デンマークは、北欧デザインで有名です。家具デザイナーから建築家まで、数多くの世界的に有名な人物を輩出しています。そんなデザイン王国から、ここでは選りすぐりの名所建築を5選紹介します。
本記事の内容
本記事では、私が行ったことのある場所、今後行きたいと思っている場所の中からデンマーク観光で絶対見ておきたい名所建築5選を紹介したいと思います。デンマーク出身のデザイナーといえば、アルネ・ヤコブセンやハンス・ウェグナーなどがすぐに思い浮かびますが、他にも本当に数多くの有名デザイナー・建築家を輩出しています。ここでは、デンマークに行ったら必ず行くべき建築をご紹介します。
目次
- デンマーク観光 1選:ルイジアナ美術館(ヨーン・ボウ設計)
- デンマーク観光 2選:SASロイヤルホテル(アルネ・ヤコブセン設計)
- デンマーク観光 3選:デンマーク王立図書館新館(シュミット・ハマー・ラッセン設計)
- デンマーク観光 4選:グルントヴィークス教会(イェンセン・クリント設計)
- デンマーク観光 5選:バウスヴェア教会(ヨーン・ウッツォン設計)
- まとめ
デンマーク観光 1選:ルイジアナ美術館(ヨーン・ボウ設計)
ルイジアナ近代美術館は、デンマークのコペンハーゲンから北に35 kmほど行った海岸沿いにある美術館です。
デンマークで最も訪問者の多い美術館いわれており、ここには、第二次世界大戦から現在に至るまでの近現代美術の膨大な常設コレクションがあります。
この美術館はデンマークの近代建築の初期の代表作でもあり、アート、建築、風景を統合していると言われています。
この博物館の名前は、所有者であるアレクサンダー・ブランに由来しています。アレクサンダー・ブランは、ルイーズと呼ばれる3人の妻にちなんでこの名前を付けました。
ルイジアナ博物館は、クヌートW.ジェンセンが依頼主で、ヨーン・ボウと一緒に数か月かけて敷地内を歩き回った後、景観を生かしたガラスの廊下で接続された3つの建物が作成されました。それ以来、1991年に現在の円形に達するまで数回拡張されました。
世界で最も美しい美術館とも言われており、この空間を体験せずにデンマークを去るのはとてももったいないと思います。
まず第1のおすすめです。
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デンマーク観光 2選:SASロイヤルホテル(アルネ・ヤコブセン設計)
SASロイヤルホテルは、デンマークの建築家・デザイナーのアルネ・ヤコブセンがスカンジナビア航空システム(SAS)のために設計しました。
1960年7月1日にフレデリック9世とイングリッド女王によってロイヤルホテルとなり、SASロイヤルホテルとしても知られています。何度かの提携の後、現在はラディソン・コレクション・ホテル・ロイヤル・コペンハーゲンとなっています。だいぶ長い名前になりました。
当時完成したホテルはデンマーク最大であり、コペンハーゲンで最初の超高層ビルでした。
外観からレストランで使用されているステンレス鋼のカトラリー、ロビーを飾るスワンチェアとエッグチェアまで、なんとこのホテル全体がアルネ・ヤコブセンによって設計されています。
すべてなんて・・・本当にすごいです!
ヤコブセンがこのホテルのために作成した作品のほとんどが、その後企業の標準的な生地や家具に置き換えられたため、オリジナルのデザインで維持されているのはシングルルームのみです。
シングルルームでは、オリジナルの緑の家具と壁の木製パネルがすべて備わっています。(ROOM 606はまだ予約可能です!)
設計段階の建物のスケッチがデンマークの新聞に掲載された時、批評家たちは、コペンハーゲンの伝統的なスカイラインの破壊を恐れていました。
現在では、コペンハーゲンを代表する伝統的ホテルとなっています。。
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デンマーク観光 3選:デンマーク王立図書館新館(シュミット・ハマー・ラッセン設計)
コペンハーゲンの王立図書館は、デンマークの国立図書館であり、また、コペンハーゲン大学の大学図書館でもあります。世界最大の図書館の1つであり、2017年には、オーフスの州立大学図書館とも合併しています。
大規模な寄付のおかげで、図書館には1482年に印刷された最初のデンマークの本を含む、17世紀以降にデンマークで印刷されたすべての作品のコピーが保管されています。日本の国会図書館と同じですね。
スロッツホルメンサイトの古い王立図書館は、1906年にハンス・ヨルゲン・ホルムによって建てられました。中央ホールは、アーヘン大聖堂にあるシャルルマーニュ宮殿の礼拝堂を模倣しています。
古い王立図書館もまだ図書館として使用されています。
1999年に、古い建物に隣接する新しい王立図書館がデンマークの建築家シュミットハンマーラッセンによって設計され、スロッツホルメン島にオープンしました。
写真で見るとわかりますが、黒い大理石とガラスの外側のカバーにちなんで「ブラック・ダイヤモンド」として知られています。
またブラック・ダイヤモンドの建物には、図書館に加えてコンサートホールがあります。
ブラック・ダイヤモンドは、通りを少し傾いた2つの黒い立方体で形成されています。その間には、波状の8階建てのアトリウムがあり、両側を結ぶ2つの横方向の廊下があります。
すべてのフロアにバルコニーがあり、アトリウムの外壁はガラスでできています。
3つの橋が、ブラック・ダイヤモンドと王立図書館の古い部分を接続しています。大きな橋の天井には、デンマークの画家、ペア・キルケビーの巨大な絵があり、壮観です。
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デンマーク観光 4選:グルントヴィークス教会(イェンセン・クリント設計)
グルントヴィークス教会は、デンマークのコペンハーゲンのビスペビアウ地区にある表現主義の教会です。
デンマークではこうした表現主義建築はとても稀なのでとても貴重な建築といえます。
教会は、デンマークの哲学者で賛美歌の作家であるグルントヴィークスにちなんで名付けられました。
設計者は、1913年に実施されたコンペで優勝した建築家イェンセン・クリントです。
基礎工事が1921年に行われ、1930年にイェンセン・クリントが亡くなった後も内部や隣接する建物の工事作業は1940年まで続き、クリントの息子であるカーレ・クリントによって完成されました。
グルントヴィークス教会のデザインは、建築様式の折衷にあります。
イェンセン・クリントは、建築プロジェクトの準備の中で、まず多くのデンマークの村の教会、特に階段型破風のあるジーランド島の教会を研究しました。
そうした彼らの伝統的な建築技術、素材、装飾がイェンセン・クリントのデザインに大きな影響を与えました。
クリントは、伝統的なレンガ表現と、現代の幾何学的形態、そしてゴシック建築の古典的な垂直性を融合させました。
建物の最も印象的な特徴は、西構えや教会のオルガンの外観を彷彿とさせる西側のファサードです。ここでは高さ49mの鐘楼が含まれています。
垂直性の強い堂々としたファサードが目を空へと導きます。塔の下半分は単純なレンガで、上半分は1つのしっかりした波打つ表面の外観を示しています。
クリントは、デンマークの教会で一般的な階段型破風で身廊を飾りましたが、頂点を2倍にすることによって、その形が再解釈されています。そのため身廊はかなり大きな寸法で設計されています。
コペンハーゲン大聖堂に匹敵する大きさの内部には、1,440人の人々を収容できます。典型的なデンマークの建築材料である約500万個の黄色いレンガが建物に使用されました。
平面プランは、身廊、2つの側面通路、小さな翼廊を備えた典型的なゴシック様式の教会です。長くて狭い身廊、非常に高い天井、尖頭アーチまで上がる柱、リブボールトなど、基本のデザインやプロポーションもゴシックです。
しかし、近代建築としての教会として考えると、大胆な装飾の欠如が指摘できます。
この折衷性が、とても面白いです。
その珍しい外観のために、コペンハーゲンで最も有名な教会のひとつとなっています。
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デンマーク観光 5選:バウスヴェア教会(ヨーン・ウッツォン設計)
バウスヴェア教会は、コペンハーゲンの郊外にあります。
1968年にヨーン・ウッツォンによって設計され、1976年に完成しました。現代の教会建築の傑作のひとつと言われています。
自然に照らされた内部と、柔らかく丸みを帯びたアーチ型天井にまたがる天井があります。
1538年、バウスヴェア教会は王の命令で撤去され、バウスベアに新しい教会を建てることができませんでした。
そのため、1967年にグラズサックで建築展に展示されたときに、ウッツォンが展示した教会にバウスヴェア評議会が特別な関心を持ったのは自然のことでした。
バウスヴェア評議会がウッツォンに教会の提案を依頼した時、ウッツォンは大いに喜んだといいます。
ウッツォンが翌年提出した提案には4つのスケッチが含まれていました。
最初のスケッチはビーチの雲の下にいる人々のグループを示し、最後のスケッチは雲が彫刻の屋根になった教会内部と、そこにいる人々を描いています。
それらは、全体的な建築の概念に対するウッツォンの考えを示しています。
ウッツォンは、シドニーオペラハウスの設計での衝突の結果としてオーストラリアを出発した直後にハワイにいる時に教会の設計を引き受けたため、ハワイのビーチの雲を連想させる円筒形の連続は、こうした状況も影響しているかと思います。
最終的に1,000万デンマーククローネの費用がかかる建物の資金調達に関して大きな困難がありましたが、1973年に建築許可が与えられ1976年に竣工しました。
郊外の狭い敷地に位置し、建物自体は大きくありません。いくつかの部屋と中庭を囲む簡素なファサードがあります。
白樺の木々に囲まれた外壁は、白いコンクリートパネルとガラス張りのタイルです。またアルミニウムの屋根は教会にかなり工業的な外観を与えています。
建物と中庭の直線的な構造、およびそれらを接続する廊下は、中国の仏教寺院(四合院)の設計に触発されたと言われています。
アーチ型の天井は鉄筋コンクリートシェルでできており、厚さはわずか12センチ、長さは17メートルです。湾曲した円筒形のシェルは、フライングバットレスとして機能する二重の柱列によって支えられたフランジ( H鋼の上もしくは下の肉厚の部分)上にあります。
この教会の注目すべき特徴は、真っ白なインテリアによって拡散される自然光です。
身廊の全幅にわたる高い横方向の窓によって、中庭から日光をもたらします。
また、ウツソンの言葉を借りれば、「自然光は、光が天井から落ちた不思議な空間、つまり雲から降りてきた天窓」によって達成されたといえます。
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まとめ
今までにデンマークで行ったことのある場所、行きたいと思っている場所の中から建築を選んでみました。ルイジアナ美術館は、美術館建築の中の傑作の一つと言われており、その体験は本当に貴重でした。ヨーン・ウッツォンの教会はまだみに行っていないので、次回の機会に行った際には、詳しくレポートしようと思います。コペンハーゲンから30−40分程度の郊外のようなので楽しみです。