「リノベーション と リフォーム の違い」と、「それぞれの業者の選び方」が知りたい方向け。
- リノベーション と リフォーム の違い は一体何でしょうか?
- リノベーション と リフォーム は、業者の選び方って違うの?
中古マンション市場が活況で、それに伴って「リフォーム」「リノベーション」という言葉をよく聞くようになってきました。
そこで、ちょっと疑問に思う人もいるかと思います。
「リフォーム」と「リノベーション」って同じこと?いったい何が違うの?
専門家の視点を含めて答えてみたいと思います。
リノベーション と リフォーム の違い
- リノベーション と リフォーム の違いとはなんでしょう?
リフォームとは?
まず、リフォームですが、もちろん英語の「reform」から来ています。
この英語のリフォームの基本的な意味を見ていると
1〈社会的制度・事態などを〉改正する,改革する,改善する.
reform an educational system 教育制度を改正する.
2〈人を〉改心させる; 〈弊害などを〉是正する,改める.
reform a criminal 犯罪者を更生させる.
研究社 新英和中辞典より
となります。
つまり、英語では組織や制度の変更、また人や物事などの是正といったことに使われます。
しかし、この言葉は、日本では「家の改築」の意味で長年使われてきました。
カタカナの「リフォーム」ですね。
「住宅のリフォーム」「リフォーム会社」と検索すると、かなりの数の会社が検索されます。
このリフォームの意味合いとしては、
「古くなった住宅設備を交換する」「壁紙が汚くなったので交換する」といったように、経年変化で古くなってしまったものを交換して、新しく現状復帰させる。
という意味合いと、
「新しいものに交換」して、ついでに「部屋の間取り変更もして、使いやすいようにする」といったもう少し生活空間を改善させよう!
といった意味合いを持っています。
リノベーションとは?
それではリノベーションは、どうでしょう。
まずは英語の「renovation」の基本的な意味を見ていると
1 不可算名詞 修復; 刷新
RENOVATION NOTICE 改修のお知らせ
the sectional renovation of a building. 建物の部分的補修.
Currently, that castle is under renovation. その城は修理中です.
研究社 新英和中辞典より
といった例文が出てきます。
英語の「renovation」は建築物の修復や改修といった意味合いを含んでいます。
つまり英語的な正確さを求めると、
日本で言われる住宅の改修は「リフォーム」ではなく、「リノベーション」ということになります。
使う言葉はどちらでも良いのですが、日本では混在していて、なんか混乱してしまいますね!
デザイン志向の会社や建築家は「リフォーム」より「リノベーション」という言葉を使いたがる?
そうなんです。これは事実です。
日本では住宅の修繕には、ずっと「リフォーム」という言葉が使われてきました。世代によるかと思いますが、こちらの方がずっと馴染みのある言葉かと思います。
それは、日本の住宅事情に大きく影響しています。
日本では、特に高度成長期から「いつかは一戸建て」と、多くの新築住宅が作られてきました。
この頃から、徐々に大手のハウスメーカーが出来てきて大規模な住宅供給を始めますが、まだまだ地方では大工さんや工務店さんが幅をきかせていました。
私の実家も、近くの大工さんが立ててくれたものです。
新築が多かった時代はリフォームは必要なかったのですが、その後10−15年立つと、設備の交換が徐々に必要になってきます。この頃になっても、まだリフォームではなく設備交換といったところです。
さらに10年程度経つと、子供が家から巣立って行きます。
だいたい住宅は20年から25年程度で大きな修繕が必要になります。
そうして屋根や壁の修繕、台所などの水回り、お風呂などの配管や浴槽の交換が必要な時期に差し掛かります。
ここで出てきた需要が、こうした大きな修繕と同時に内部の間取り変更も伴う形の「リフォーム」です。
この時から、「住宅修繕 = リフォーム」ということなります。そして、この言葉の使われ方が今も継続しているわけです。(いったい最初に名前をつけたのは誰なんでしょう?)
それでは、リノベーションはどうかというと・・・。
ここ、10年−15年ぐらいかけて「リノベーション」という言葉が徐々に浸透してきました。
私が知り合いの建築事務所などでよく耳にするようになったのは、2005年以降ぐらいかと思います。
たしかに、住宅修繕は「リフォーム」ではなく、「リノベーション」を使うのが正しいのです。
しかし、そういう意味の正しさよりも、なんか「リノベーション」という言葉含まれる「おしゃれ感」や「新しさ感」をうまく利用しよう!ということなんです。
そのため、建築家、建築デザイン事務所、デザインを売りにする業者などは、絶対に「リフォーム」は使わないですね。
「うちは、リノベーションしていますよ!リフォームとは違って、デザイン重視していますよ!」
という感じです。
それは、リフォーム業者との差別化として「デザイン性」の前面に出しているということです。
実際やっていることは「住み手の要望に応えつつ、より良い住まい環境を提供する!」ということで、やるべきことは全く「リフォーム」と変わらないのですが、「リノベーション」という言葉を利用して、「生活に新たな価値を!」というような新しい意味を付加しているのです!
うーーん、かなり戦略的なマーケティングですね。
そうした状況と、高齢化、マンション供給過多、新しくマンションの価格高騰により、中古マンション市場が活性化しているので、もちろん消費者にとってはとても嬉しい状況なのです。
住宅事情に大きな変化が出ているので、そこをうまくついて中古マンションのリフォームやリノベーションをするのが流行っています。
建築や住宅に精通していない人は、リフォーム?リノベーション?と迷ってしまうと思いますが、以下が答えです。
- リノベーション と リフォーム って一体何でしょうか?
住宅修繕として、基本的にやることは変わらない!
しかし、「リノベーション」を売りにしている業者は「デザイン性」を重視しているのだと解釈すれば良い。
リノベーション と リフォーム って、それぞれによって業者の選び方って違うの?
リノベーション=デザイン性重視 と考えると、当然ながら業者の選び方は異なってきます。
イメージ的にはこんな感じです。
比較項目 | リノベーション | リフォーム |
---|---|---|
デザイン性 | ◯ | △ |
業者 | 建築家 リノベーション専門業者 デザイナー | 工務店 大工 DIY |
価格 | 凝るほど 高くなりがち | 設備交換なら 格安で可能 |
そして、住宅修繕に何を求めているかによっても、選び方は大きく変わってきます。
設備変更を伴うちょっとした間取り変更であれば、リフォームを主体とした会社で十分と思います。
大工さんと話しながら、その場で棚を新しく作成したり、気になるところの修繕をしたりできますから。
その場合は、価格的な面でも比較検討する余地が結構あるので、一括サイトなどで比較するのも良いと思います。
リフォームの一括比較サイト:日本全国で実績多数|リフォーム比較プロ
一方で、デザイン性を重視した、リノベーションを行いたい場合は、すでに住宅修繕を行って今後住みたい住宅のイメージがある人が多いのではないでしょうか?
リノベーションのニーズは実は様々です。例えば以下のものです。
- 既にリノベーション済みの中古マンションを購入
- 中古マンションを買ってからリノベーションする
- 今住んでいる住宅をリノベーションする
- 建売住宅を買ってから、すぐにリノベーションする
それにしても、リノベーション会社は本当にたくさんあるのですねー。
なんと「リフォーム会社」で検索をかけて、Google検索で約 107,000,000 件 (0.54 秒)もヒットします!びっくりです。
デザイン性を重視しているだけに、一括比較とはいきません!
それぞれ業者ごとに特徴があります。
そのリノベーション会社に所属しているデザイナーの特徴や得意分野があります。
例えば、もともと内装の会社からスタートしている場合は、仕上げまで職人肌でやってくれますし、不動産業者からきている会社は、ワンストップといって、物件探しから、デザイン施工まで一括でやってくれます。
既にリノベーション済みの中古マンションを購入したい人は、実物を見れるメリットがありますし、あとでリノベーションを行う場合は、デザインの自由さがあります。
例えば、以下のような、「デザイン性と実績」を兼ね備えた会社をいくつか比較してみるのも手だと思います。
こちらの記事もご参考までに
結論
質問をまとめたいとおもます。
- リノベーション と リフォーム の違い は一体何でしょうか?
住宅修繕として、基本的にやることは変わらない。しかし、リノベーションを売りにしている業者は「デザイン性」を重視しているのだと解釈すれば良い。
- リノベーション と リフォーム は、業者の選び方って違うの?
違います。
リフォームの場合は、専門業者の一括サイトなどを使いながら探すと、価格と技術力を含めて比較できる。リノベーションの場合は、デザイン性を重視した業者を選ぶ必要がある。
是非、物件とのいいご縁がありますように!
本記事で紹介した比較サイトとリノベーション会社
リフォームの一括比較サイト:日本全国で実績多数|リフォーム比較プロ
グローバルベイス:「リノベーション済の物件販売」と、「ワンストップ(物件探し、リノベ、設計施工)」の両方を展開。
・ひかリノベ:「ワンストップ(物件探し、リノベ、設計施工)」と「既存住宅のリノベーション」の両方を展開。