フィリップ・スタルクは、フランスのパリ出身のデザイナーです。建築、インテリアデザイン、家庭用品、家具を含む幅広い分野で活躍しています。
本記事の内容
本記事では、デザイナー フィリップ・スタルクの略歴、代表作、書籍を紹介したいと思います。デザイナー フィリップ・スタルクは、フランス・パリ出身のデザイナーです。スタルクのデザインは、家具、装飾、建築、ストリートファニチャー、浴室付属品、キッチン、床および壁装材、照明、家庭用電化製品、食器、衣類など、多くの工業製品に及んでいます。ここまで多様なものをデザインできるアイデアは本当にすごいです。書籍では、そうしたスタルクの頭の中を覗けるような「スケッチの本」を紹介しています。
目次
- デザイナー フィリップ・スタルクの略歴
- デザイナー フィリップ・スタルクの代表作 紹介
- 1990 レモンスクイザー(Juicy Salif), Alessi
- 1997 マスターズ チェア(Masters Chair), Kartell
- 2002 ダイニングチェア クリスタル(Louis Ghost Chairs), Kartell
- デザイナー フィリップ・スタルクの書籍 紹介
- まとめ
1.デザイナー フィリップ・スタルクの略歴
デザイナー フィリップ・スタルクは、1949年にフランスのパリで生まれました。
建築、インテリアデザイン、家庭用品、家具、ボートなどとても幅広いデザインで知られるフランスのデザイナー、建築家です。
フィリップ・スタルクの父は航空エンジニアで、フィリップ・スタルク自身も父親の仕事が彼にインスピレーションを与え、様々なデザインを「発明」することに影響したと言っています。
フィリップ・スタルクは、パリのエコール・カモンドで学びました。
レストラン、ホテル、家具、宇宙関係まで、フィリップ・スタルクは10,000を超える独創的なデザインに関与しています。
スタルクがアディダスで働いている間、彼は最初のデザイン会社を設立し、後にフィリップ・K・ディックの小説にちなんでUbikと改名します。
1983年、フランス大統領ミッテランは、文化大臣であったジャック・ラングの推薦により、大統領の私有アパートを改修するためにスタルクを選びました。
1980年代後半以来、スタルクはさまざまな国でホテルを設計しました。ニューヨーク市のロイヤルトンホテル(1988)とパラマウントホテル(1990)、ウェストハリウッドのモンドリアンホテル、ロンドンのセントマーチンズレーン、2016年のルムーリスの改修、ロイヤルモンソー(2010)、そして最近ではホテルブラッシュ(2018)、ホテル9コンフィデンシャル(2018)があります。
フィリップ・スタルクは日本とも関係が深いです。フィリップ・スタルクは1989年から日本で建築を開始し、アサヒビールの本社を設計しました。これは屋上にある「金色の炎」が有名です。
1991年に、フローニンゲン美術館のパビリオンの1つを設計しました。この美術館は、他にも建築家アレッサンドロ・メンディーニ、コープ・ヒメルブラウによって設計され、全部で3つの建物で構成されています。
これに続いて、1992年に大阪のバロンヴェール・オフィスコンプレックスを設計します。またフランスでは、彼はパリの国立高等装飾美術学校(ENSAD)の拡張部分を設計しました。
スタルクはまた、手頃な価格で調整可能なプレハブP. A.T.H.を設計しました。これは、手ごろな価格で、優れたデザインの家を提供しており革命的とも言えます。
スタルクは2008年に、アップルの創設者のスティーブ・ジョブズのヨット・ヴィーナスを設計しました。これは、スティーブ・ジョブズ死後1年余りで2012年10月に発売されることになりました。
スタルクの作品は、ニューヨーク近代美術館を含むヨーロッパとアメリカの多くの美術館にパーマネント・コレクションとして収蔵されています。
2.デザイナー フィリップ・スタルクの代表作 紹介
1990 レモンスクイザー(Juicy Salif), Alessi
アレッシィのプロダクトでも、その象徴的なデザインが「ジューシー・サリフ(Juicy Salif)」です。
イタリアで休暇を楽しんでいたフィリップ・スタルクが、イカ料理を食べていた時にレモンを絞ることになり、そのイメージからこの「ジューシーサリフ(Juicy Salif)」が生まれたそうです。
デザイナーのPhilippeStarck(フィリップ・スタルク)の代表作とも言えるシトラススクイーザー、その正体はレモン絞り器。
ミステリアスで何やら思わせぶりな脚線美のシトラススクイーザーはALESSIを象徴する作品の一つでもあります。
シトラスジューサーとしての機能性も高く、コップを中央に置くと絞った果汁が伝わって落ちる仕組みになっています。
Amazonより
1997 マスターズ チェア(Masters Chair), Kartell
樹脂で一体成型されたダイニング用のチェアです。
ダイニングチェア名作である、シェル・チェア(チャールズ&レイ・イームズ)、セブン・チェア(アルネ・ヤコブセン)、チューリップ・チェア(エーロ・サーリネン)のアウトラインを重ね合わせたフォルムです。
一体化することでなんとも不思議なフォルムです。軽量なので、実用的なチェアです。
スタッキング可能なことも特徴です。レストランやオフィスでも良いと思います。
2002 ダイニングチェア クリスタル(Louis Ghost Chairs), Kartell
ルイ15世のスタイルをスタルクが再デザインしたものです。
この透明色のポリカーボネート樹脂がとても軽い印象を出しています。
バロックスタイルと現代の融合が新鮮で、フィリップ・スタルクの家具デザインのベストセラーモデルです。
透明で軽いですが、耐久性があり、衝撃や傷に強く、屋外でも使用できます。
また、スタッキングが可能なのも特徴です。
3.デザイナー フィリップ・スタルクの書籍 紹介
Starck, Secret Drawings: 4,000 Sketches Unveiled
2018年に出版の、フィリップ・スタルクのドローイング集です。現時点では、こちらがスタルク著作としての最新作と思います。
なんと、4000個という膨大なスケッチがみられるのは貴重ですね。スケッチからフィリップ・スタルクの頭の中が垣間見られるようです。
4.まとめ
デザイナー フィリップ・スタルクは、現代を代表するデザイナーのひとりです。多様なデザインを生み出す思考回路がどうなっているのか知りたくなります。今回ご紹介した書籍は、ドローイング集ですが、スタルクの頭の中が透けて見えるようで楽しいです。工業製品となっていて、手が届く価格の「スタルク製品」が多いので、スタルクデザインの椅子なども買ってみたくなります。