にはカミュは共産主義の思想自体にはそれほど共感を寄せていなかったそうです。
その後、舞台などで活躍しますが党幹部と確執があり、最終的に党から除名されます。
1937年5月には処女作を出版しますが、生活の安定をもとめてアルジェ大学付属の気象学・地球物理学研究所で働きました。
作家は、昔から兼業ですよね。
1938年、人民戦線寄りの新聞『アルジェ・レピュブリカン』の記者となり、冤罪事件や植民地経営の不正を暴く記事を書きます。
そして、当局の厳しい検閲を受けながら平和主義を唱えて解雇されてしまいます。
次にカミュは、『パリ・ソワール』紙の編集部に雇われます。
ここで仕事をしつつ、『異邦人』『シーシュポスの神話』『カリギュラ』を書き進めていったそうです。
1940年フランシーヌ・フォールと結婚し『パリ・ソワール』を失業したカミュは妻の実家のある北アフリカのオランに行きます。
そして、小説『異邦人』、『シーシュポスの神話』を刊行、1947年に市民の連帯を描いた小説『ペスト』を刊行します。
1956年、中編『転落』を発表し、翌年に短編集『追放と王国』を発表します。
同年、カミュの「この時代における人類の道義心に関する問題点を、明確な視点から誠実に照らし出した、彼の重要な文学的創作活動に対して」ノーベル文学賞が贈られました。
このとき、カミュは43歳でした。
1960年、友人が運転する自動車でパリに向かう途中、立ち木に衝突してカミュは急逝しました。
未完に残された小説『最初の人間』が1994年に刊行されました。
カミュは「不条理」がテーマです。
カミュの言うには、
「不条理とは、明晰な理性を保ったまま世界に対峙するときに現れる不合理性のこと」
だそうです。
そして、カミュは病気、死、災禍、テロ、戦争、全体主義など、人間を襲う不条理な暴力に対して文学的な反抗を行います。
カミュはキリスト教や左翼のようなものに頼ること拒否し、人間の地平にとどまって生の意味を考えました。
その意味で、カミュは現実主義で、何よりも時代に妥協しない文学者でした。
かっこいいですね!!
こんなカミュの描いた文学はどんなものでしょう?
以下にご紹介します!
アルベール・カミュの映画 「アルベール・カミュ」
アルベール・カミュの映画があります。
やっぱり映像だと、イメージが頭に残るので親しみが湧きますね!
ロマンチストで、遊び人で、内向的な哲学者のアルベール・カミュ。心を揺さぶるカミュの人生を、彼を愛した女性の視点から描く。
目次 − アルベール・カミュの厳選書
ここでは、アルベール・カミュの厳選書【8選】について紹介します。
1. ペスト
コロナ禍で、読む人が増えました!
不条理の中の人間の連帯に読み取ることが多いですね。久しぶりに読み返しました!
- おすすめ度:★★★★★
- 人 気 度:★★★★★
- マニアック度:★★
あらすじ:発表されるや爆発的な熱狂をもって迎えられた、『異邦人』に続くカミュの小説第二作。アルジェリアのオラン市で、ある朝、医師のリウーは鼠の死体をいくつか発見する。ついで原因不明の熱病者が続出、ペストの発生である。外部と遮断された孤立状態のなかで、必死に「悪」と闘う市民たちの姿を年代記風に淡々と描くことで、人間性を蝕む「不条理」と直面した時に示される人間の諸相や、過ぎ去ったばかりの対ナチス闘争での体験を寓意的に描き込み圧倒的共感を呼んだ長編。
2. シーシュポスの神話
- おすすめ度:★★★★
- 人 気 度:★★★
- マニアック度:★★★
あらすじ:不条理を発見したものは、だれでも、なにか「幸福への手引」といったものを書きたい気持になるものだ――。わずか8頁の評論に全世界が感動した。天才カミュの神髄。神々がシーシュポスに科した刑罰は大岩を山頂に押しあげる仕事だった。だが、やっと難所を越したと思うと大岩は突然はね返り、まっさかさまに転がり落ちてしまう――。本書はこのギリシア神話に寓してその根本思想である“不条理の哲学”を理論的に展開追究したもので、カミュの他の作品ならびに彼の自由の証人としてのさまざまな発言を根底的に支えている立場が明らかにされている。用語、背景などについての詳細な注解、および作品解説を付した。
3. 転落・追放と王国
- おすすめ度:★★★★
- 人 気 度:★★★
- マニアック度:★★★★
あらすじ:『異邦人』『ペスト』に続く第三の小説『転落』が、待望の新訳で登場。短編集『追放と王国』を併録。パリでの弁護士生活を捨て、暗い運河の町・アムステルダムに堕ちてきた男、クラマンス。彼の告白を通して、現代における「裁き」の是非を問う、『異邦人』『ペスト』に続くカミュ第三の小説『転落』。不条理な現実、孤独と連帯といったテーマを扱った六篇の物語からなる、最初で最後の短篇集『追放と王国』。なおも鋭利な現代性を孕む、カミュ晩年の二作を併録。
4. 異邦人
- おすすめ度:★★★★★
- 人 気 度:★★★★★
- マニアック度:★
あらすじ:私ははじめて、世界の優しい無関心に、心をひらいた。太陽の眩しさを理由にアラビア人を殺し、死刑判決を受けたのちも幸福であると確信する主人公ムルソー。不条理をテーマにした、著者の代表作。母の死の翌日海水浴に行き、女と関係を結び、映画をみて笑いころげ、友人の女出入りに関係して人を殺害し、動機について「太陽のせい」と答える。判決は死刑であったが、自分は幸福であると確信し、処刑の日に大勢の見物人が憎悪の叫びをあげて迎えてくれることだけを望む。通常の論理的な一貫性が失われている男ムルソーを主人公に、理性や人間性の不合理を追求したカミュの代表作。
5. 最初の人間
- おすすめ度:★★★★★
- 人 気 度:★★
- マニアック度:★★★★★
あらすじ:《2013年》カミュ生誕100年記念刊行。ノーベル賞作家の未完に終わった自伝的遺作。イタリアの名匠ジャンニ・アメリオ監督により映画化された。戦後最年少でノーベル文学賞を受賞したカミュは1960年、突然の交通事故により46歳で世を去った。友人の運転していた車が引き起こした不可解な事故の現場には愛用の革鞄が残されていた。中からは筆跡も生々しい大学ノート。そこに記されていたのは50年代半ばから構想され、ついに未完に終わった自伝的小説だった――。綿密な原稿の精査によって甦った天才の遺作。補遺、注を付す。
6. 幸福な死
- おすすめ度:★★★★
- 人 気 度:★★★★
- マニアック度:★★★
あらすじ:四月だった。それはきらきらと輝く、冷たい美しい春の朝だった――。不条理をテーマとしたカミュの代表作『異邦人』へと繋がる貴重な作品。アルジェの平凡な青年メルソーは、富裕な不具者ザグルーの“時間は金で購われる”という主張に従い、彼を殺害し金を奪う。そして《世界をのぞむ家》で三人の女との共同生活に至福の時を見出したのち、孤独の中で幸福な死を迎える――。カミュにとって最初のロマネスクな企てであり、若い感性と不条理の哲学の生成を示すこの長編小説は、『異邦人』生誕の秘密を解き明かす貴重な作品である。用語、背景などについての詳細な注解、および作品解説を付した。
7. NHK「100分de名著」ブックス アルベール・カミュ ペスト: 果てしなき不条理との闘い
- おすすめ度:★★★★★
- 人 気 度:★★★
- マニアック度:★
あらすじ:終わりなき災厄に見舞われたとき、人はそれにどう向き合うのか? 治療法のない疫病に突如襲われ、封鎖されたアルジェリアの都市オラン。そこに生きるひとびとの苦闘と連帯を描いた、ノーベル賞作家カミュの代表作『ペスト』の内容と文学的意義を、幅広い分野にわたる評論とフランス文学の翻訳で知られる中条省平氏が、当時の時代背景やカミュ自身の体験をまじえて詳述。カミュの高い先見性に触れながら、『ペスト』に描かれる普遍的で哲学的なテーマを、「コロナ後の世界」から検証・再考する「ブックス特別章」を収載!
8. 対訳 フランス語で読もう「異邦人」
- おすすめ度:★★★
- 人 気 度:★★★
- マニアック度:★★★
あらすじ:■アルベール・カミュ『異邦人』刊行70周年 記念出版 ☆ 『星の王子さま』『木を植えた男』に続く、第三書房「対訳フランス語で読もう」シリーズ三作目。 ☆ 1942年、「不条理」の思想を小説の形で示し、戦中・戦後の文学・思想界に大きな影響を与えた不朽の名作を、40年ぶりの全文新訳で贈る、待望の「仏日対訳」版。 ☆ 見開きで、左ページにフランス語原文、右ページに日本語訳。大きな活字でとても読みやすい対訳書です。 ☆ 原作理解を深めながら読解力をつけるていねいな注解。 ☆ 巻末付録:「訳し方の手引き」「フランス語文法のおさらい」
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