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建築家 ルイス・カーンを知ろう! ソーク生物学研究所/キンベル美術館など

ルイス・カーン

ルイス・カーンは、20世紀を代表する建築家です。最後の巨匠とも言われます。エストニア生まれで、その後アメリカに移住し、イェール大学とペンシルバニア大学で教鞭をとりました。

しかし、その人生を紐解いてみると建築家人生は必ずしも順風満帆だったわけでもないこともわかります。

プライベートは置いておいて、ここでは建築を中心に見てみましょう!

本記事の内容

本記事では、ルイス・カーンの略歴、代表作、書籍を紹介したいと思います。ルイス・カーンは、個人住宅から公共建築からまで設計をしており、近代を代表する巨匠のひとりです。建築を志した人は、多かれ少なかれどこかでルイス・カーンの影響を受けていることでしょう。

目次

  1. 建築家 ルイス・カーンの略歴
  2. 建築家 ルイス・カーンの作品
    • ペンシルベニア大学リチャーズ医学研究棟
    • ソーク生物学研究所
    • キンベル美術館
  3. 建築家 ルイス・カーンの書籍 紹介
  4. まとめ

1.建築家 ルイス・カーンの略歴

建築家ルイス・カーンは、1901年に当時のロシア帝国のエストニア地方で生まれました。ユダヤ人の父と母をもち、ルイス・カーン自身もユダヤ人です。1906年に家族で渡米してフィラデルフィアに定住して、1914年にアメリカに帰化しています。その際に、名前をLouis Isadore Kahn(ルイス・イザドア・カーン)に変更しました。

ルイス・カーンは、1921年にペンシルベニア大学美術学部建築学科に入学して、フランス人建築家ポール・クレの下で学んでいます。1924年に同大学を卒業してから、ジョン・モリトール事務所に勤めます。首席デザイナーを経て、ポール・クレの事務所で働きます。

大きな転機は、1929年の世界大恐慌です。建築の仕事を失い、1932年から数年間はほぼ失業状態となります。その間に、公共住宅の設計をしたり、個人的な小規模な設計業務を請け負います。1935年にはアメリカ合衆国再定住局の建築家となり、ローコストで作成する低所得者向けの公共住宅の設計を行います。またこの時期には、鉄骨造によるプレファブ住宅の研究も行います。1939年に住宅局の顧問建築家に就任します。

ルイス・カーンは、建築だけでなく都市計画も含んだ側面から公共住宅供給の重要性を訴えます。第二次世界大戦中は、公営の労働者のための住宅や戦時下におけるローコスト住宅の設計に取り組みます。

1947年〜1957年の10年間はイエール大学で教鞭を執り、1957年〜1974年は母校であるフィラデルフィアのペンシルベニア大学に移ります。ここで設計したペンシルベニア大学リチャーズ医学研究棟が建築界で大きな注目を浴びることになします。ここからが巨匠としての実質的なスターとも言えます。

その後は、ソーク生物学研究所、キンベル美術館、バングラデシュ国会議事堂、インドのアーメダバードにあるインド経営大学などの有名な建築を設計していくことになります。1974年に心臓発作のため73歳で亡くなりました。

Louis I. Kahn(ルイス・カーン/建築家)略歴

  • 1901年 エストニア・サーレマー島に生まれる。
  • 1906年 フィラデルフィアに移住する。
  • 1920-24年 ペンシルベニア大学美術学部で学ぶ(1924年に建築学士号)
  • 1921-33年 在学中よりドラフトマン、のちにデザイナーとして設計事務所で働く。
  • 1928-29年 1年間のヨーロッパ旅行
  • 1933-35年 フィラデルフィア都市計画委員会の住宅供給研究におけるチーム主任を務める。
  • 1935-37年 ワシントンD.C. 再定住管理局の助役建築家を務める。
  • 1937年 事務所をフィラデルフィアに開設。
  • 1941-42年 ジョージ・ハウ、オスカー・ストロノフと共同事務所を開設
  • 1942-47年 オスカー・ストロノフと共同事務所を運営
  • 1947年 ストロノフとの協働関係を解消し、独立した事務所を構える。
  • イエール大学設計の批評主任
  • 1949年 イスラエルとパリに旅行
  • 1950-51年 アメリカン・アカデミーの駐在建築家としてローマに3ヶ月滞在する。
  • エジプトとギリシャに旅行
  • 1955-74年 ペンシルベニア大学建築学科教授
  • 1961年 ニューヨーク近代美術館にて、リチャーズ医学研究棟の展覧会
  • 1966年 ニューヨーク近代美術館にて回顧展
  • 1969年 ベニス・ビエンナーレにてパラッツォ・デ・ゴングレッシの展覧会
  • 1971年 アメリカ建築家協会よりゴールド・メダルを受賞
  • 1972年 王立英国建築家協会よりゴールド・メダルを受賞

2.建築家 ルイス・カーン代表作 紹介

ペンシルベニア大学リチャーズ医学研究棟

ペンシルベニア大学フィラデルフィア校のキャンパスにあるリチャーズメディカルリサーチラボラトリーズは、ルイス・カーンのキャリアの中で画期的であったと考えられています。

建物は、中央に位置するサービスタワーを備えた実験室群のグループとして構成されています。周辺に位置するレンガのシャフトは階段と空気ダクトを保持しており、カーンが数年前に描いている古代のイタリアの塔を連想させるものです。

また、近代建築の思想に基づいて、建物は隠された構造フレームで支えられているのではなく、鉄筋コンクリートの構造で、重く見えるようにはっきりと構成されています。

また、正確なプレハブコンクリート要素で構築されており、その建設技術は鉄筋コンクリートの最先端技術を進歩させました。

またこの建物は、設備としてのサーバント空間を明確に表現しており、また過去の建築を呼び起こした(古代のイタリアの塔)ことで、現代建築の新しい方向性を確立するのに役立っています。

ペンシルベニア大学リチャーズ医学研究棟 ルイス・カーン

ソーク生物学研究所

ソーク生物学研究所(1959年 – 1965年)は、ポリオ・ワクチンを開発した細菌学者のジョナス・ソークが開設した研究所です。ソーク博士がルイス・カーンの設計した建築のリチャーズ医学研究棟を見て、こういう研究所を作成してほしいとルイス・カーン依頼したと言われています。

窓枠のデザインを見ると、ルイスカーンがリチャーズ医学研究棟で使用した建築言語がそのまま生かされているのがわかります。百聞は一見にしかずです。

ソーク生物学研究所 ルイス・カーン

行ってみるしかないですね。

キンベル美術館

キンベル美術館は、1972年にルイス・カーンによって設計されました。いまでもルイス・カーンの傑出した建築業績の1つとして広く評価されています。

キンベル美術館 ルイス・カーン

ルイス・カーンは、光をテーマにこの建物を設計したと言われています。自然光はサイクロイドバレルボルトの上部に沿った狭いプレキシガラスの天窓から入ります。そしてその光は、天井から下にぶら下がっている翼形のピアスアルミニウムリフレクターによって拡散されて、天井のボールトの表面の滑らかなコンクリートに銀色の輝きを与えています。素晴らしい照明方法です。

キンベル美術館 ルイス・カーン

メインの建物(西側)の正面は、3つの100フィートのベイで構成されています。そのそれぞれに、正面に開いた樽型アーチ型の玄関があります。また、中央の入口は凹んでガラス張りになっています。

ポルティコ空間は、内部の特徴的な特徴である光で満たされたアーチ型の空間を外側に表現します。これは、各サイドの5つ、中央の後ろに3つあります。また、3つの中庭が内部空間を区切っています。

近代建築の文脈に沿っていますが、この建物はカーン自身が認めるように、インスピレーションの源であるローマ建築の壮大なアーチを示唆しています。その一方で、上部はトップライトを配置してアーチをトップで切り取っているため、近代建築文脈で、ローマ建築を裏切っている点が見せ所とも言えます。

キンベル美術館 ルイス・カーン

主な材料は、コンクリート、トラバーチン、ホワイトオークです。

3.建築家 ルイス・カーンの書籍 紹介

Louis I.Kahn Houses―ルイス・カーンの全住宅:1940‐1974

フランク・ロイド・ライト、ル・コルビュジエ、ミース・ファン・デル・ローエら、近代建築のいわゆる巨匠の時代が終わったあと、彼らの影響圏から離れ、真に独自の建築を作りえた「遅れてきた巨匠」ルイス・カーンの住宅作品を集めた本である。カーンの代表作と言えばキンベル美術館、ソーク研究所など比較的大型の建築の名が挙がるだろうが、しかしカーンがこつこつと作り上げた住宅はそれらに勝るとも劣らぬ魅力を持つ。キンベル美術館のような傑作が重要であることは間違いないが、たとえばフィッシャー邸やエシェリック邸を抜きにしてカーンという建築家を語ることはできないだろう。しかしこれまでカーンの住宅作品についての十分な日本語の資料はなかった。多くのカーンに関する書物がその住宅作品についてはせいぜい小さな図面と写真数枚を紹介する程度で、バランスに欠ける傾きがあったことは事実であろう。こうした不均衡を一気に解決する1冊である。

   カーンの住宅に接近するためには、とりわけ図面を参照しながら時間をかけて読み解くことがどうしても必要になる。その緊密なプロポーションの構成、思慮深く練り上げられた空間の充実、そして年月を経て現在もなおみずみずしさを失わないマテリアルの取り合わせ、どれをとっても表面的に眺めるだけではとらえることのできない深さを持っている。四季折々の豊かさを見せる美しい写真とともに各種の図面が丁寧に折り込まれ、たとえばフィッシャー邸ひとつのために実に60ページを費やすという、まさに徹底的なドキュメントである。一つひとつのページをめくるたびカーンの建築の圧倒的な密度にあらためて驚かされるだろう。

Amazon 商品説明
Louis I.Kahn Houses―ルイス・カーンの全住宅:1940‐1974
  • ハードカバー: 144ページ
  • 出版社: TOTO出版 (2003/10/20)
  • 言語: 英語
  • ISBN-10: 4887062281
  • ISBN-13: 978-4887062283
  • 発売日: 2003/10/20

4.まとめ


ルイス・カーンは、モダニズムに古代モニュメントの重みと品格を組み合わせた独自のスタイルを持ちました。最も偉大な20世紀の建築家の1人です。そのスタイルを獲得したのは50代前半ですが、その後73歳で死に至るまでのわずか20年の間に、カーンはコルビュジエとミースファンデルローエと並ぶ巨匠となります。ぜひ実物を見に行ってみてくださいね!


注意説明 公共建築以外の場所の特定は行っていません。個人の所有物である住宅は、場所の特定をしないように配慮しております。ご了承くださいませ。
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