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建築家 リチャード・マイヤーを知ろう! ハイ美術館/ゲッティーセンターなど

建築家 リチャード・マイヤーは、米国のニュージャージー州出身の建築家です。白い純粋なモダニズム建築を見ると、ル・コルビジェとリチャード・マイヤーを思い出します。

本記事の内容

本記事では、建築家リチャード・マイヤーの略歴、代表作、書籍を紹介したいと思います。建築家リチャード・マイヤーは、正統派モダニズムの現代建築家です。白を基調として、透明感のある建築が特徴的です。日本で言えば、谷口吉生と同じ方向性を持っているように感じます。

目次

  1. 建築家 リチャード・マイヤーの略歴
  2. 建築家 リチャード・マイヤーの代表作 紹介
    • 1983 ハイ美術館
    • 1995 バルセロナ現代美術館
    • 1997 ゲッティーセンター
  3. 建築家 リチャード・マイヤーの書籍 紹介
  4. まとめ

1.建築家 リチャード・マイヤーの略歴

建築家リチャード・マイヤーは、1934年に米国のニュージャージー州で生まれました。両親はユダヤ人です。1957年にコーネル大学で建築学士号を取得しています。卒業後、リチャード・マイヤーはヨーロッパと中東(イスラエル、ギリシャ、ドイツ、フランス、デンマーク、フィンランド、イタリアなど)を旅行して多くの刺激を受けています。

マルセル・ブロイヤーの事務所で3年間勤務し、1963年に独立します。キャリアの早い段階で、マイヤーは画家のフランク・ステラなどのアーティストと協力しているのも特徴です。

リチャード・マイヤーは、ニューヨーク・ファイブ(ピーターアイゼンマン、チャールズ・グワスミー、ジョン・ヘイダック、リチャード・マイヤー)のメンバーであり、ピーター・アイゼンマンの又従兄弟(祖父・祖母の世代が兄弟姉妹)でもあります。結構おもしろいですよね!

リチャード・マイヤーは、インディアナ州のアテネウム(1979年)とジョージア州アトランタのハイ美術館(1983年)で一気に有名になります。1997年にオープンしたカリフォルニア州ロサンゼルスにある巨大な美術館複合体であるゲッティセンターは、彼の名前を不動のものにしました。また、多くの住宅の設計でも高い評価を得ています。

他にも、バルセロナ現代美術館(1995)やカリフォルニア州のペイリーメディアセンター(1996)、ハーグ市庁舎とオランダ市庁舎(1995)など、世界中に活躍の場を広げました。

リチャード・マイヤーの作品のスタイルは、20世紀初頭から20世紀半ばのモダニズムの作品、特にル・コルビュジエの初期の建築(白の時代)から多くの影響を受けています。建築の「白」は、また、スペイン、南イタリア、ギリシャの地中海地域の大聖堂や白塗りの村など、歴史を通じて多くの建築的建造物で使用されてきており、こうした歴史性からの参照についても指摘されています。

2.建築家 リチャード・マイヤー代表作 紹介

1983 ハイ美術館

ハイ美術館は、1905年にハイ・ファミリーによりアート・アソシエーションとして設立されました。

1962年に106人のアトランタの芸術愛好家がパリ=オルリー空港で飛行機事故に巻き込まれます。当時、史上最悪の飛行機災害でありアトランタの著名人も亡くなりました。パリへの訪問中、アトランタの芸術愛好家はルーブル美術館でジェームズ・マクニール・ホイッスラー作の「灰色と黒のアレンジメント-母の肖像」を見る予定であったため、1962年にルーブル美術館はアトランタの人々への善意のしるしとして、「灰色と黒のアレンジメント-母の肖像」をアトランタに送り、一時的に展示しています。

また、1962年の事故で亡くなった人々を称えるために、アトランタ・メモリアル・アートセンターがハイ美術館に建てられました。そのときに、フランス政府は犠牲者を追悼して、ロダンの複数の彫刻を寄贈しました。こうした歴史性をハイ美術館は抱えています。1983年にリチャード・マイヤーの設計で、新しいハイ美術館が竣工しました。リチャード・マイヤーはこの翌年にプリツカー賞を受賞しています。

リチャード・マイヤーの非常に彫刻的な建物は、内部の展示よりも美しいという批評もあります。白いコンクリートで構築されたロビーは巨大なアトリウムであり、美しい一方で展示スペースがほとんどなく制限されています。こうしたキュレーター泣かせのスペースが皮肉を込めてそう呼ばれている面もあります。公式な延床面積は12,500 m2ですが、ギャラリースペースとしては4,800 m2しか利用できないのです。

レンゾ・ピアノは2005年に、ハイ美術館のマイヤー棟に接続して、3棟の新しい建物を設計しました。これにより博物館は、2倍以上の29,000平方メートルに拡大します。ハイ美術館の拡張の一環として建てられた3つの新しい建物はすべて、リチャード・マイヤーが最初に選んだ白いファサードに合わせて、アルミニウムのパネルで覆われています。 レンゾ・ピアノは光を取り込む特別な屋根システムが特徴です。

1995 バルセロナ現代美術館

バルセロナ市議会は、当時治安が悪化していたバルセロナの最も古い通りや建物が位置するラバル地区とエンゼルス広場に博物館を建設するという決定をしました。1987年にMACBA財団が設立されました。翌年、MACBA財団はカタルーニャ知事とバルセロナ市議会と協力して、博物館のプロセスを促進するためにMACBAコンソーシアムを設立しました。

この決定は、ラバル地区の公共スペースを新しく刷新し治安の改善を目指す方針に一環であり、その設計者として、リチャードマイヤー&パートナーズを選定しました。バルセロナ現代美術館は、本来計画されていた1992年の夏季オリンピックには開館できず、3年後の1995年に公開されました。

リチャード・マイヤーは設計時には、どういった現代アート作品を最終的に展示するのか決まっていなかったため、設計は困難な作業であったといいます。

バルセロナ現代美術館は、モダニズムに強く意識した白い建物で、南側はほとんどガラス張りです。訪問者は、広場全体の景色を見ることができ、また室内のギャラリーを照らす自然光が豊富に入ってきます。このようにバルセロナの最も古い地域におけるモダニズムデザインは、単独ではなく周りを相まって強い象徴性を発揮していると感じます。

1995 バルセロナ現代美術館 建築家 リチャード・マイヤー

1997 ゲッティーセンター

カリフォルニア州ロサンゼルスにあるゲッティセンターは、ゲッティ美術館とゲッティトラストの複合施設です。年間180万人の訪問者が訪れる人気スポットです。

ゲッティ美術館には、20世紀以前のヨーロッパの絵画、ドローイング、原稿、彫刻、装飾芸術があり、1830年代から現在までの写真が世界中から集められています。

建築家リチャードマイヤーは、ゲッティ研究所(GRI)、ゲッティ保護研究所、ゲッティ財団などの多くの施設全体の設計を行いました。建設は大幅に遅延し、完成予定日は1988年から1995年に変更され、さらに2年延長して1997年に全体が完成しました。総プロジェクト費用は3億5000万ドルから、13億ドルと大幅に増額されたそうです。

リチャード・マイヤーは設計の軸として、丘の上で22.5度の角度にある2つ尾根を利用しました。この軸に沿って2つのグリッドを重ね合わせることにより、これらのグリッドは、建物を分割しながらゲッティセンター全体のスペースを区分しました。1つの軸に沿ってギャラリーがあり、もう1つの軸に沿って管理用建物があります。

主な南北軸はヘリポートから始まり、狭い通路を通って路面電車の駅まで続き、さらに展示パビリオンの壁と支柱を通り過ぎて、最後に西パビリオンと中央庭園に向かいます。対応する東西軸は、ゲッティ研究所(GRI)から、中央庭園、中央通路、西のパビリオン、そして西のパビリオンの北壁を通っていきます。

このグリッドの最小単位は、30インチ(760 mm)の正方形です。それによって、ほとんどの壁と床の要素(トラバーチン、アルミニウム、コンクリート、鉄)は、30インチ(760 mm)の正方形で作られています。訪問者がプールに足を踏み入れないようにするために、ベンチとフェンスが広場の噴水の周りに設置されるといった実用的な工夫も所々にあります。

マイヤーは、ゲッティセンター全体に強い軸線を引くことで、この2つの競合するグリッドを強調しています。

1997 ゲッティーセンター 建築家 リチャード・マイヤー
1997 ゲッティーセンター 建築家 リチャード・マイヤー

3.建築家 リチャード・マイヤーの書籍 紹介

Richard Meier, Architect Vol 7 

リチャード・マイヤーの建築シリーズの7巻目です。このシリーズを見ると、リチャード・マイヤーを通しで理解できます。それぞれの巻に特徴があるので、好きな巻からみてみましょう!

ケネス・フランプトンが序論を書いています!

The seventh volume in Rizzoli’s best-selling series on the work of Richard Meier, one of America’s most important and acclaimed architects.

This comprehensive volume documents Meier’s work since 2011, featuring thirty residential, commercial, and civic projects in a variety of locales, including Manhattan, Beverly Hills, the Hamptons, Las Vegas, Hawaii, Mexico City, Tel Aviv, Rio de Janeiro, and Tokyo, among others. Extensively illustrated and was designed by the late renowned graphic designer Massimo Vignelli, it vividly conveys the purity and power of Meier’s unique and celebrated vision.

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4.まとめ

建築家リチャード・マイヤーは、米国のモダニズム建築を代表する建築家です。時代がモダニズムからポストモダニズムと移っても、リチャード・マイヤーの建築は変わらない一貫性があります。そして、とくにバルセロナ近代美術館を見ると、街全体としての伝統と正統派モダニズムの相性の良さを感じます。ル・コルビジェの白の時代の正当な後継者とも言われますが、単体の建築ではなく街全体としての位置づけを考えてみると、やはり面白いですね。

注意説明 公共建築以外の場所の特定は行っていません。個人の所有物である住宅は、場所の特定をしないように配慮しております。ご了承くださいませ。

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