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建築家 アルヴァ・アアルトを知ろう! 夏の家/マイレア邸など

建築家 アルヴァ・アアルトは、フィンランドのクオルタネ出身です。モダニズムの時代に生きながらフィンランドのデザインモチーフを導入し、直線の静謐さと曲線の温かみの両方を持っています。

本記事の内容

本記事では、建築家アルヴァ・アアルトの略歴、代表作、書籍を紹介したいと思います。建築家アルヴァ・アアルトは、建築だけでなく、都市計画家であり、デザイナーとしての側面も持っています。食器や家具も好きな人が多いですし、今なお人気のある建築家です。

目次

  1. 建築家 アルヴァ・アアルトの略歴
  2. 建築家 アルヴァ・アアルトの作品
    • ヴィープリの図書館
    • パイミオのサナトリウム
    • アアルトの夏の家
    • セイナッツァロの役場
    • マイレア邸
  3. 建築家 アルヴァ・アアルトの書籍 紹介
  4. まとめ

1.建築家 アルヴァ・アアルトの略歴

アルヴァ・アールトは1898年にフィンランドで生まれました。20世紀を代表する建築家であり、また同時期の建築家と同様に都市計画家であり、デザイナーとしての側面も持っています。

建築、家具、ガラス食器などの日用品のデザインなど、素晴らしい作品を多く残しています。スウェーデンのグンナール・アスプルンドと並んで、北欧の近代建築家として極めて重要な人物です。

アアルトは1898年、フィンランドのクオルタネで生まれます。1903年に家族と共にユヴァスキュラに移り、その後ヘルシンキ工科大学で建築を学びます。フィンランド建築家のリストがあったときに、名前が一番最初にくるようにAlvar Aaltoとしたという話も有名ですね。

1927年にヴィープリの図書館の建築設計競技で一等をとります。この時期からモダニズムの作風となります。また1928年に行なわれたコンペでパイミオのサナトリウムを獲得します。

その後CIAM(近代建築国際会議)を通して、ル・コルビュジエとも友人となります。1935年に竣工したヴィープリの図書館では、アアルトの特徴である波形にうねる曲線がみられます。このモダニズムの空間に反する曲線は、フィンランドの伝統的材料としての木材を利用するものであり、フィンファンドという特徴を生かしたアールト独自のモダニズムであったと言われます。

有名な住宅でもあるマイレア邸でも見られますね。

1946年から1948年まで、マサチューセッツ工科大学客員教授を務めます。その際に、MITの寄宿舎やベーカーハウスの設計を行いました。1949年に妻アイノが無くなります。その後、1952年に建築家エリッサ・マキニエミと再婚します。

1976年に78歳で逝去します。

2.建築家 アルヴァ・アアルト代表作 紹介

ヴィープリの図書館

ヴィープリ市立図書館はロシアのヴィボルグにあります。1927年の建築コンペで、建築家アルヴァ・アアルトが一等に選ばれました。モダニズムの外観と、L字型のプランが印象的です。

修復工事が1994年に始められ、長い時間をかけて改修されて、現在も現役で使われています。

初期の作品として重要であり、見に行きたいですね!

ヴィープリの図書館 建築家アルヴァ・アアルト

パイミオのサナトリウム

フィンランドのパイミオにあるサナトリウムである。つまりこの時期によく作られた結核の療養所です。

現在は、トゥルク大学付属の総合病院となっています。病室は南東を向いているため朝日が入り、逆に西日は入りません。

メインエントランスの車寄せの庇は、左右非対称のデザインが印象的です。病室棟の廊下側の壁面は、ル・コルビュジエの近代建築の五原則の1つである水平連続窓ですね。近代建築の文脈が使われています。

ヴィープリの図書館 建築家 アルヴァ・アアルト
ヴィープリの図書館 建築家 アルヴァ・アアルト

アアルトの夏の家(Alvar Aalto Experimental)

建築家アルヴァ・アアルトと2番目の妻であるエリッサによる設計です。セイナッツァロのムーラッツァロ島にあります。1952年に着工されていますので、結婚したその年に設計して着工にかかっています。1954年に竣工です。2年間かかっているので、いろんな実験をしていますね。

構造は耐力レンガであり、一辺が14メートルの正方形です。正方形の中庭があり、残りがL字型のプランです。住宅のレンガ壁は、外側だけ白色に塗装されています。

ヴィープリの図書館 建築家 アルヴァ・アアルト

Alvar Aalto Experimental

セイナッツァロの役場

セイナッツァロの村役場は、アアルト夏の家の近くにあります。1993年までは村役場として使用されましたが、1994年以降は、図書館やオフィスなどの多目的施設となっています。

中央広場を取り囲むようにして、コの字型のプランが北側に設けられています。また南側には図書館棟があり、広場を囲んでいます。

図書館棟の東側に御影石で造られた階段があります。この階段を上がったところにメインエントランスがある構成です。

構造は、鉄筋コンクリート造で外壁は赤レンガが印象的です。

代表作の1つなので、アアルトの夏の家と同じ時に是非見にいきましょう!

セイナッツァロの役場 建築家 アルヴァ・アアルト

マイレア邸

Villa Mairea(マイレア邸)は、ハリーとメアグリッヒセンのためにアルヴァルアアルトによって設計された別荘です。いわゆるゲストハウスですね。フィンランドの人は、年に住まいを持ちつつ、こうした田舎の隠れ家を持つことが多いです。

グリッヒセンは裕福で、Ahlström家の一員でした。グリッヒセンははアアルトにマイレア邸を「実験的な家」と見なすべきだとって、アアルトに彼の仕事のすべてのテーマをまとめる機会として与えました。しかし、実際にはそこまではできなかったと述べています。しかし、今日、マイレア邸はアールトデザインの最も重要な建物のひとつです。

マイレア邸 建築家 アルヴァ・アアルト

マイレア邸の計画は、アアルトが以前に使用したL字型の修正といえるでしょう。つまり、L字型の片側にセミプライベート空間を配置したレイアウトで、もう一方のパブリックゾーンに対面するための排他的なフォーマルスペースです。 また、芝生とスイミングプールはL字型の角にあり、さまざまな部屋からそれらを見渡せます。

マイレア邸 建築家 アルヴァ・アアルト

主な構成の水平線と張り出しは地面を反映しており、湾曲したプールは近くの森の地形を結んでいます。

これらの自然と対峙する建築の軟化装置とは対照的に、メインのファサードはより堅固で正式なムードがあります。

マイレア邸のインテリアは、木材、石、レンガで豊かに表現されています。 スペースは、グランドからキャビンのようにサイズが異なり、それぞれの空間の特性を生かしています。

一見にしかずです!

マイレア邸 建築家 アルヴァ・アアルト パーゴラ

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3.建築家 アルヴァ・アアルトの書籍 紹介

アルヴァ・アールトの建築 エレメント&ディテール

北欧を代表する建築家アルヴァ・アールトが追求した美しく機能的なディテールを集めた作品集。

住宅や公共建築、商業施設、家具や照明器具にいたるまで、構造や技術を反映した合理的なデザイン、素材や形へのこだわり、使いやすさが発揮された170のディテールを多数のカラー写真と図面で紹介。

所在地リスト、書籍案内も充実。

アマゾンより
[目次]
Introduction

Handle & Door
取っ手
手すり
木製扉と扉まわりの立面構成
ルイ・カレ邸 格子扉
ヴィープリの図書館 ブレース入りの鋼製ガラス扉

Stairs & Floors
ヴィープリの図書館 T字形断面の屋外階段
労働者会館 エントランスホールの階段
マイレア邸 居間の階段
サウナッツァロの村役場 議場へのアプローチ
タリン美術館 展示エリアを区分する階段
リオラの教会 段状の聖歌隊席
建物に奉仕する外部階段
野外劇場のモチーフ

Path & Corridor
サウナッツァロの村役場 中庭に面する回廊
アラヤルヴィ庁舎 幅と高さが変化する中央廊下
リオラの教会 水平材が連続するキャノピー
文化の家 二つのヴォリュームを統合するキャノピー
ヴォルフスブルク文化センター 変化に富んだピロティ

Column & Frame
マイレア邸 林立する多様な柱
柱の表現の展開
アールトスタジオ 板状の柱
トゥルン・サノマット新聞社 マッシブな柱
屋根を支える木架構
ロングスパンの木製合成梁
ヘルシンキ工科大学 大講堂のリブフレーム
リオラの教会 ダイナミックなリブフレーム
ムーラッツァロの実験住宅 木架構の実験
線材による繊細なデザイン

Wall & Ceiling
自由曲面の壁
ヴィープリの図書館 児童図書室入口の曲面壁
個性あふれる間仕切り
ヴォクセンニスカ教会 曲面の可動間仕切り
外観を特徴づける可動間仕切りのデザイン
木の外壁のディテール
コッコネン邸 輝く木の壁
アールトスタジオ 白い壁面のヴァリエーション
周囲に調和したファサード
ヴィープリの図書館 講義室の波打つ天井
ルイ・カレ邸 玄関を包み込む曲面天井
窓際の斜め天井
空間の広がりを演出する天井
音や熱をコントロールするパネル天井
照明や音響の効果を高める布の活用
有機的な曲線を描くキャノピー

Window
ルイ・カレ邸 展示作品を照らすための窓
アールトスタジオ 建物に変化を与える多様な窓
景色を楽しむ窓、集中するための窓
サウナッツァロの村役場 議場の闇を引き立てる窓
遊び心が感じられる即興的な窓
パイミオのサナトリウム 病室の窓まわり
パイミオのサナトリウム 食堂のガラスボックス
ムーラッツァロの実験住宅 中庭との関係性が表現された窓と扉
内と外との関係を演出する窓辺
ヴォクセンニスカ教会 外皮と内皮のズレをまとめる二重ガラスの高窓
ラハティ教会 十字架をかたどった小窓群
内部の要求から決まった窓の外観への現れ

Skylight & Reflector
国民年金会館本館 クリスタル・スカイライト
クリスタル・スカイライトの展開
ヴィープリの図書館 円筒スカイライト
円筒スカイライトの展開
スカイライトの外観
光を拡散させるリフレクター
採光のために変形した壁と天井

Sauna & Fireplace
サウナ 伝統的なスタイルを進化させた濃密な空間
暖炉 農家から着想した集いの空間
ムーラッツァロの実験住宅 焚き火の炉

Green & Water
緑の扱い 植物の成長を見越した精緻なデザイン
マイレア邸 草屋根
水の扱い 空間に潤いを与える効果的な使い方
雨水の処理

Furniture & Lighting
L字脚のスツール
木製のキャンチレバーチェア
木の脚の実験と実践
ユニークな丸みを帯びたペンダントライト
円筒形のペンダントライト
ポール・ヘニングセンからの影響
帯状の羽で包み込むライト

ヴィラ・マイレア Alvar Aalto Villa Mairea1937-39―世界現代住宅全集01(Residential Masterpieces)

マイレア邸を知るための一冊としてはこれしかありません。

4.まとめ

建築家 アルヴァ・アアルトは、フィンランドを代表する建築家であり、近代建築と地域主義という意味では、メキシコのバラガンにも似ています。どちらも、近代のモダニズムに新しい解釈を導入しており、寒国のフィンランドと、暖かいメキシコ、地域が違っていてもなにか、共通したものを感じるのは僕だけでしょうか?フィンランドに行く機会があったら、事前に行きたい場所を予約することをおすすめします。

注意説明 公共建築以外の場所の特定は行っていません。個人の所有物である住宅は、場所の特定をしないように配慮しております。ご了承くださいませ。

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