メキシコは、アステカ文明の歴史があります。スペインの占領を経てメキシコ独立の時期が、ちょうど近代建築の形成期と重なっています。そのため、近代建築にメキシコのアイデンティティの要素が加味されて、独自の建築が成立しているのが面白いですね。世界遺産もたくさんあるので、建築を知っているととても楽しめると思います。
本記事の内容
本記事では、私が行ったことのある場所、今後行きたいと思っている場所の中からメキシコ観光で絶対見ておきたい名所建築5選を紹介したいと思います。メキシコにおいてまず見ておきたいのは、テオティワカン遺跡などの世界遺産の遺跡群です。見ごたえがあるので、時間をとってゆっくり見るのをおすすめします。あと、近代建築といえば、まずはルイス・バラガンでしょう。ルイス・バラガン自邸は世界遺産に指定されています。ここは予約が必要になりましたが、とてもおすすめです。
目次
- メキシコ観光 1選:テオティワカン
- メキシコ観光 2選:バラガン自邸(ルイス・バラガン設計)
- メキシコ観光 3選:ルフィーノ・タマヨ美術館(アブラハム・ザブルードスキー&テオドロ・ゴンザレス・デ・レオン設計)
- メキシコ観光 4選:カミノ・レアル・ホテル・ポランコ(リカルド・レゴレッタ設計)
- メキシコ観光 5選:セントラル・ライブラリ(UNAM)
- まとめ
メキシコ観光 1選:テオティワカン
テオティワカン遺跡は、メキシコシティの北東方面にある世界遺産です。
テオティワカンは、西暦1世紀頃にメキシコ高地の宗教の中心地として始まりました。テオティワカンは、かつて西暦1年から500年ごろまで人口が125,000人以上と推定されおり、コロンブス以前のアメリカ大陸で最大かつ最も人口の多い都市であったと言われています。
テオティワカンが当時の国家帝国の中心であったかどうかは依然として議論の対象ですが、後のアステカ人はこれらの壮大な遺跡を見て、テオティワカノスと共通の祖先を持っていたと主張しています。
それほど当時から壮大だったということですね。

テオティワカンの民族性も歴史もほとんど分かっていませんが、ナワ族、オトミ族、またはトトナック族の系列ではないかと言われています。
太陽と月のピラミッドと言われる有名な2つのピラミッドとは別に、集合住宅、死者の大通り、保存状態の良い壁画でも有名です。
1987年にユネスコの世界遺産に指定されました。メキシコで最も訪問客の多い遺跡であり年間400万人以上の観光客が訪れます。
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メキシコ観光 2選:バラガン自邸(ルイス・バラガン設計)
バラガン自邸は、もちろんルイス・バラガン設計です。第二次世界大戦後の1948年に竣工です。
住居部分と設計スタジオ部分が隣接しています。バラガンのデザインスタイルの代表例であり、1988年に亡くなるまで実際にバラガンが住んでいました。
タクバヤの旧市街の歴史的中心部にあり、もともとは労働者階級の地域でしたが都市のスプロール現象に巻き込まれて、比較的高級な住宅街の一つとなっています。北端はスタジオに占められて専用の入り口があります。
バラガンの鮮やかな色の使用は、ルフィーノ・タマヨ、特にヘスス・レイエス・フェレイラから影響を受けています。レイエスは、1930年代と1940年代に、メキシコのインテリア・デザインをフランス調からメキシコ土着の外観に移行させた重要な人物です。
キッチンの隅を除いて、家は基本的に日中の人工光を必要としないように設計されており、窓やその他の開口部ができるだけ多くの光を取り入れるように設計されています。
メインファサードは、フランシスコラミレス通りに面しておりとても質素です。
外の通りでわかるのは、小さな窓と2つのドアです。このプレーンでフラットな外観から、豊かな内部を推測することはほとんどできません。
粗いセメントの壁は隣人の色と構成が非常に似ています。唯一の違いは、壁がはるかに高いことです。
バラガン建築の特質は、庭の空間を含むインテリアにあります。バラガンはとても強い非調和的な配色と幾何学的な形を使用して、自然光を最大限に活用するように設計しています。
バラガン邸は、中庭、インテリア、緑を一体としたのデザインに大きな影響を与えています。また、現代と伝統的な建築様式を高いレベルで統合しています。
ダイニングルーム、リビングルーム、キッチンはすべて、噴水のあるガーデンエリアに面しています。中庭の植物は、かなりワイルドです。隣の庭に隣接していて、かなり広く見えます。
上層階はよりプライベートな空間で、窓には厚い木製のシャッターが付いています。このプライベートエリアと屋上テラスをつないでいます。
2004年にユネスコの世界遺産に指定されました。
昔はそれほど混んでいなかったのですが、現在はかなり人気の場所となり予約をしないと見学できません。
ツアーは予約制のみです。
個人で見に行くのも良いですが、バラガンの建築ツアーなどもおすすめです。一気に有名建築を見られるので、結果的に時間もお金もお得だと思います。
私は、世界遺産になる前に何度も見たことがありましたので、その後にツアーに参加しました。ツアーは楽でいいですね。ただし、のんびりしている暇はあんまりないですが。

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メキシコ観光 3選:ルフィーノ・タマヨ美術館(アブラハム・ザブルードスキー&テオドロ・ゴンザレス・デ・レオン設計)
ルフィーノ・タマヨ美術館は、メキシコシティのチャプルテペク公園にある現代美術館です。
設計は、アブラハム・ザブルードスキーとテオドロ・ゴンザレス・デ・レオンです。
1972年に設計され、1979年に政府から寄贈されたチャプルテペク公園の土地で建設が始まりました。建物は2年後に完成しました。
この美術館は、メキシコで最初の大規模な私立美術館であり、ルフィーノ・タマヨがその設計に参加していることでも知られています。
建築は周囲の緑に溶け込み、ヒスパニック以前の建築の雰囲気をもち、アステカ時代を想起させるさまざまなレベルの建物です。緑の斜面や傾斜路が建物の構成に不可欠な部分となり、博物館が地球から立ち上がっているような印象を与えます。

1982年にプレミオ・ナシオナル・デ・アルテ賞を受賞しました。
ルフィーノ・タマヨはオアハカ出身の現代美術コレクターです。オアハカには、ルフィーノ・タマヨの自邸をつかった美術館があり、こちらもかなりおすすめです。
1960年代の終わりから、国際的な現代美術コレクションの作品を集め、このコレクションがタマヨ美術館の基本コレクションとなっています。
博物館は現在まで、そこで作品を展示したアーティストからの寄付によって作品を収集して、貴重な現代美術コレクションを保持しています。
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メキシコ観光 4選:カミノ・レアル・ホテル・ポランコ(リカルド・レゴレッタ設計)
メキシコシティのポランコ地区にあるカミノ・レアル・ホテルは、リカルド・レゴレッタの設計で1968年にオープンしました。
建築家のもっとも有名な作品のひとつであり、レゴレッタがカミノ・レアル・ホテル・チェーンのために設計した一連のホテルの最初のものです。
33,000平米の庭園、スイミングプール、噴水、パティオを備えて、ホテル全体に有数の芸術作品が戦略的に配置されています。
クライアントは最初の要求であったタワー型のホテルを却下して、黄色とオレンジの暖色を基本として低層で、メキシコ文化を取り込んだホテルです。
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メキシコ観光 5選:セントラル・ライブラリ(UNAM)
メキシコ国立自治大学(UNAM)の中央図書館は、メキシコで最大の図書館です。
建物は、メキシコの芸術家ファン・オゴールマンによって作成された大規模な壁画で有名です。
中央図書館は16,000平米で、3メートル上の基壇に建てられています。建物の基壇には2つの玄武岩の噴水とアステカ芸術に触発された装飾的なレリーフが配置されています。
ファン・オゴールマンの壁画の歴史的表現によって、上層階のファサード全体がカバーされています。
この上層階は本を保管するための窓のない10階分が含まれ、本を保存するために必要な照明、温度、湿度が調整されています。窓のない空間こそが保管に適しています。
そして、読書室は、拡散したマットな光が石のスラブを通して注がれる建物の半地下に配置されました。
世界最大級の壁画は、12色のタイルを使用して作られ、遠くから見るとさまざまな色合いを生み出します。
この極めてユニークな建物はメキシコ文化の象徴的な建物となり、2007年にユネスコはこの中央図書館と中央キャンパスを世界遺産としました。

まとめ
今までにメキシコで行ったことのある場所から建築を選んでみました。この中でも、テオティワカン遺跡にはじめていったときの衝撃はすごかったです。その広大さと、遺跡の迫力にはどんな建築もかなわないと思わされました。こんな事を言ってはなんですが、近代建築とは違う世界があると明確に感じることができます。私は両方見てみることを強く勧めます。というわけで、メキシコシティに行ったら、まずはテオティワカン遺跡とルイス・バラガン自邸が必須と思います。