建築家 内田祥哉は、東京出身の建築家です。東京大学の安田講堂を設計した内田祥三の息子です。
本記事の内容
本記事では、建築家 内田祥哉の略歴、代表作、書籍を紹介したいと思います。建築家 内田祥哉は、日本の近代を代表する建築家です。建築生産システムと構法の専門家でありながら、多くの建築設計を行い建築学会賞まで受賞しています。とても引き出しの広い建築家です。
目次
- 建築家 内田祥哉の略歴
- 建築家 内田祥哉の代表作 紹介
- 1970 佐賀県立博物館
- 1980 有田陶磁器文化館
- 1993 実験集合住宅NEXT21
- 建築家 内田祥哉の書籍 紹介
- まとめ
1.建築家 内田祥哉の略歴
建築家 内田祥三は、1925年に東京で生まれました。建築家内田祥三の二男です。
東京帝国大学工学部建築学科を卒業後して、逓信省に入省します。その後、電気通信省と名前を変えて、さらに日本電信電話公社建築部で設計を行います。
逓信省出身の建築家は他にも以下の建築家が居ます。
東京大学助教授から教授となり、教育活動と設計活動を行います。1993年に日本建築学会会長となります。
大学では、建築生産技術と構法を研究し、超高層建築やプレファブなどの分野で多くの業績を残しています。
代表作は、佐賀県立博物館、有田陶磁器文化館、実験集合住宅NEXT21などです。
1996年には日本建築学会賞を受賞し、2010年に日本学士院会員となります。
2.建築家 内田祥哉の代表作 紹介
1970 佐賀県立博物館
佐賀県立博物館は、佐賀県佐賀市にある県立の総合博物館です。1970年に竣工です。設計は、高橋靗一(第一工房)+内田祥哉です。高橋靗一は逓信省営繕課で一緒に働いた建築設計の仲間同士でした。
外観は矩形のブロックの下にピロティがあり、とても軽やかな印象があります。また、十字形で作られた構造をプレキャスト・コンクリートで制作していのは、まさに内田祥哉の専門である建築生産システムと工法であり、多くの点でコラボレーションが見られます。
1980 有田陶磁器文化館
有田陶磁器文化館は1980年3月に竣工しました。設計は、内田祥哉+アルセッド建築研究所です。
佐賀県立九州陶磁文化館は、佐賀県西松浦郡有田町にある陶磁器専門の美術館であり、伊万里焼や唐津焼などの名品を多く収蔵しています。
1981年にBCS賞を受賞し、本建築で日本建築学会賞作品賞を授業しています。
設計は、低くムクリのある屋根と雨樋です。雨樋は管を用いておらず、上部を開放しているのが特徴で、壁を水が流れるような新しい形式を持っています。
1993 実験集合住宅NEXT21
大阪ガスの実験集合住宅NEXT21は1993年に竣工しました。ここでは、なんと実際に大阪ガスの社員が生活をして、「環境」「エネルギー」「暮らし」などの3つの側面から、建築と住まいのさまざまな実験をおこなっています。
この実験と検証による発見によって、これからの住居と住まい方を提案しています。
フレームを組んで、スケルトン・インフィルの構造がまさに生きている建築のようです。
この「メタボリズム」感覚は、大阪ガスという会社が主体となっている点が大きいですね。これが個人のものだと、なかなかこうはいかないと思います。
「メタボリズム・グループ」の建築家はこちら
この実験集合住宅NEXT21プロジェクトに、内田祥哉は初期から関わってきています。
以下は内田祥哉のインタビューです。
NEXT21は1993年竣工、以来100年間居住実験が続けられるとして発足した。だから、耐震・耐火で、耐久力があり、100年は壊れない建物でなければならなかった。だから寿命の短い部品は取り替えられるよう、将来を見据えたモデュラー・コーディネーションが整備された。
https://www.osakagas.co.jp/company/efforts/next21/about/comment.html
しかも、この間、社会の変革に追従できなければならないから、和風木造住宅のように間取りの変更が出来るものとなった。
ところで、昨今は、住所不定の生活が好まれる傾向がある。例えば、昼は仕事場を転々と、夜は出先に近いホテルや、シェアハウスで過ごし、連絡は固定電話なしのスマホだけですます。NEXT21では、こんなホームレスにも対応した実験が必要かも知れない。
3.建築家 内田祥哉の書籍 紹介
ディテールで語る建築
内田祥哉の近著です。なんと75年間の建築設計の集大成がここにあります。最初の一冊として、読みやすく全体像がわかるのでおすすめです。『ディテール』で10年間40回にわたった連載をまとめたものです。
ディテールで語る建築 建築を学びはじめて75年、つくりながら考えたことをすべて話そう。 19歳で建築を学びはじめて74年間、建築の設計、建築構法の研究、教育に邁進してきた著者の語り下ろし。 93歳になる今でも講演会の要請が途切れないのは、著者が戦後から今日までの建築の生き字引であるだけでなく、 素材や組立ての原理を踏まえた広範な知識、実践で積み重ねてきた創意と工夫・発想の豊かさ、建築を総体でとらえる思想に、 たくさんの人々が魅了されるからである。 「誰がつくったかはよくわからないが、誰もがそれを頼りにしている技術」をよしとする著者の語り口は、 なにも排除せず、偏向せず、建築を考えること、つくることへの悦びがにじみ出る。 著者の魅力を余すところなく収録した本書は、 『ディテール』で10年・40回にわたった連載「内田祥哉 三題噺」に1話を増補し、再編したもの。
Amazonより
4.まとめ
建築家 内田祥哉は、日本の近代を代表する建築家です。最初に、建築家の内田祥三の息子であり、内田祥文の弟にあたります。まさに建築一家ですね。