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不動産投資信託(リート)はリスク資産?リスク軽減の方法を解説します

投資の木

株も債権も持っているし、次は不動産投資信託(リート)だ!という人もいると思います。 建築やっていると時々質問されます。

リートはETFを買うことで手数料が安く、配当が高いので資産として買いたくなります。しかし、大丈夫かなぁ?下がるのが心配!そんな人も多いのではないでしょうか。

不動産投資信託(リート)を買う前に考えることがいくつかあります。今回は、リートのリスクと買い方を解説したいと思います。

本記事の内容

不動産投資信託(リート)のリスクと買い方を解説します。

✔POINT

不動産投資信託(リート)は株、債権、ゴールド以外の資産として注目を集めている。他のサイトを見ると、日経平均と逆連動しているという記事もある。根本からリートの成り立ちを考えると、リートのリスクにはどのようなものがあるのだろうか。今回は以下の点に絞って考えてみる。

目次

  1. 不動産投資信託(リート)とは何か
  2. 不動産投資信託(リート)の配当が高いのはなぜか
  3. 不動産投資信託(リート)のリスク
  4. 不動産投資信託(リート)の買い方
  5. まとめ

1.不動産投資信託(リート)とは何か

まず、リートとは何かというと、複数の投資家から資金を集めて、不動産への投資を行うものです。リートは、少額から大規模な不動産に投資できるのが魅力です。不動産への投資によって得られる家賃収入や不動産の売買益が、投資信託の配当の原資となります。

詳しくは、リートとはなんだろう?を御覧ください。

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不動産投資信託(リート)の配当が高いのはなぜか

リートの配当が高いのには、3つの理由があります。

利益の90%を配当に回すことで税金免除

リートは不動産投資法人という法人格の組織で運営されています。この法人格では、利益の90%以上を配当金に回すことで法人税が免除される仕組みになっています。そのため、通常の会社の株式に投資するのに比べると配当金に回る割合が極めて大きいです。

それでは、なぜ法人税が免除されるのでしょうか?

それは、不動産投資法人という法人格に特徴があります。この法人格では、不動産の売買と投資物件の運用に業務が限定されています。そのため、利益を通常の会社のようにほかの業務に回すことができません。法人の利益は、投資者に分配するのが基本となります。

都市部における不動産価格の上昇

2013年から始まったアベノミクスの影響と、2020年の東京オリンピック開催に向けて特に東京都市部の不動産価格が大幅に上昇しています。この影響で不動産投資の利益幅が拡大しています。

この上昇が今後どうなるかは、専門家の間でも意見が割れています。

リート自体が分散投資であること

リートは不動産への分散投資を行っています。そこでの不動産の賃料収入は複数年契約であることが多く、景気が下がり基調にあるからといってすぐに家賃が下落することはありません。

もちろん、不動産の借り手がいない場合は家賃収入はなくなりますが、大手会社が入る大型物件であれば立地もいいために次の会社が決まることも多く、景気の動向からの影響には時間差があります。

3.不動産投資信託(リート)のリスク

ここでは、リートのリスクについて、以下の5点にまとめてみます。

法人としての倒産リスク

リートは不動産投資法人が運営していますが、通常の会社と同じで業績が悪い場合は、当然倒産するリスクがあります。また、業績が悪化するとリートの価格自体にも大きな影響があります。このため、どこの不動産投資法人のリートに投資するかは極めて重要です。

リートの上場廃止リスク

これは、上記に関連しています。リートは詳しくみると上場リートと私募リートがあります。上場リートは、証券取引所に上場しており株式同じで自由に売買できるものです。私募リートは上場していないため、換金には不動産投資法人を通して行うため、少々手間がかかります。

一方で、上場リートだからといってリスクが軽減されているわけではありません。不動産投資法人のリート運用結果によっては、上場廃止のリスクがあります。

自然災害リスク

自然災害の多い日本では深刻です。地震や台風の災害リスクはあります。また、台風に関連して洪水などの二次被害によって、投資対象不動産が大きく毀損することも考えられます。それでは海外を見てみると、米国リートが安心かというと、決してそういうわけではありません。アメリカもハリケーン、山火事、地震のリスクはあります。

一方で、土地自体の価格がゼロになることはないので、株のように評価がゼロになることもがないのも特徴です。

不動産市場全体のリスク

不動産は日本の経済的な影響はもちろんのこと、海外(米国、アジア、ヨーロッパ)の証券市場などの影響を受けます。それにより、賃貸市場や売買市場が停滞して、投資対象物件の価格が下落することがあります。

また、上述しましたが、経済的な影響が不動産市場全体に影響するのには時間があるので、その間に保有しているリートを売りに出すことで、リスクを軽減することができるのも特徴です。そのためには、上場リートの方が売買がしやすいので安心です。

金利の変動に対するリスク

リートは、一般の投資家から運用のための資金を集めるのですが、一時的に不動産の購入資金を金融機関からの借り入れていることもあります。金利は、政府の経済的政策や国際的な経済動向によって変動が発生します。そのため、借り入れの場合は、金利が上がると金融機関への利息が増加するため収益が減少し、リート自体の価格や分配金が減少するリスクがあります。

4.不動産投資信託(リート)の買い方

リートの前にやること 基本の分散投資

詳しくは、リートとはなんだろう?の中に書きましたが、リートは株、債権。ゴールド以外の分散投資の対象として有効なものです。そのため、リートを購入する前に、上記の伝統的な資産に分散投資を行なっておくことをお勧めします。

リートは、配当金が多くて大変魅力的な金融商品ですが、基本的にはリスク資産であり、分散投資によってそのリスクを軽減する必要があります。

リートをさらに分散投資

個別のリート自体も投資信託であるため、様々な不動産に投資をしているので分散投資しています。ここでは、さらに以下の3つの分散投資が選択肢に入ってきます。

複数の個別 J-リートへの投資

複数の個別リートへの投資を考えましょう。これにより、ひとつの投資信託よりさらに分散度が上がります。各不動産投資法人には得意分野があり、どこの不動産に投資していくのかは、その投資信託の目論見書を十分に読む必要があります。

日本上場投資信託リート ETFへの投資

分散度で間違いないのは、上場投資信託リート ETFへの投資です。これは、インデックス投資といわれるもので、TOPIX連動型投資信託の、不動産版と考えてもらうと良いかと思います。

各投資信託ほどのパフォーマンスは得られない可能性がありますが、分散度は極めて高く価格の上下も、個別の投資信託と比べると小さいことが多いです。個別のリートを購入する前に、まずリート ETFを購入して様子を見るという手もあります。

日本で買える海外リート ETFへの投資

海外のリート ETFに投資をすることで、さらに分散度を上げることができます。東京証券取引所で現在取引できる海外リートは以下の通りです。日本から海外へのリートを視野に入れることで分散度が上がり、日本固有のリスクを軽減することができます。たとえば、日本で自然災害が起きて日本のリート ETFの価格が下がったとしても、海外リート ETFには影響はありません。

対象指標コード名称管理会社信託報酬
FTSE EPRA/Naリートアジア(除く日本)リート10%キャップ指数1495上場インデックスファンドアジアリート日興アセットマネジメント(13084)0.7%程度
FTSE Naリート Equity リートs インデックス(TTM 円建て)1659iシェアーズ 米国リート ETFブラックロック・ジャパン(13294)0.20%以内
野村高利回りJリート指数1660MAXIS高利回りJリート上場投信三菱UFJ国際投信(13444)0.25%
S&P先進国リート指数(除く日本、配当込み)2515NEXT FUNDS 外国REIT・S&P先進国REIT指数(除く日本・為替ヘッジなし)連動型上場投信野村アセットマネジメント(13064)0.17%以内

5.まとめ

投資にはメリットとデメリットがあります。リートはリスク資産です。この点を十分に把握した上で、できるだけ分散投資をしてリスクを回避しながら、高い換金性のあるリート ETFで売買するのが私のおすすめです。

投資は個人の責任なりますので、リスクの把握には十分に気をつけましょう。

最後に

日本の不動産市場の未来を予測するのは誰にもできません。しかし、不動産市場が活気づくためには何が必要かを考えることはできます。それはやはり、「人口増加」です。不動産を必要とする人が増えない限り、長期的な不動産市場の活性化は望めません。その意味では、外国人観光客の増加(つまりホテルや観光産業の増加)、外国人労働者の増加(住居、商店の増加)などを注視していくのは重要です。これらを活性化させるような政府の施策にも注目しましょう。

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