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建築家・デザイナー シャルロット・ペリアンを知ろう! LC2 Grand Confort Armchairなど

建築家・デザイナー シャルロット・ペリアンは、フランスのパリ出身の建築家・デザイナーです。ル・コルビュジエ事務所時代に設計したLC2というソファでもよく知られています。

本記事の内容

本記事では、建築家・デザイナー シャルロット・ペリアンの略歴、代表作、書籍を紹介したいと思います。建築家・デザイナー シャルロット・ペリアンは、フランス・パリ出身です。初期の近代建築の時代に活躍した、女性デザイナーであり、ル・コルビュジエ、ピエール・ジャンヌレ、ジャン・プルーヴェとの協働でもよく知られています。「より良いデザインこそが、より良い社会の創造に役立つ」というペリアンの言葉は、まさにその通りであると思います。

目次

  1. 建築家・デザイナー シャルロット・ペリアンの略歴
  2. 建築家・デザイナー シャルロット・ペリアンの代表作 紹介
    • 1928 LC2 Grand Confort Armchair
    • 1928 LC4 Chaise Longue
    • 1967-1982 Les Arcs
  3. 建築家・デザイナー シャルロット・ペリアンの書籍 紹介
  4. まとめ

1.建築家・デザイナー シャルロット・ペリアンの略歴

建築家・デザイナー シャルロット・ペリアンは、1903年にパリで生まれました。

シャルロット・ペリアンはフランスの近代において、女性の建築家兼デザイナーとして活躍した初期の人物です。シャルロット・ペリアンは、「より良いデザインこそが、より良い社会の創造に役立つ」と信じて、機能的な生活空間を作り出すことを目的としていました。

1981年の彼女の記事「L’ArtdeVivre」の中で、彼女は「住居に関する芸術への拡張は、生きるための芸術であり、人間の最も深い感情を保持しながら製造された環境と調和して生きることです」と述べています。

シャルロット・ペリアンは、設計プロセスを開始する前にそのスペースで一人で時間を過ごすのが好きだったそうです。

シャルロット・ペリアンの自伝を見ると、彼女は次のように述べています。

「国や史跡を訪れるときは一人でいるのが好きです。その雰囲気に浸り、過剰に侵入することなくその場所に直接触れることが好きです。」

シャルロット・ペリアンのデザインへのアプローチには、デザインするサイトの情報を取り入れて、それが「何であるか」を評価することが含まれます。ペリアンは、訪れたばかりの場所とつながっていると感じることから設計をスタートしています。

シャルロット・ペリアンはフランスのパリで洋服の仕立て屋の両親の元で生まれました。 シャルロットの高校の美術教師が彼女の絵画力に気づき、母親は1920年にエコール・ド・ルニオン・セントラル・デザール・デコラティフ(中央装飾芸術学校)に入学させました。そこでシャルロット・ペリアンは家具デザインを学びます。

1925年まで、アールデコ調のインテリアデザイナーの教授の元で学び、デザインワークショップにも積極的に参加しました。1925年の彼女のデザインプロジェクトは、万国博覧会の装飾と工業デザインに選ばれました。

中央装飾芸術学校を卒業してから2年後、ペリアンはアパートを改装して、アルミニウム、ガラス、クロムを使用して「ウォールバー」と「プール・ドリンクホルダー」が組み込まれ、カードテーブルがある部屋に作りました。

ペリアンはこのデザインを1927年のサロン・ドートンヌでバー・スー・ル・トワ(Barsous le Toit:屋根の下のバー、つまり「屋根裏部屋」)として再現しました。彼女のデザインは、光を反射するアルミニウムとニッケルメッキの表面が豊富にあり、革のクッションとガラスの棚が特徴でした。

ペリアンのデザインはマスコミから広く賞賛されます。

このバー・スー・ル・トワは、職人による手工芸デザインからの脱却であり、まさに機械の時代を表すデザインとして認識されます。

そして、バー・スー・ル・トワによってペリアンは名前が広く知られたにもかかわらず、ペリアンは富裕層だけのためのデザインには満足できませんでした。

そのとき、ペリアンはル・コルビュジエの本に触発されます。ル・コルビジェの装飾芸術を批判する著作が彼女のデザインと一致していると思ったからです。

1927年10月に、ペリアンはル・コルビュジエのスタジオで働くことを申し込みます。しかし彼女は「ここではクッションを刺繍しません」という返事で拒絶されました。

しかし、1か月後、ル・コルビュジエはサロン・ドートンヌのバー・スー・ル・トワを訪れ、家具デザインの仕事を協力するようにペリアンを説得しました。

建築家 ル・コルビュジエ

ペリアンはその後、ル・コルビュジエの元で働き、近代の大量生産と低価格住宅を追求していきます。

ル・コルビュジエのスタジオでは、ペリアンは一連の展示会を通じてインテリアの仕事とデザインの宣伝を担当します。ここでの作品は、ピエール・ジャンヌレ(ル・コルビュジエのいとこ)と協力してデザインしていきます。

1928年、ペリアンはコルビュジエの建物に合うように2つの椅子を設計しました。この椅子は「座るための機械」として設計し、3つの椅子はそれぞれ異なるタスクを持ち、異なる位置に対応しています。

LC2グランドコンフォートチェア、LC4シェーズロングです。椅子は管状の鉄骨フレームを持ち、鋼管はニッケルメッキまたはクロムメッキされていました。

1930年代に、ペリアンの思想は平等主義的でポピュリストに傾いていきます。ペリアンは家具や生活空間の設計に加えて、革命作家芸術家協会や多くの左派組織にも関わっていました。

1937年に「ジュネス」と協力して「現代芸術家連盟」の設立を支援しました。彼女のデザインでは、当時高価であったクロムを使用するのではなく、より手頃な価格の木材などの伝統的な素材を使用し始めました。

この時期の彼女のデザインの多くは、父方の祖父母が住んでいたサヴォワの伝統的な家具から着想を得たものでした。

ル・コルビュジエと10年間働いた後、彼女は事務所をやめて彼女自身のキャリアを形成していきます。彼女は、自分の思想と共有できるジャン・プルーヴェの元で働きだします。

そこでは、スクリーンや階段の手すりなどの金属製のオブジェクトをデザインしました。また、戦争の時代には、仮設住宅用の軍の兵舎と備品の設計を行います。

1940年にフランスは降伏してドイツ人がパリを占領するために到着したとき、ペリアンはフランスを離れて日本に向かいました。ペリアンは通商産業省の工業デザインの顧問として日本を訪れ、西洋向けの製品を開発するため、日本の産業デザインのレベルを上げることについて協力しています。

ヨーロッパに戻る途中に拘束され、ベトナムに亡命します。ペリアンは亡命中、木工と織物を学び、東洋のデザインからも多くの影響を受けました。

ペリアンがこの時に読んだ「お茶の本」も彼女の仕事に大きな影響を与えます。

第二次世界大戦後には、家具の大量生産に新しい方法や材料への関心が急速に高まりました。合板、アルミニウム、スチールなどの素材のメーカーが後援しサロンで実験的な作品展が開催されます。

そこでは、ペリアン、ピエール・ガーリッシュ、ジャン・プルーヴェ、ジョセフ・アンド・レモット、アントワーヌ・フィリポン、ジャクリーヌ・ルコックなどが参加します。

シャルロット・ペリアンの仕事は急速に増えて、スキーリゾートから学生寮まで多くのプロジェクトに取り組みました。

ペリアンは、他の建築家によって設計された建物に家具デザインを提供することには拒否反応が強かったのですが、ジャン・プルーヴェとはその後も協力していきます。また、ル・コルビュジエの有名なユニテ・ダビタシオンのインテリアとキッチンをデザインしました。

サヴォワのレザルクにあるスキーリゾートは、プレハブ、標準化、工業化、山岳建築といったペリアンの関心のすべてがそこにあり、彼女のキャリアのクライマックスともいえます。

スキーリゾートでは、ゲストはほとんどの時間を屋外で過ごすため、ペリアンは最小限の部屋を設計しています。この「最小限」というのが、彼女の設計に通底する特徴です。

建物には自然に開かれた素晴らしい空間があります。重要なこととしてはウェットユニット(バスルームとキッチン)の標準化を実現したことで、施工の効率があがり、500ルームを迅速に施工できました。

シャルロット・ペリアンは1999年に96歳で亡くなりました。

2.建築家・デザイナー シャルロット・ペリアン代表作 紹介

1928 LC2 Grand Confort armchair

LC2 Grand Confort armchairは、ルコルビュジエ、ピエールジャンヌレ、シャルロットのコレボレーションの中で設計されました。

デザインの歴史の中でも、世界的に有名なアイコンとなったソファの一つです。

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1928 LC4 Chaise Longue

ペリアンはトーネットの曲木細工の椅子に精通しており、インスピレーションだけでなく彼女のデザインにもよく使用していました。

このため、寝椅子は、4本足のベースに座っているときは揺れるようには見えませんが、寝椅子をベースから取り外して平らな面に置くと、非常にスムーズに揺れます。トーネットの曲木細工と類似しているのです。

椅子は側面に二重管と板金ベースを持っています。脚は意図せずに馬のひづめに似ており、ペリアンはこれを持って走り、寝椅子を覆うためにパリの毛皮屋からポニーの皮を見つけたといいます。

「私たちの椅子のデザインは人体の位置に直接関係していましたが、建築、設定、名声の要件によっても決定されました」つまり人体(薄いフレーム、クッション/頭)を反映しながら、装飾的な性質(製造、構造的な性質)を備えた椅子ということです。

フォーマルなシンプルさからすぐには人気がありませんでしたが、モダニズムが高まるにつれ、椅子の人気も高まったそうです。

wikipedia
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1967-1982 Les Arcs

シャルロット・ペリアンは、レザルク・スキーリゾートのArc 1600、Arc 1800、およびArc 2000を設計しました。

シャルロット・ペリアンは設計チームを率いて、ほとんどのゲストが外で時間を過ごすという考えから、最小限の部屋をリゾートの基本の施設としてを設計しました。

Arc 1600

1600メートルの高さにあり、リゾートエリアの中で最も低く、「アークエンシエル」ケーブルカーでブールサンモーリスTGV駅に直結しています。

所要時間は約7分で、多くの列車が2つの中間駅に到着し、モントリグロン村とレグランジ村に運行しています。定期的な無料シャトルバスとスキーリフトが他の村とつながっています。

Arc 1600は最初に建設されたエリアで、「Arc Pierre Blanche」とも呼ばれています。

アーク1800

Arc 1800はリゾートエリアの中で最大で、「Charvet」、「Villards」、「Charmettoger」、「Chantel」として知られる4つのビレッジで構成されています。約100のショップ、シャトルサービス、ホテル、会議室、2画面の映画館、アイススケートリンクがあります。

2003年に世界大会でリゾートレストランに選ばれた「カサ・ミア」をはじめ、多様なレストランが揃っています。

Arc 1800は、山の地形を考えるとより良い気象条件といえます。Arc2000では大雪が降ると閉鎖される可能性があり、谷に降り注ぐ強風の影響も受けます。

しかし、Arc1800はこうした問題がなく、また西向きであるため午後の日差しの恩恵もあります。

wikipedia

Arc 2000

Arc 2000は、1950年に完成したケーブルカーと無料シャトルバスを備えたレザルクの最も高い駅に位置しています。ショップ、シネマスクリーン、会議施設がありますが、最も高いので雪がよく積もる場所です。

Arc 2000は、スピードスキーなどのプロフェッショナル・イベントをシーズン中に開催することでもよく知られています。

3.建築家・デザイナー シャルロット・ペリアンの書籍 紹介

Charlotte Perriand: Complete Works 1969–1999

2020年に出版されたシャルロット・ペリアンの仕事を網羅した完成版です。これが3冊の最後になります。一冊買うと3冊とも集めたくなってしまいます。

写真がとても綺麗で、論考もありなかなか読み応えがあります。

シャルロット・ペリアンのデザインの全体像を知る一冊としておすすめです。

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Charlotte Perriand is one of the foremost figures in twentieth-century interior design. Together with her contemporaries and collaborators, such as Pierre Jeanneret, Le Corbusier, and Jean Prouve, she created many pieces of furniture we now consider classics, including the instantly recognizable LC4 chaise. Her pioneering work with metal was particularly instrumental in paving the way for the machine-age aesthetic popular throughout the 1920s and &;30s.

The concluding fourth volume of this definitive monograph on Charlotte Perriand covers the last three decades of her long career. At its core is the Les Arcs ski resort in the French Alps, where Perriand played a key role in the project development. A pioneer of bioclimatic architecture, she oversaw the architectural and urban design of Arc 1600 and Arc 1800 and created the interiors and entire outfitting down to cutlery and china for the more than 4,500 apartments. Les Arcs, an extraordinary undertaking both in sheer size and the extent of Perriand contribution, marks the culmination of her research on alpine housing in unison with nature. The book also features a number of projects, housing and art spaces from Paris to Tokyo, in which she aimed once more to push the borders of a specific modern, cultivated way of living. It also offers a comprehensive appraisal of seven decades work that manifests the creative force and vision of this extraordinary woman, one of the most eminent protagonists of modern architecture and design.

Covering these important moments and many others, Charlotte Perriand completes the four-volume exploration of this key figure, complete with annotations and a bibliography for further research.

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4.まとめ

建築家・デザイナー シャルロット・ペリアンは、近代建築の時代を代表する女性建築家のひとりです。レザルク・スキーリゾート(Les Arcs)は、シャルロット・ペリアンの集大成の建築・デザインです。機会があったら是非行ってみたい場所のひとつです。

注意説明 公共建築以外の場所の特定は行っていません。個人の所有物である住宅は、場所の特定をしないように配慮しております。ご了承くださいませ。

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すむことコム管理人 シミズ
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