ハリ―・ブラウンによって提唱されたパーマネント・ポートフォリオですが、リバランスの時期がありますので、その時期は忘れずに!
今回は、ハリ―・ブラウンによって提唱されたオリジナルのパーマネント・ポートフォリオのリバランスの時期と方法について解説します。普段はほったらかしのこのポートフォリオも、リバランスの時は必ずポートフォリオのメンテナンスが必要ですよ。
本記事の内容
ハリ―・ブラウンによって提唱されたパーマネント・ポートフォリオのリバランスの時期と方法について解説します。
みなさまこんにちは。管理人は、この記事を書きながらパーマネント・ポートフォリオのリバランスを行なっています。リーマン・ショック以来といわれるコロナ・ショックで金融市場は大きく揺れています。こんな時は、パーマネント・ポートフォリオの構成が大きく変動しています。そこで、パーマネント・ポートフォリオの見直しを行うことにしました。
さあ早速、パーマネント・ポートフォリオのリバランスの準備にかかりましょう!
目次
- パーマネントポートフォリオのリバランスは、なぜ必要か?
- パーマネントポートフォリオのリバランスの時期
- パーマネントポートフォリオのリバランスの方法
- 特別な社会環境(例:コロナショック) 状況下でのリバランスで考えること
- まとめ
- 最後に
1.パーマネントポートフォリオのリバランスは、なぜ必要か?
長期投資にはかならず「リバランス」が必要です。なぜかというと、以下の理由からです。
当初作成した最適なパーマネント・ポートフォリオ(各4資産の割合)は放っておくといつのまにか崩れていきます。それによって、最適だったポートフォリオはリスクが高いポートフォリオに変化してしまうからです!
それをリバランスすることによって、低リスクのポートフォリオに直します!
崩れたポートフォリオを、最適なポートフォリオに直すのが、「リバランス」といわれるものです。
リバランスの3つのメリット
リバランスには、大きく3つのメリットがあります。
- 最適な配分のポートフォリオを保てる
- ポートフォリオのリスクを軽減できる
- ポートフォリオのパフォーマンスを改善できる
長期投資は、長期間にわたって最適なポートフォリオを維持することが極めて重要です。なぜなら、長期の投資メリットを大きく享受するには、小さな投資の差をないがしろにしてはいけないからです。小さな差がのちのち大きな差となって出てきます。
最適なポートフォリオの配分をめざしましょう!
当然ながら、最適なポートフォリオ(最適な資産配分)を維持することで投資のリスクを大幅に下げていくことにつながります。分散投資のはずが、リバランスをせずにいつの間にか、ある資産だけが突出することは、投資リスクをあげてしまいます!
リスクの過度な取りすぎを防ぎましょう!
そして、リバランスにより最も重要なのがパフォーマンスの改善です。リバランスをする必要があるということは、ある資産が値上がりしたり、ある資産が値下がりするなど大幅な価格変動があった時になります。
リバランスとは、値上がりした資産を売って、値下がりした資産を買うことであり、ポートフォリオのパフォーマンスの大幅な改善につながります。
2.パーマネントポートフォリオのリバランスの時期
パーマネントポートフォリオのリバランスの時期は、極めて分かりやすいです。
以下のサイトに、より詳しくパーマネントポートフォリオの説明がありますが、ここから、「リバランス」のところだけ拾ってみます。
The Permanent Portfolio doesn’t rely on human decision-making.
The Permanent Portfolio is designed as a system that largely eliminates decision-making. The only actions required are: depositing money into the account, allocating the funds in the 25% chunks described above,and rebalancing the portfolio to when any one of these assets make up 30-35% of the portfolio, restoring the initial 25% allocations.
The systematic nature of the portfolio means I don’t have to make decisions on what to invest in, when to invest, or try to predict future prices. I simply run the system. And I can do all of these things by myself, instead of paying someone to do it for me.
https://joshkaufman.net/permanent-portfolio/
では、訳してみます!
パーマネントポートフォリオは、リバランスを人の意思に依存していません。むしろ、人の意思決定を大幅に排除するシステムとして設計されています。ポートフォリオの作成に必要なアクションは、証券アカウントへの入金、そしてそれぞれの資産を25%で割り当てることです。
そして、資産のいずれかがポートフォリオの30-35%を占めたらポートフォリオのリバランスを行い、最初の25%の割り当てに復元します。
またこのポートフォリオの分かりやすい設定により、何に投資するか、いつ投資するか、または将来の価格を予測する必要がありません。 ただ上記のシステムを実行するだけです。また、このシステムは自分一人で用意の実行することができます。
とあります!!
なにかマーケットの大きな変化があった時は、必ずポートフォリオを見てみましょう!
ちなみに、通常の時はリバランスをいちも気にする必要はありません。年1回このポートフォリオを見直せば十分です。
3.パーマネントポートフォリオのリバランスの方法
では、管理人の当初のポートフォリオを見てみましょう。
2014年当時のポートフォリオはこんな感じ。
- 米国株式 25%
- 金 25%
- 米国長期国債 25%
- 現金 25%
まあ、基本的なポートフォリオです。
そして、コロナショック現在(2020年3月)はこんな感じ。
- 米国株式 16.4%
- 金 25.4%
- 米国長期国債 31.1%
- 現金 27.1%
となっています。このように、崩れてしまったボートフォリオを再度最適な形にするのが、リバランスです。
実はこのポートフォリオは、1ヶ月前には違う理由でリバランスが必要だなと思っていました。それは、株式の大幅な高騰です。しかし、なんと現在は逆の理由で。
先ほどにあった基準を見てみましょう!
そして、資産のいずれかがポートフォリオの30-35%を占めたらポートフォリオのリバランスを行い、最初の25%の割り当てに復元します。
そのため、現在の例でいえば、比率の高い長期米国国債を売り、値下がりした米国株式ETF(SP500)を買って、元の最適なポートフォリオに戻すことになります。
ちなみに、こんな感じにしました。
- 米国株式25.4%
- 金25.4%
- 米国長期国債25.1%
- 現金24.1%
まあ、こんな感じです!!あとは、コロナショック も収まり、通常のマーケットに戻りつつある年末か、1年後にまた見直します。
4.特別な社会環境(例えばコロナショック) 状況下でのリバランスで考えること
ということで、「リバランス」自体はかなり簡単なのですが、ここで「本当にこれでいいの?」ということが頭をもたげてきます。
頭では、「これでいいんだ」と思っても、ニュースを見ると色々と迷ってしまいます!
何言っているのということですが、こんなニュースがあります。
アングル:リスクオフは「現金化ステージ」に、株式と債券の同時安
[東京 12日 ロイター] – 金融市場でリスクを回避しようとする動きが次のステージに入ってきた。株式から債券など安全資産に資金をシフトさせる段階から、どの資産も売られる現金化の段階に移行しつつある。保有資産のリスク割合の均等化を図るリスク・パリティ・ファンドなどが、ボラティリティー(変動率)上昇を受けて資産売却に動いているほか、企業や金融機関が現金確保を進めているとみられる。
「キャッシュ・イズ・キング」──。各国は矢継ぎ早で政策を打ち出しているが、恐怖感が強まるマーケットに対して今のところ効果は乏しい。
<リスク・パリティの動きが一因か>
金融市場で、これまでと違う景色がみられた。株式と債券の同時安だ。11日の米市場では、米経済対策への期待が後退する中、ダウ.DJIは過去2番目の下げ幅となったが、これまでなら安全資産として買われていた債券も売られたのだ。
その一因になったとみられているのが、リスク・パリティ・ファンドだ。システム(アルゴリズム)系のプレーヤーで、各アセットのボラティリティーを均等化(パリティ)する戦略をとる。
相場が上昇基調のリスクオン時に株式増・債券減、その逆のリスクオフ時には株式減・債券増とすることで、相場急変時の損失を最少化させる。さらにボラティリティーの上下によって、ポートフォリオ全体の規模も増減させるため、ボラティリティーが上昇すれば、株式と債券、両方を売却する。
代表的な株式のボラティリティー指数であるVIX指数は、新型コロナウイルスへの警戒感が強まる1月後半までは12ポイント台の低水準だったが、足元は53ポイント台と、2008年のリーマン・ショック以来の水準に上昇。債券のボラティリティーも米10年国債90VOLUS10YT=RRでみて過去最高レベルに達している。
アライアンス・バーンスタインの債券運用調査部長、駱正彦氏は、まさしく11日の米市場で株式と債券の同時売却が起きたとした上で、「リスクオフが進行する中、現金化の動きが広がっている」と指摘する。
同様の動きは18年2月にもみられた。当時は、リスク・パリティ・ファンドによる資産売却だけでなく、低いボラティリティーに賭けていた上場投資商品(ETP)の価格が急落、早期償還も相次いだことで、「ボラティリティー・ショック」となり、大幅な資産価格の調整が起きた。
https://jp.reuters.com/article/analysis-stock-bond-idJPKBN20Z3S3
どう思いますか?
株も債権もどっちも下がっている。みんな現金化している。いいの?こんな状況で、現金化じゃなくていいの?
ということです。うん。これはいいんです。これで。なぜなら、いままで多くの金融危機を乗り越えて成長してきたポートフォリオだからです。
まさにここで、パーマネントという本領発揮です。パーマネント(恒久)ですからね!
5.まとめ
ここでは、ハリーブラウンが提唱したパーマネント・ポートフォリオのリバランスについて解説しました。
みなさんのポートフォリオが現在どんな状況にあるかが重要ですが、こういう状況こそ分散投資の威力は発揮です。個別の株では、なかなか予測が難しいと思いますので!
6.最後に
管理人としては、久しぶりにリバランスをして何か安心しました!これで、一喜一憂を避けて、この株価の乱高下を客観的にみていきます!ちなみに、全体的には資産がかなり下がっているので、まあそれは1年ぐらいの余裕を持って上がるのをまちます。