本記事の内容
本記事では、中古マンションを購入したい人向けに、資金計画から購入までのすべての流れについて把握することで、より良い物件を適正価格で、納得して購入する方法について解説したいとおもいます。
ーーー題して、『中古マンション購入完全ガイド』です。ーーー
中古マンション購入完全ガイド(15)では、前回のガイド(14)の内容を踏まえた上で、『地震・火災保険の選び方』について解説します。住宅ローンを組んでマンションを購入する際には、かならず地震火災保険に入らないといけません。ここでは、地震火災保険を選ぶ上で注意すべき点について解説します。
中古マンション購入完全ガイド一覧
- (1)購入の流れ・全体像を把握しよう
- (2)購入時の諸費用のすべてを知ろう
- (3)購入相場を見極める方法
- (4)購入のための資金計画をしよう
- (5)購入資金1000万円を貯める方法
- (6)住宅ローンの計画を立てよう
- (7)銀行の住宅ローン7選 を徹底比較します
- (8)フラット35 を徹底比較します
- (9)中古マンションの<物件探し>の方法
- (10)おすすめのデザインリフォーム済マンション販売会社
- (11)中古マンションの資産価値チェックを必ずしよう
- (12)物件の内覧・内見ポイントを教えます(チェックリストあり)
- (13)中古投資マンションの選び方
- (14)災害に強いマンションの選び方
- (15)地震・火災保険の選び方 ←今回はココ
- (16)火災保険を見積比較でシミュレーションしよう
- (17)契約・決済の手順をまとめます
- (18)マンション購入後の税金について解説します
- (19)住宅ローン減税制度を利用しよう
- (20)引っ越しに役立つタスクリスト・備忘録一覧(チェックリストあり)
- (21)引越し一括見積りで引越し料金を半額にするトーク術
- (22)購入後に資産価値を維持するマンション・メンテナンスの方法
本記事の目次
- 地震火災保険とは何か?
- 地震・火災保険の選び方
- 火災保険の基本1:まず保険の対象を決めます
- 火災保険の基本2:次に補償範囲を決めます
- 火災保険の基本3:適切な保険金額(つまり補償される額)を決めます
- 火災保険の基本4:保険期間を決めます
- 火災保険の基本5:地震保険を付けるかどうか決めます
- 火災保険の基本6:見積もり比較でシミュレーションしてみましょう!
- まとめ
地震・火災保険とは何か?
火災保険は住宅にかける保険の中で最も基本的であり、かつ重要な保険です。
火災保険は、火災による被害の補償を主としており、原則的には地震を原因とする火災は補償対象外となっているのが特徴です。
オプションとして火災保険に付加することが多いのが地震保険であり、こちらは地震によるさまざまな被害を補償するものです。
地震による津波や、火災、損壊、埋没などがカバーされます。
地震・火災保険の選び方
火災保険は、住宅ローンを組む場合には必須の保険となります。
火災保険は、火災の補償だけではありません。他にも落雷・風災・水災などのさまざまな自然災害から住宅を守る保険となります。
また、マンションでは水濡れによる被害、盗難などの屋内の事故を補償するということもできます。
この火災保険ですが、何を保険の対象とするかによって、値段も保証範囲も大きく異なります。
保証範囲を見誤ると、もし何か事故が生じた時に保険金は支払われないといった事態が起きてしまいます。
この保証範囲をしっかりと設定するようにしましょう。
値段との兼ね合いですが、こうした落雷・風災・水災などの基本オプションはそれほど値段が上がらないので、基本的に付加しておくと良いと思います。
まずは、自分のマンションの環境と対象物件の構造なども考慮した上で、自分にあった補償を選ぶと良いと思います。
火災保険の基本1:まず保険の対象を決めます
火災保険の対象は「建物」と「家財」の2つです。
まず、火災保険の対象としての「建物」は必須です。当たり前ですが・・。
そして多くの火災保険では、「家財」の補償は任意で選択することができるようになっています。
詳しく見ていきましょう。
建物
マンションの場合は、区分所有者の占有部分が対象となります。(最終的には、各保険の内容を詳細に見る必要がありますが、大手の保険であればそれほど大きな差はないかと思います!)
- 被保険者が所有している住居として使用される建物の専有部分が対象となります
- マンションの廊下やバルコニーなどの共用部分は、マンションの管理組合が保険に加入しているため含まれません
家財
マンションの場合は、建物の占有部分に置かれている家財一式が対象となります。
- 区分所有者の占有部分に収容される家財が保険の対象となります
- この家財一式には家具、電気製品、衣服などいわゆる日常生活に使うもの全般が含まれます
火災保険の基本2:次に補償範囲を決めます
最初に火災保険を見て思うことが、「そうなんだ!火災保険は火災だけじゃないなんだ!」ということ。
そうなんです、火災保険の保証範囲は結構広いのです。
火災保険では、風災、つまり台風などの被害ですね、そして水災、つまり洪水・土砂崩れといった事故に関する被害を保証してくれます。
そして、こうした保証範囲は、オプションで付けられるので、たとえば「水災」は、高層マンションの上層階ではあまり必要のないものだったりするので、そうして点も含めて選べるのは良いですよね。
こうしたオプションを増やせばリスク回避につながりますが、保険料も高くなります。
そこで、うまく必要なものを組み合わせながら選ぶと良いと思います。
火災保険の基本3:適切な保険金額(つまり補償される額)を決めます
上記の中で、保険の対象(建物 + 家財をつける?)とオプションが決まったら、適切な保険金額や免責金額(自己負担額)を決めていきます。
(1)建物の保険金額を決める
建物の保険金額は、基本的には「再調達価額」となるように設定します。
「再調達価額」とは、
「現在住んでいる建物と同等のものを建て直す、または再購入できる金額」
のことです。
損害時には古くなってしまった建物であっても、保険の設定段階では「再調達価額」となるように設定するのです。
この保険金額のもととなるのが、「建物の評価額」です。
これは、新築時の建築費を元に算出するのが正しいですよね。一戸建てでは、こうした新築時の建築費を元に算出していきます。
しかし、マンションの場合は新築時の建築費を元に算出すると値段か跳ね上がってしまいますし、占有部分と共有分の分別も難しいので、面積によって算出します。
(2)家財の保険金額を決める
家財の保険金額も上記と同様ですね。
「再調達価額」を基準に考えましょう!
「家財を新品で手に入れるために必要な額」が「再調達価額」となるのです。
この家財の保険金額は、人それぞれで良いと思います。
保険金額を下げることで、保険料も安くなりますので、最低限の家具・家電でよければ、そうした選択肢もありだと思います。
火災保険の基本4:保険期間を決めます
上記の保険の対象、補償の範囲、保険金額が決まったら、契約する期間を決めましょう。
火災保険の保険期間は、基本的に1年間~10年間までであり、1年ごとに任意で設定可能です。
保険全般に言えますが、一括払いで保険期間を長くすると、保険料は割安になります。
火災保険では、最長10年までの契約期間を選ぶことができます。
また、住宅ローンが10年以上にする場合は、火災保険は10年の一括払いで良いです。
借入期間では継続が必要なので、自動継続させることも必要と思います。なぜなら、結構忘れてしまうからですね。(継続手続きは結構大変なので、自動継続は楽で良いです!)
住宅ローンがなくなっても、火災保険は必要と私は思っていますので、是非継続しましょう
火災保険の基本5:地震保険を付けるかどうか決めます
地震保険は、火災保険ではカバーされない地震・噴火や、それらを原因とする津波、火災、損壊、埋没などを保証します。
この地震保険は、民間の保険会社が国が共同で運営するものであり、きわめて公共性の高い保険ということができます。
そのため、大規模な地震が発生して、保険会社だけでは補償しきれない場合は、政府が保険金を支払う仕組みになっているのです。
つまり、地震保険は被災した人の生活の安定が目的となっていて、地震によって壊れてしまった建物や家財の損害をすべて保証することを目的とはしていません。
そのため、地震保険に入ったとしても同等の家を建て直すことは難しいと言わざるを得ません。
地震保険は建物や家財を別々に契約します。
補償金額は、火災保険で設定する保険金額の30~50%の範囲内となっています。上限は、建物は5000万円まで、家財は1000万円までとなっています。
また、重要な点は地震保険は単独では契約することができないのです。
火災保険とセットで契約する必要があります。また、現在契約している保険に途中で地震保険を付加することも可能です。
南海トラフなど、地震の可能性が高いと言われているので、私は是非入っておくことをお勧めします。
火災保険の基本6:見積もり比較でシミュレーションしてみましょう!
以上、火災保険について考えてきました。まとめると、以下のとおりです。
- 火災保険の基本1:保険の対象 →建物と家財をどうするか?
- 火災保険の基本2:補償範囲 →水災、風災を入れるか?
- 火災保険の基本3:適切な保険金額 →もう一度建てられる金額が基本
- 火災保険の基本4:保険期間 →住宅ローンがあれば10年
- 火災保険の基本5:地震保険 →基本は付加しましょう!
というわけですね。
こうした火災保険には、たくさんの種類がありどこを選べば良いかわかりにくいですよね。
保険会社は、他者との差別化を図るために、商品の特徴をつけているのですが、よく比較してみないとなかなか素人にはわかりにくいかと思います。
複数の保険商品比較して、どれにするほか実際にシミュレーションしてみると、よくわかると思います。
10社以上の保険会社から比較すると、これ以上の比較見当はいらないのでそこから決めると良いと思います。
入力項目がわかりやすいので、保険金額の比較シミュレーションはこちらがやりやすいと思います。
詳しい方法は次回の記事で紹介します。
まとめ
中古マンション購入完全ガイド(15)では、『地震火災保険の選び方』について解説しました。
住宅ローンを組む場合は、地震火災保険にはかならず入らないといけないのですが、10年で地震火災保険の満期を迎えた後、また住宅ローンが終了した後に地震火災保険に再加入するのを忘れている人がとても多いのです。
日本は地震大国なので、そこは気をつけないといけません。かならず、再加入しておくのをわすれないようにしましょう!
本記事では私の実体験も含めて書きますので、すべての記事を読み通すことで、中古マンションの購入プロセスが頭の中でしっかりとシュミレーションできるようになると思います。
ぜひ通してお読みください。