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デザイナー ポール・ヘニングセンを知ろう! PH5 ペンダント・ランプなど

ポール・ヘニングセンは、デンマーク出身のデザイナー、建築家、評論家です。PH5ペンダントランプと、PHアンティチョークのデザイナーとしても知られています。

Photo: public domain

本記事の内容

本記事では、デザイナー ポール・ヘニングセンの略歴、代表作、書籍を紹介したいと思います。デザイナー ポール・ヘニングセンは、デンマーク出身の建築家です。PH5ペンダントランプとPHアンティチョークを代表とする照明デザインが最も有名ですが、家具デザイン、評論家としても多くの作品を残しています。また初期のデンマーク映画にも参画しており、大変多彩な才能の持ち主でした。

目次

  1. デザイナー ポール・ヘニングセンの略歴
  2. デザイナー ポール・ヘニングセンの代表作 紹介
    • 1932 Snake chair(スネーク・チェア)
    • 1941 PH3/2 Table lamp(テーブル・ランプ)
    • 1935 PH Piano(PHピアノ)
    • 1958 PH Kontrast(コントラスト)
    • 1958 PH Artichoke(アンティチョーク)
    • 1958 PH5 lamp(ペンダント・ランプ)
  3. デザイナー ポール・ヘニングセンの書籍 紹介
  4. まとめ

1.デザイナー ポール・ヘニングセンの略歴

デザイナー ポール・ヘニングセンは、1894年に生まれました。

ポール・ヘニングセンは多彩で、作家、評論家、建築家、デザイナーなど、他分野で活躍しました。一般的にはPHランプシリーズ(特に、PH5が有名)のデザイナーとして知られています。

ポール・ヘニングセンは、父が作家のカール・エヴァルト(1856-1908)で母が作家アグネス・ヘニングセン(1868–1962)の4番目の子供です。

ポール・ヘニングセンはアグネス・ヘニングセンのモダンな家で、のびのびと子供時代を過ごしたそうです。一流の文学者がよく訪れていたため、文化的な環境が子供時代から周りにあったといえます。

1911年から1917年に、ポール・ヘニングセンはコペンハーゲン工科大学とデンマーク工科大学で訓練を受け、建築家の訓練を受けました。

1920年から、ポール・ヘニングセンは建築家およびデザイナーとして独立します。

ポール・ヘニングセンのデザインへの最も重要な貢献は「グレアのない照明」を作ったことです。ヘニングセンは、これまでのランプの眩しさを取り除き、暖かく柔らかな光を放つ照明の開発に多くの時間を費やしました。

「PH」シリーズの最初のランプは、1925年にパリで開催された国際近代装飾工芸展で展示されました。

PHランプは、後のデザインと同様に、電球からの光線の反射を注意深く分析して、グレアのない均一な照明を実現しています。彼の最も有名なモデルはPHアーティチョークとPH5です。

現在もポール・ヘニングセンのランプは、ヘニングセンが生涯にわたって協力関係を築いたデンマークの照明メーカー、ルイスポールセンによって製造されています。

ポール・ヘニングセンの有名なデザインとしてPHグランドピアノがあります。これは、ニューヨークのメトロポリタン美術館などで、20世紀を代表するデザインとしてコレクションされています。

また、1946年にコペンハーゲンのチボリ公園のためにガラスホール(グラスサレン)を設計しています。

ポール・ヘニングセンには、他に評論と文学のキャリアがあります。

1920年代にポール・ヘニングセンは、左翼の定期刊行物であるKritiskRevy(1926–1928 “Critical Review”)を編集します。

またここでは、政治的発言を行いながら昔ながらの保守的なデザインスタイルと文化的保守主義を批判します。それによって、モダンでシンプルな生活を賞賛する評論家として認知されるようになります。

1933年に、彼は彼の最も有名な評論「Hvad med Kulturen?」(What About Culture?)を公表しました。ヘニングセンは、当時のデンマークの文化的生活とそのスノッブさを批判し、それを当時台頭していたファシストの傾向と類似させようとしました。

つまりポール・ヘニングセンの活動は全体として共産主義に加わってはいないものの、その伴走者的な言説であったと言えます。それによって反ファシストのプロパガンダに参加して、文化的言説を政治を結びつけようとしています。

ポール・ヘニングセンは、デンマークの会社Bang&Olufsen(B&O)にも大きな影響を与えました。 1954年にポール・ヘニングセンは、批評的なレビューを書いてB&Oが素材とスタイルを完全混合していると指摘します。それによってB&Oでの製品開発が大きく変化しました。

また、ポール・ヘニングセンは、現代デンマークの生活をジャズのリズムにのせてフランクに描いた映画、デンマークフィルム(Danmarksfilmen(1935)英語:The Film of Denmark)に参画します。この映画はほとんどの批評家によって大きく非難されましたが、後に古典的なデンマークのドキュメンタリー映画として再評価されます。

第二次世界大戦とドイツのデンマーク占領の間、1943年にポール・ヘニングセンはスウェーデンに逃げました。ポール・ヘニングセンはレジスタンス的な詩によって精神を維持し、戦後はソビエト連邦に対する懐疑をもち共産主義思想から抜けていきます。

ポール・ヘニングセンは執筆と討論を続け、1960年代には新世代との交流を持ち、その後デンマークのアカデミーのメンバーとなります。

家具デザイン

照明ほど知られていませんが、ポール・ヘニングセンは、1919年から50年代半ばまで、数多くの家具をデザインしています。

このPHファニチャーコレクションは、ヘニングセン・ファミリーのライセンスに基づいて、コレクション全体がデンマークの企業ToneArt Interior(PHファニチャー)によって管理、製造されています。

すべてのPHファニチャーと有名なPHピアノは、ウェブサイト「PHファニチャーとピアノ -ポール・ヘニングセン・デザイン・クラシックの復活」でみることができます。

デザイナー ポール・ヘニングセンは1967年に亡くなりました。

2.デザイナー ポール・ヘニングセン代表作 紹介

1932 Snake chair(スネーク・チェア)

PHスネークチェアは、椅子のベースと背面を形作る1本の鋼管で構成されています。

これは、1932年にデンマークの工業デザインおよび製品見本市で発表された8本の鋼管部品からなるコレクションの一部でした。

鋼で作成されたエレガントな形状はとても革新的で、この独特な特徴により多くの注目を集めました。

このコレクションは、ポール・ヘニングセンの生涯を通じて販売されたりすることはありませんでした。それは、当時の製造技術では、ポール・ヘニングセンによる洗練されたデザインを工業製品として生み出すことが不可能だったからです。

しかし、現在はスイスの最新の製造技術により販売が可能になりました。

1927 PH3/2 Table lamp(テーブル・ランプ)

1927年に設計・発表されたテーブルランプです。

対数螺旋という曲線のシェードが3枚組み合わされています。

電球の眩しいグレアを消して、シェードが効率良く光を反射するように設計されています。1998年に復刻発売されました。

1935 PH Piano(PHピアノ)

ポール・ヘニングセンは、透明なガラスの蓋、革の縁、スチールの脚が特徴のPHグランドピアノをデザインします。

PHグランドピアノは、伝統的なグランドピアノのデザインとしてのブラックボックスから大きく逸脱しています。

ポール・ヘニングセンはピアノを開くことで、音楽の美しさを引き出したいと考えていたそうです。

1958 PH Kontrast(コントラスト)

1958年にポール・ヘニングセンによってデザインされルイス・ポールセン社から発売されたペンダントランプ「PH Kontrast」です。

10枚のシェードから構成されており、各シェードは複数の色と光沢仕上げによって塗装されています。

外側の白色と光沢部分に光が反射し、拡散されてやわらかな間接光となります。

光源の位置を調整させることで、色味を変化させることもできます。

wikimedia commons

1958 PH Artichoke(アンティチョーク)

PH Artichoke(アンティチョーク)は、ポール・ヘニングセンのデザインの中でももっとも有名なもののひとつです。

光源の周りに72枚の羽根がり、この羽が完璧なグレア・フリーを実現します。

羽根は、12列に6枚づつあり、羽同士が光を反射しあって全体が美しく発光するように設計されています。

このランプがあるだけで、空間が格調高い雰囲気となります。

1958 PH5 lamp(ペンダント・ランプ)

上述したように、「PH」シリーズ照明の最初のランプは、1925年にパリで開催された国際近代装飾工芸展で展示されました。

その後改良しながらペンダントランプが次々と生まれて、ついに1958年にこのPH5が出来上がります。

グレアのない均一な照明を実現し、光の調和を第一に考えて設計されました。

4枚の大小サイズの重なるシェードは、光源を包み込み、電球自体を包み込む構造になっています。

光源はフロシェード内面で反射され柔らかい光となり、空間を豊かな光で満たします。

3.デザイナー ポール・ヘニングセンの書籍 紹介

北欧の照明: デザイン&ライトスケープ

北欧照明の代表としてポール・ヘニングセンのランプを基本としがら、ポール・ヘニングセンと北欧照明デザインの網羅的な情報に触れているので、全体像をとらえる最初の本としておすすめです。

書籍が「北欧の照明: デザイン&ライトスケープ」なので、アルヴァ・アアルトなど北欧を代表するデザイナー、建築家にも言及しています。

暗くて長い冬の間、室内で暮らす時間を楽しむため、北欧では優れた照明器具が多数生みだされ、 建築や都市空間を彩る照明手法が発達した。
本書は、ポール・ヘニングセンアルヴァ・アアルトら、北欧のデザイナーや建築家11人が手がけた100の名作について、デザインと機能、空間の照明手法を500点に及ぶ写真と図面で紹介。

[目次]

Introduction │ 北欧の照明デザインについて

Poul Henningsen│ポール・ヘニングセン(1894-1967)
ポール・ヘニングセンの人物像と多彩な活動
ヘニングセン自邸
ヘンネ・メッレ川のシーサイドホテル
ヘニングセンの照明理論
初期の照明デザイン
パリランプ
フォーラムランプ
3枚シェードのPHランプの特質
世界中に普及した3枚シェードのPHランプ
ルイスポールセン社との関わり
オーフス駅の3枚シェードのPHランプ
デーンズ・ランドリーのPHグローブとPH蛍光灯
PHセプティマと4枚シェードのPHランプ
チボリ公園の照明
戦時中の紙製プリーツランプ
PH5
PHコントラスト
ランゲリニエ・パヴィリオンのPHアーティチョークとPHプレート
PHルーブルとPHスノーボール
オーフス大学メインホールのスパイラルランプ
オーフス劇場のダブルスパイラルランプ

Amazonより

4.まとめ

デザイナー ポール・ヘニングセンは、デンマークのモダン・デザインを代表するデザイナーのひとりです。実は私も自宅にPH5を購入しましたが、ランプ一つで空間を大きく変えることができるのだと実感しました。PH5ペンダントランプの柔らかい光の下で食べる食事は、雰囲気も大きく変わり、同じ食事でも美味しく感じます。この時代のデンマーク・デザインは、本当に才能の宝庫であったのだと思います。

注意説明 公共建築以外の場所の特定は行っていません。個人の所有物である住宅は、場所の特定をしないように配慮しております。ご了承くださいませ。

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