長大作は、中国東北部(旧満州)出身の家具デザイナーです。グッドデザイン賞を取得した「低座イス(天童木工)」のデザイナーとしても知られています。
Photo: wikimedia commons
本記事の内容
本記事では、デザイナー 長大作の略歴、代表作、書籍を紹介したいと思います。家具デザイナー 長大作は、中国東北部(旧満州)出身の建築家です。坂倉準三の建築設計事務所で働いている間に、家具デザイナーとしてデビューし、「低座イス(天童木工)」でグッドデザイン賞を受賞しています。戦後の日本を代表する家具デザイナーとして知られています。
目次
- デザイナー 長大作の略歴
- デザイナー 長大作の代表作 紹介
- 1960 低座イス
- 1960 中座イス
- 1960 パーシモンチェア
- デザイナー 長大作の書籍 紹介
- まとめ
1.デザイナー 長大作の略歴
デザイナー 長大作は、1921年に中国東北部(旧満州)で生まれました。
1945年に東京美術学校建築科を卒業します。
その後、坂倉準三建築研究所に入所します。藤山愛一郎邸などを担当して、1960年に代表作となる「低座イス」をデザインします。
そして、「低座イス(T-5016N)」でグッドデザイン賞を受賞します。
1972年には、自身のデザイン事務所として長大作建築設計室を立ち上げました。
その後、住宅を中心に設計監理及び家具デザイン、内装などを含めて多くの作品に関わります。
1989〜92年には、愛知県芸術大学美術学部デザイン科客員教授を務め、1994年に第21回国井喜太郎産業工芸賞を受賞します。
長大作は、2014年に93歳で亡くなります。
2.デザイナー 長大作の代表作 紹介
1960 低座イス
長大作が1960年にデザインした座椅子のマスターピースであり傑作です。
座椅子はやはり日本のデザインですね。
グッドデザイン賞を受賞して、今も多く人に選ばれる座椅子の名作です。
1960 中座イス
1960年に開催された、天童木工の創立20周年記念展覧会「第1回天童木工展」で発表されました。
傑作である「低座イス」の持つゆったりさと、中座イスならでは「使いやすさ(座りやすさと立ちやすさ)」が共存しています。
坂倉事務所が設計した藤山愛一郎邸でも使われていました。
1960 パーシモンチェア
1960年にミラノトリエンナーレで発表された椅子です。
第11回ミラノ・トリエンナーレの日本館は会場構成を坂倉準三建築研究所が行っており、長大作が家具のデザインを担当しています。
なめらかな有機的なフォルムを持つ背板が特徴です。ダイニングチェアとしても最適なデザインとなっています。
3.デザイナー 長大作の書籍 紹介
長大作―84歳現役デザイナー
日本の戦後のデザインの重要人物の一人であり、生涯現役のデザイナーとして活躍していました。
長大作の仕事や考え方を知ることができる貴重な一冊です。
日本のデザイン史に残るような家具をデザインし、デザインを心底愛し、まだまだ情熱を失わずに前向きに仕事に取り組む84歳の現役デザイナー、長大作の仕事や考え方、その生きる元気を伝える一冊。
Amazonより
4.まとめ
デザイナー 長大作は、日本を代表する家具デザイナーのひとりです。有名な「低座イス」は、日本の暮らし方の中でこそ生まれたデザインです。靴を脱ぎ、自由に横にもなれる畳の生活こそが、このデザインを生んだのだと思います。日本と海外のモダニズムの思想が融合したデザインです。長く使えるデザインですし、「座椅子とこたつ」の組み合わせも良いです。