インドは4大文明(エジプト、メソポタミア、インド、中国)のひとつであり、歴史的にも技術的にも文化的にも極めて面白い場所です。インドは一度行くと、好きになるか嫌いになるかどちらかになる!と言われてます。私はどちらかというと、好きな方だと思います。
そんなインドには、魅力的な建築が古代から近代まで溢れています。「透明」とか「かろやか」という現代建築は全然似つかわしくないですね。
本記事の内容
本記事では、私が行ったことのある場所、これから行ってみたいの場所の中からインド観光で絶対見ておきたい名所建築を紹介したいと思います。インドの建築は、どんな建築を作っても人間性豊かなものになるように思います。一方で、インドでは権力者がとても強い力を持っていたために、その時々で大規模で豪華絢爛な建築が作られました。いつの時代を切っても、個性豊かな建築があるので、何度も行きたくなる場所です。
目次
- インド観光 1選:チャンディガール都市計画(ル・コルビュジエ設計)
- インド観光 2選:インド経営大学院アーメダバード校(ルイス・カーン設計)
- インド観光 3選:インド経営大学院バンガロール校(バルクリシュナ・ドーシ設計)
- インド観光 4選:ダーダー・ハリの階段井戸
- インド観光 5選:チャトラパティ・シヴァージー・ターミナス駅(フレデリック・スティーブンス設計)
- インド観光 6選:ジャーマー・モスク・アーメダバード
- コスパを時間を考えると現地ツアーもあり!
- まとめ
インド観光 1選:チャンディガール都市計画(ル・コルビュジエ設計)
チャンディガールは、パンジャブ州とハリヤーナ州の2州の首都として機能する、インド連邦直轄領です。
独立後のインドで初期に計画された都市の1つであり、マスタープランが建築家ル・コルビュジエによってなされたことで、世界的に知られています。
この都市計画は、ポーランドの建築家マチェイ・ノヴィッキとアメリカの都市プランナーであるアルバート・メイヤーによって作成された以前の計画から変更されたものです。
アルバート・メイヤーはMITを卒業して、ルイス・マンフォードやヘンリー・ライトと20世紀初めのアメリカの住宅計画を行った人物です。
また、ノヴィッキは第2次大戦後にワルシャワの復興計画をおこなっています。この二人が、ネルー首相とパンジャーブ州政府からチャンディガールの都市計画の依頼を受けました。
しかし、なんとマスタープランを提出した後に、ノヴィッキが飛行機の事故で亡くなってしまいます。
その結果、ル・コルビュジエが都市計画を担当することになります。
人生何があるかわからないものです。
チャンディガール市内の政府の住宅の多くの建物は、ル・コルビュジエ、ジェーン・ドリュー、マクスウェル・フライが率いるチャンディーガル首都プロジェクトチームによって設計されました。
チャンディーガルの首都コンプレックスは、2016年7月に世界遺産として登録されました。
首都コンプレックスの建物には、パンジャブ州とハリヤーナ州の高等裁判所、パンジャブ州とハリヤーナ州の州庁舎、パンジャブ州とハリヤーナ州の議会建築、オープンハンド、殉教者記念碑、ロックガーデンなどがあります。
この都市は、インド国内において一人当たりの収入が最も高い都市となっています。幸福度指数でも、インドで最も幸福な都市としてランキングされています
しかし、一方でもっともインドらしくない都市とも言えます。都市構造が大きくて、歩いて回ることはできません。
こういう大きな都市計画の難しさを実感できる場所でもあります。
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インド観光 2選:インド経営大学院アーメダバード校(ルイス・カーン設計)
インド経営大学院アーメダバード(Indian Institute of Management Ahmedabad(IIM AhmedabadまたはIIMA))は、インドのグジャラート州にあるインドで有数のビジネススクールです。
インドのトップビジネススクールとして、世界的にも有名です。1961年に設立されました。創設者は、インドの物理学者ヴィクラム・サラバイとインドの実業家カスターバイ・ラルバイです。
1962年、IIMAの理事会は国立デザイン研究所経由で、建築家ルイス・カーンとバルクリシュナ・ドーシを主任建築家に任命しました。
ルイス・カーンは1962年から1974年に亡くなるまで、このIIMAプロジェクトに取り組みました。
カーンの建築は、赤レンガの使用、幾何学的形状、教室外の広大な廊下などに特徴づけられています。
インドの伝統的建築と現代建築を巧みに組み合わせています。
ここは、現在多くの観光客や建築を学ぶ学生も訪れる観光スポットとなっています。
入場に予約はいりませんが、入館チェックは厳しいので、大事なものはホテルに置いていく(セキュリティボックスに入れること)のをおすすめします。
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インド観光 3選:インド経営大学院バンガロール校(バルクリシュナ・ドーシ設計)
インド経営大学院バンガロール(Indian Institute of Management Bangalore(IIM BangaloreまたはIIMB))は、インドのバンガロールにあります。
IIMカルカッタとIIMアーメダバードに続いて1973年に設立されました。3番目のIIMです。
キャンパスはバンガロールのバナーガッタロードにあります。
設計は、建築家バルクリシュナ・ドーシと、ジョセフ・アレン・ステイン、ジャイ・ラタン・バーラの共同設計です。
校舎は、1983年に完成しました。IIMBキャンパスのデザインは、そのユニークな石材を多用した建築と緑豊かな森を残したこと有名です。
建築家バルクリシュナ・ドーシの傑作の一つですね。
バルクリシュナ・ドーシによると、IIMBの設計のインスピレーションは、庭園と寺院だそうです。
長い廊下が芝生を曲がりくねっており、パーゴラを通して建物のさまざまな部分に日光が差し込んで、光と影の空間を作り出しています。
また、IIMBの設計は、持続可能な建築と環境に優しいキャンパス設計の重要な例といえます。
登録する学生の数が増えたため、後でいくつかの教室ブロックが追加されました。
こんなキャンパスで学んでみたいと思わされます!
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インド観光 4選:ダーダー・ハリの階段井戸
ダーダー・ハリの階段井戸はアーメダバードから15キロ程度離れた郊外にあります。
階段井戸には、2つの碑文があります。1つは南のサンスクリット語で、もう1つは北の壁にアラビア語で書かれています。
階段井戸のアラビア文字の碑文によると、階段井戸は1485年にペルシャのマフムード・ベガダ家の女性であるダイ・ハリルによって建てられました。
彼女は王室のハーレムの監督をしていたそうです。
サンスクリット語の碑文には、階段井戸は1499年12月に建てられたと書かれています。階段井戸を建設したのは、マフムード・シャーの治世中だったそうです。
このとても華やかな階段井戸には、井戸シャフトの側壁につながれたらせん階段があり、さまざまなプラットフォームレベルまで下降しています。
階段井戸全体は5階建てで、上部は八角形です。複雑に彫られた多数の柱の上に建てられています。
地下水にアクセスするために深く掘られ、年間の降雨による水位の季節変動によって集まる場所が変えられるようになっています。
地面の高さまでは、長さ190フィート、幅40フィートです。
各フロアには、人々が集まるのに十分な広さがあります。
東端では、ドーム型の天蓋から、8段の下り坂が屋根付きのギャラリーにつながっています。
構造は、水平の梁とまぐさを備えた伝統的なインド風トラビートです。正方形の四隅は、45度の角度に設定された石の梁で強化されています。
東西軸に沿って建てられ、入り口は東からで、2つのらせん階段は西の井戸の近くにあります。
井戸の底には、最も低い平面に伸びる漏斗の形をした正方形の階段状の床があります。
花のモチーフとイスラム建築のグラフィックは、井戸のさまざまな階レベルで刻まれたヒンドゥー教とジャイナ教の神々のシンボルと非常によく調和しています。
これは、インド建築の底の深さ(文字通りですが)を知る上でもとても重要です。
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インド観光 5選:チャトラパティ・シヴァージー・ターミナス駅(フレデリック・スティーブンス設計)
チャトラパティ・シヴァージー・ターミナス駅は、以前はビクトリア・ターミナスとして知られていました。
ターミナルは、英国生まれの建築家フレデリック・ウィリアム・スティーブンスによって、ゴシック様式で設計されました。
1887年に竣工です。この年はビクトリア女王による支配が始まって50年を記念しており、建物は「ビクトリア・ターミナス」と名付けられました。
1996年に衰退するムガル帝国に対抗するためにゲリラ戦術を採用した17世紀の首長シヴァージーにちなんで、駅の名前は「チャトラパティ・シヴァージー・ターミナス」に変更されました。
シヴァージーの名前の前には、「チャトラパティ」というタイトルが付いていることがよくありますが「偉大な王」を意味しています。
現在、ユネスコの世界遺産に指定されています。
行ってみると、その装飾が圧巻です。
インド観光 6選:ジャーマー・モスク・アーメダバード
ジャーマー・マスジド(文字通り読むと金曜日のモスク)は、インドのアーメダバードにあるモスクです。
アフマド・シャー1世の治世中に元々あった寺院を破壊して、1424年に建てられました。
このアーメダバードのジャーマーマスジドは、この時期に建てられたインド大陸で最大のモスクでした。
スルタン・アフマド・シャーの都市計画の一部として設計されたモスクは3つのアーチを持ち、マイダン・イ・シャーから伸びる軸の南に位置しています。
黄色い砂岩で建てられたモスクは、長さ75 m、幅66mの大きな長方形の中庭があります。両側と中央に1つずつ、合計3つの入り口からモスクに入ります。
中庭は三方に列柱が並んでおり、礼拝堂は四方(東)を占めています。中庭の中央には、沐浴用の長方形の水盤があります。礼拝室も長方形で、4つのドームで覆われています。
インド・サラセン様式の建築では、モスクには、外観からではわからない多くの象徴性があります
中央のドームのいくつかは、ジャイナ寺院の典型的なドームと密接に関連して、蓮の花が刻まれています。いくつかの柱は、ヒンドゥー教の寺院によく吊るされている鐘に関連して、鐘の形が彫られています。
白い大理石で床が張られた広く開いた中庭は、巨大なアラビア書体で描かれた列柱に囲まれており、中央に儀式のための水盤があります。
モスクとアーケードは美しい黄色い砂岩でできており、複雑なディテールが刻まれています。
メインの礼拝堂には屋根を支える260を超える柱があり、15のドームがあり、光と影が交錯する美しい迷路のようです。その奥に祈りの壁、キブラが飾られています。
ここでは、日本語を話すインドもいました。
世界は広いような狭いような不思議な気分でした。
コスパを時間を考えると現地ツアーもあり!
インドは地域によって民族も様々のため、文化も建築も見どころが盛り沢山です。
まずは、ぐわーっとインドツアーで一気に名所を見るのもよいですね。
もしインドを好きになって、もう一度行く場合は、その場所ごとに、すこしゆっくり滞在しながら何度もインドに行くような旅がおすすめです。
現地ツアーでしかみられない場所もありますので、インドこそ、そういう時は現地ツアーが良いですね。
個別に好きな建築をゆっくりみられます。
まとめ
今までにインドで行ったことのある場所を中心に建築を選んでみました。インドはいつ行ってもすごいです。言葉を失ってしまいます。近代建築、現代建築といった既存概念をすっかり呑み込んでしまう、そんなインドの大きさ、懐の深さを体験してほしいと思います。