本記事の内容
本記事では、中古マンションを購入したい人向けに、資金計画から購入までのすべての流れについて把握することで、より良い物件を適正価格で、納得して購入する方法について解説したいとおもいます。
ーーー題して、『中古マンション購入完全ガイド』です。ーーー
中古マンション購入完全ガイド(4)では、マンション購入に関わる『購入資金計画』についてまとめておきたいと思います。中古マンションの資金を用意する方法など、実際に購入することを想定しながら購入資金計画を立てていく必要があります。
中古マンション購入完全ガイド
- (1)購入の流れ・全体像を把握しよう
- (2)購入時の諸費用のすべてを知ろう
- (3)購入相場を見極める方法
- (4)購入のための資金計画をしよう ←今回はココ
- (5)購入資金1000万円を貯める方法
- (6)住宅ローンの計画を立てよう
- (7)銀行の住宅ローン7選 を徹底比較します
- (8)フラット35 を徹底比較します
- (9)中古マンションの<物件探し>の方法
- (10)おすすめのデザインリフォーム済マンション販売会社
- (11)中古マンションの資産価値チェックを必ずしよう
- (12)物件の内覧・内見ポイントを教えます(チェックリストあり)
- (13)中古投資マンションの選び方
- (14)災害に強いマンションの選び方
- (15)地震・火災保険の選び方
- (16)火災保険を見積比較でシミュレーションしよう
- (17)契約・決済の手順をまとめます
- (18)マンション購入後の税金について解説します
- (19)住宅ローン減税制度を利用しよう
- (20)引っ越しに役立つタスクリスト・備忘録一覧(チェックリストあり)
- (21)引越し一括見積りで引越し料金を半額にするトーク術
- (22)購入後に資産価値を維持するマンション・メンテナンスの方法
目次
フェーズ1 現在の家計の把握をしよう!
住宅購入は、本当に金食い虫で、生活が落ち着くまで物件本体の以外にも、引っ越し、税金、新しい家具を購入したりと、さまざまなお金がかかります。
そのため、しっかり資金に余裕を見ながら購入しないといけません。
そうしないと、自分の首がまわらなくなってしまいます。
まずは現在の自分の家の家計をしっかりと把握して、住宅に使えるべき必要な資金について理解することが肝要です。
そうすると、実際の購入できる物件価格を考えていくことができます。
住宅ローンは最長で35年なので、この期間にさまざまな人生イベントも発生します。
どんなことが起きるのか、具体的にはそれは誰にわからないのですが、ある程度は想定をしておく必要があります。
そこで、まず現在の家計をしっかり把握しましょう。
以下の収入合計と支出合計の値は、同じになるはずです。
まず、自分の家計を裸にする必要があります!
収入合計
- 給与手取り(夫) 円
- 給与手取り(妻) 円
収入合計 円
支出合計
- 基本的な生活費(食費・光熱費・通信費・医療費・雑費・車費等) 円
- 住居費(家賃) 円
- 教育費 円
- 保険料 円
- 貯蓄 住宅用 円
- 貯蓄 その他 円
支出合計 円
これが基本です。
フェーズ2 頭金はいくらにするのか?
中古マンションを購入するとき、どれくらいの頭金を準備すればいいかは難しい問題ですが、余裕があれば頭金をしっかり入れることで、その後の住宅ローンの返済額をかなり抑えることができます。
一方で、先ほど言ったように物件価格だけではなく、引っ越し、家具の買い替え、そして前回までに説明した諸費用がかかってきます。
よってこうした費用を全て考えて頭金を決めないといけないのです。
つまり、
頭金 = (貯蓄 住宅用)ー(3~6ヵ月分の生活費)ー(諸経費)ー(新居に向けて購入するもの)
となります。
シミュレーション
また条件は以下の通りとして見てみましょう!
- 貯蓄住宅用:600万円
- 5000万円の物件
- 諸経費は6%とするので、300万円
- 1ヶ月分の生活費(食費・光熱費・通信費・医療費・雑費・車費等) :20万円
- 新しい家具や電気製品など(50万円)
そうすると、
- 頭金 = 貯蓄住宅用:600万円 ー 6ヶ月分の生活費:120万円 ー 諸経費:300万円 ー 新居に向けて購入:50万円
- 頭金 = 130万円
となります。
頭金は、住宅価格の1割としても500万円は欲しいので、これでは、たりません!
そうすると貯蓄がもう少し必要ということですね。
ここは、住宅ローンにせずに貯蓄を励んでおきたいところです。
頭金 = (貯蓄 住宅用) ー (3~6ヵ月分の生活費) ー (諸経費) ー (新居に向けて購入するもの)
フェーズ3 購入できる物件価格はいくらになるのか?
購入できる物件の目安は、貯蓄と収入からある程度算定できます。
まず、頭金ゼロというわけにはいかないので、1割を入れるとします。
そうすると、あとは現時点の収入から割り出すのですが、年収のだいたい5倍ぐらいが、余裕を持ちながら返せる金額ということになります。
シミュレーション1
夫婦共働きで、年収が600万円とします。
そうすると、年収の5倍なので、3000万円が住宅ローンを組んでも良い金額と言うことになります。
3000万円で住宅ローンを組んで35年返済、金利1%をすると、
毎月返済額 84,685円
となります。
3000万円で住宅ローンを組んで25年返済、金利1%をすると、
毎月返済額 113,061円
となります。
シミュレーション2
シミュレーション2では、先に5000万円の物件を買いたいとしましょう。そこから算定していきます。
そうすると、頭金は1割だとして4500万円のローンを組むとします。
年収の5倍が4500万円なので、夫婦共働きで900万円の年収があれば良いと言うことになります。
4500万円で住宅ローンを組んで35年返済、金利1%をすると、
毎月返済額 127,028円
となります。
3000万円で住宅ローンを組んで25年返済、金利1%をすると、
毎月返済額 169,592円
となります。
年収から住宅ローンに使っても良いお金を算定して、そこから住宅価格を算定する。
フェーズ4 購入に向けて、いくら貯めれば良いのか?
あとは、頭金をふくめた住宅購入資金全体の問題ですね。
ここでは、以下にシミュレーションをまとめてみます!
<条件>
- 夫婦共働きで年収650万円
- 現時点の住宅購入用貯蓄が350万円
- 1ヶ月分の生活費(食費・光熱費・通信費・医療費・雑費・車費等) :20万円
- 新しい家具や電気製品など(50万円)
シミュレーション1
シミュレーション1では、3500万円の物件を買いたいとします。
1割の頭金を入れるので、350万円が頭金で、残りの3150万円が住宅ローンとなります。
そうすると、年収650万円なので、住宅ローンは3250万まで借りれるので、収まっていますね。
あとは以下の合計が、住宅用貯蓄に収まっているかどうかをみます。
- 頭金 350万円
- 諸経費(住宅価格の6%とする) 210万円
- 6ヶ月分の生活費 120万円
- 新しい家具や電気製品など 50万円
合計 730万円
住宅用の貯蓄が350万円なので
730万円 ー 350万円 = 380万円
あと、380万円貯めればかなりいい感じで購入可能です。
ちなみに、3150万円で住宅ローンを組んで35年返済、金利1%をすると、
毎月返済額 88,919円
となります。
うん!結構いいですね!
シミュレーション1
シミュレーション1では、5000万円の物件を買いたいとします。
1割の頭金を入れるので、500万円が頭金で、残りの4500万円が住宅ローンとなります。
そうすると、年収650万円なので、住宅ローンは3250万まで借りれるので、この場合は3250万というMAX金額で借りると言うことになります。
そうすると、頭金を増やす必要が出てきます。
とはいえ、1750万円の頭金は現実的ではありません。
そこで、借りれるギリギリの年収の7倍までで考えましょう!
年収650万円なので、7倍ですと、 4550万円まで借りれます。これならいけそうです。
あとは以下の合計から、現在の住宅用貯蓄を引いてみます。
- 頭金 500万円
- 諸経費(住宅価格の6%とする) 300万円
- 6ヶ月分の生活費 120万円
- 新しい家具や電気製品など 50万円
合計 970万円
住宅用の貯蓄が350万円なので
970万円 ー 350万円 = 620万円
あと、620万円貯める必要があります。
ちなみに、4500万円で住宅ローンを組んで35年返済、金利1%をすると、
毎月返済額 127,028円
となります。
うん!やはり結構上がってきます。
こういう計算マジック的なものがあるのですが、ここは慎重に・・・。
年収を基本として、安全策のシミュレーション1を基本と考えてください!
年収を基本としながら、住宅ローンを算定するのが先です。その後に、貯蓄額と組み合わせて貯蓄するべき金額を計算しよう!
まとめ
中古マンション購入完全ガイド(4)では、マンション購入に関わる『購入資金計画』についてまとめました。
基本は、年収額と住宅用貯蓄額で、購入可能な住宅金額が決まってきます。
購入に組み込む住宅ローンは、25年や35年という長丁場なので、資金計画は妥協せずしっかりと算定しておくことが肝要です。
本記事では私の実体験も含めて書きますので、15記事を読み通すことで、中古マンションの購入プロセスが頭の中でしっかりとシュミレーションできるようになると思います。
ぜひ通してお読みください。
このうち、貯蓄住宅用として溜まっているのが住宅購入資金であり、住居費(家賃)が、住宅ローンの価格の基準となります。