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「建築条件付き土地」で、建築家に設計を頼むことが出来るのか?

建築条件付き土地

いい土地が見つかった!ん?何か書いてあるぞ。「建築条件付き土地?」ってなんだろう。

自由に設計して建設したいのだけど、難しいかなぁ。

と思っている方も多いのではないでしょうか。そんな疑問に専門家としてお答えします。

本記事の内容


今回は、まず「建築条件つき土地」とは何かを解説します。その上で、そこに建築家の設計で住宅を建てることができるのか説明します。

✔結論

難しいけれど、可能性はある!アプローチには戦略が必要!

目次

  1. 「建築条件つき土地」とは何か
  2. 土地と建物をセットにして売ることで、利益を設ける仕組み
  3. 戦略を考える 〜建築条件つき土地で建築家を入れるために
  4. まとめ

1.「建築条件つき土地」とは何か

住宅を建てるために、土地を探していると「建築条件付き土地」という言葉に出会うことがあるかとおもいます。

これなんでしょう?この「建築条件付き土地」は近くの土地価格と比べると割安じゃないですか?

だから気になりますよね。なんだろう「建築条件」って!

「建築条件付き土地」というのは、「ある一定期間内に売主が指定した建設業者で家を建てることが必要」という条件がついた土地のことです。

なんだ、じゃあその建築業者を使えばいいのねっていうと、まあその通りです。しかし、実際には業者を使うということだけが制限ではなくて、その業者が指定している住宅の仕様から大きくはみ出ることはできません。

厳しい場合には、「この住宅じゃないとだめですよー」といった場合すらあります。しかし多くの場合は、建売よりは自由な設計や、設備のグレードアップが可能です。

なので、建売住宅ではなく、土地を売ってから建てるという意味で、

売り建て住宅

なんて呼ばれる場合もあります。

2.土地と建物をセットにして売ることで、利益を設ける仕組み

住宅も土地もそうですが、他の商品と違って「激安」になることはありません。相場よりもかなり安いとすれば、実はそれなりの理由があります。

それは、相続などの問題で早急に現金決済で売りたい場合、事故物件の場合など様々です。

ではなぜ「建築条件付き土地」は、相場より安いのか?それは、土地価格を安くした分だけ住宅部分で儲かれば良いからです。結局は、建売住宅と一緒で「土地と建物」をセットで売っているということです。

だから、住宅はできるだけコスト安くすることで、儲けを出していかなくてはいけません。よって、あまり顧客の要望に答えていられないです。ある程度の仕様が決まっていて、少し変更の余地がある。そうはいっても、建売よりは設計の自由度は高いです。

それは、取引に少し違いがあるからです。

「建築条件付き土地」というのは、「ある一定期間内に売主が指定した建設業者で家を建てることが必要」という条件がついた土地

でした。この一定期間ということが重要です。

  • 建て売り住宅のとき
    • 土地と住宅を一緒に「売買契約」する (支払い)
    • 土地と建物を同時に取得する

建売の時は、土地と住宅はセットで売買します。支払いは1回です。

  • 建築条件付き土地の時
    • まず、土地の売買契約をする (支払い)
    • 土地を取得する
    • その後、住宅建設するために建築請負契約を結ぶ (支払い)
    • 住宅を取得する

と二段階になっています。そのため、支払いも土地と住宅建設の2回発生します。

住宅は、この建築請負契約の契約時で建設工事額が決定してくるのです。もちろん、ここで資金を投入すれば、グレードの高い設備に変更できますよね。それが建売住宅との大きな違いです。

しかし、業者を変えることはできません。ここがミソですね。グレードの高い設備や、設計変更が発生すると結果的に住宅建設価格が高騰してしまいます。そうすると、土地の割安感が相殺されてしまうこともあります。

3.戦略を考える −建築条件つき土地で自由設計するために

業者目線で、建築条件付き土地を考える

業者目線でこの土地の売買と、住宅建設を考えてみましょう。そうすると、土地と住宅をセットで販売することで利益を出していく仕組みを崩してはいけないことがわかります。

例:業者の利益(通常の建築条件付き取引)

  • 土地価格(2000万)
  • 住宅価格(2000万)

合計4000万円だった場合で利益率8%の時、業者の利益の320万は崩してはいけません。

「建築条件付き土地」の住宅建設では指定業者を使うために、相見積もりなども取ることができません。ある程度は業者の価格を許容することも必要となります。

指定業者は実は設計施工を含めているので、ここでも利益を最大化しようとします。

戦略を練る

この仕組みをわかってから、アプローチしなくてはいけません。

こう考えると、やはり建築家をここに入れるのは難しいのがわかると思います。しかし、戦略を練った上でアプローチしてみることは、私はアリだと思います。なぜなら、それで成功した人を知っているからです!

そのためには、まずは建ててもらいたい建築家が確定していることが必要です。土地を買ってから探すのでは遅いです。

  1. 土地を探す & 建築家を探す (同時です)
  2. たまたま「建築条件付き土地」に出会う
  3. どうしてもココに建てたい!と思う!

という順番です。どうしてもこの土地が良いという強い信念が重要です。なぜなら、以下に示すように結果的には通常の価格よりも割高となる価格提示が必要となるからです。

  1. 次に、まずは建築条件付きを土地を見にいく
  2. 売り手に詳しく話を聞く。具体的にどんな建築条件がついているのか
  3. 指定業者について調べる
  4. どこまでカスタマイズ可能かをよく聞く

ここまでは、通常のプロセスです。まずは、土地と建てられる住宅についてよく話を聞いて、自分たちがどうしてここが欲しいのか、どこが不満なのかについてもよく調べましょう。

ここで、やっと建築家の登場です。上記のプロセスも、建築家には全て話して相談しておくことが必要です。

  1. 自分たちの要望がどうして指定業者の住宅では叶わないのかについて、業者に説明をする。
  2. お金の話と設計の話を同時に持っていく。ここで、建築家の簡単な見積もりが必要となります。
    • 例えば、土地価格+住宅価格=合計4000万円だった場合で利益率8%の時、業者利益の320万をくずさない簡単な見積もりです。
    • 建築家はよくわかっているので十分に相談しておくこと

もし、土地価格と住宅価格の値段がある程度わかっていた場合は、住宅価格は提示された住宅価格以上の金額を提示する必要があります。なぜなら、建築家を入れて設計するプロセスを、売り手に納得してもらわないといけないからです。

本来、一定のプロセスで建てられるはずの住宅を建築家を入れることで大きく変更しないといけません。そうした変更を許容してもらうためには、本来の利益を確保しつつ、業者にもメリットがあることを示す必要があります。

このプロセスを丁寧に説明して、もし売り手がかなり強い難色を示した場合は、あきらめましょう。きっと、そんな時はもっと良い土地が待っているはずですから!!

4.まとめ

今回は、建築条件付きの土地に、建築家に設計してもらうことが可能か考えてみました。

「建築条件付きの土地」は、制度的には「指定業者」を使うということなので、建築家を使っても十分に利益が出ることが説明できるのではあれば、自由設計は完全にダメなのではありません。

しかし、どちらかというと難しい場合が多いかと思います。

しかし、どうしてもこの土地に惚れ込んで!!という場合には、チャレンジしてみてくださいね!!

最後に


私の知り合いにも、何人か建築条件付きの土地で家を建てた人がいます。その中には、うまいこと建築家に頼んだ人もいます。土地も住宅も、「出会い」です。どうしてもココがいい!と惚れ込んだ場合は、建築家にご相談くださいませ。

きっとよろこんで相談に乗ってくれると思います!

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すむことコム管理人 シミズ
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