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建築家 宮本忠長を知ろう! 長野市立博物館/松本市美術館など

建築家 宮本忠長

建築家 宮本忠長は、長野県の須坂出身の建築家です。故郷である長野県を拠点にしながら、多くの公共建築を設計しました。

本記事の内容

本記事では、建築家 宮本忠長の略歴、代表作、書籍を紹介したいと思います。建築家 宮本忠長は日本の近代を代表する建築家です。地域に根ざして、質の高い空間性を持つ多くの公共建築を設計しています。各地方にこうしたお抱え建築家的な人がいれば、日本の地方都市ももっと豊かになるのではないかと思います。

目次

  1. 建築家 宮本忠長の略歴
  2. 建築家 宮本忠長の代表作 紹介
    • 1976 北斎館
    • 1981 長野市立博物館
    • 2002 松本市美術館
  3. 建築家 宮本忠長の書籍 紹介
  4. まとめ

1.建築家 宮本忠長の略歴

建築家 宮本忠長は、1927年に長野県の須坂で生まれました。1951年に早稲田大学理工学部建築学科を卒業して、師であった佐藤武夫建築事務所に入所します。佐藤武夫からは15年は研鑽を積むように言われたそうです。

1964年の37歳のときに長野にもどり、宮本忠長建築設計事務所を設立しました。主な作品としては北斎館、長野市立博物館、信州高遠美術館、森鴎外記念館、松本市美術館があります。

受賞歴としては、長野市立博物館で日本建築学会賞(1982)、松本市美術館でBSC賞(2003)、第60回日本芸術院賞(2004)を受賞しています。

また、長野県の小布施町の街並修景計画の有名です。こうした建築家による長期の計画への参加は、まちづくりに極めて重要だと思わされるとても素晴らしい事例です。この修景プロジェクトで1987年に吉田五十八賞、1991年に毎日芸術賞を受賞しました。

2016年に89歳で亡くなりました。

2.建築家 宮本忠長代表作 紹介

1976 北斎館

1976年に竣工しました。この北斎館は、宮本忠長が長期に渡って関わる小布施町並修景事業のまさにきっかけとしての事業といえます。

この宮本忠長が設計した北斎館は、葛飾北斎のネームバリューの効果もあり単独の建築であっても多くの人を集めました。その多くの人をなんとか観光地の活性化につなげようと小布施堂の店主であった市村次夫が新しいまちづくりのあり方を模索し実践していきます。これが、工場も倉庫も家などが一体になった新しいまちづくりです。

この新しいまちのあり方が1982年に開始される「小布施町町並修景事業」につながっていきます。ここで建築家の宮本忠長が登場します。建築家がコーディネーターとして小布施堂、行政、銀行、住民が話し合い、土地の交換と賃貸によって修景事業を実現させていきます。なんと5年間という長期に渡って進めた結果、北斎館と高井鴻山記念館を軸とした新しい散歩道を開通させます。

重要な点は、建築家がコーディネーターとなったこと、そして行政、企業、銀行、住民が共同の事業担当者となり、それぞれ同等の発言権得たことです。

宮本忠長はこうした新しい町づくりのきっかけを作り、そして修景計画も手掛け、また竣工から15年後にこの北斎館の増築計画を行っています。

1976 北斎館 建築家 宮本忠長

1981 長野市立博物館

長野市立博物館は1981年に竣工です。敷地が特徴的で、川中島古戦場内に設置されています。

設計の基本は「人間主義(ヒューマニズム)」にありました。そこで、長野県民に愛されてきた善光寺の大伽藍をモチーフにして、民家のフォルムを取り入れた新しいデザインを模索します。

その結果、親しみやすくも崇高な空間性が獲得されています。1982年に日本建築学会賞を受賞しています。

1981 長野市立博物館 建築家 宮本忠長

2002 松本市美術館

松本市美術館は2002年に竣工です。美術館の周りに緑を配置し、伝統性と近代性を両方感じることができる空間を実現しています。そのモチーフは透過性です。どの開口部からどれぐらい透過させるのか、それは日本の多くの伝統的な建築のテーマでも有りました。

例えば松本市美術館のロビーでは、南北方向にダブルグレーチング・カーテンウォールにより光をコントロールしています。これにより、透過性による伝統性と近代性の接近を図っています。

2002 松本市美術館 建築家 宮本忠長

3.建築家 宮本忠長の書籍 紹介

宮本忠長の世界

建築家宮本忠長は、故郷である長野を拠点として活躍した建築家です。特に小布施町では、日本の地方都市のあり方を建築を通して示した重要な事例です。住んでみたいと思わせる地方都市の姿が小布施にあると思います。特別寄稿も著名な建築家がしているので、読み物的に面白いです。

建築家 宮本忠長は、1970年代からスタートした小布施町並修景計画などを中心に「日本の伝統的な和風様式と地域の風土」をテーマに建築活動を続け、自身の故郷でもある長野県を軸として風土に根ざした建築物を国内に多数設計した。 同時に、宮本忠長建築設計事務所の今後の展望を伝える一冊となる。内藤廣氏、藤森照信氏ほか、宮本忠長氏と交流のあった著名建築家からの寄稿を掲載するほか、巻頭には建築写真家 浅川敏氏による主要7作品の撮り下しを掲載。

Amazonより
宮本忠長の世界 建築家 宮本忠長
  • ムック: 128ページ
  • 出版社: 建築画報社 (2017/11/1)
  • 言語: 日本語
  • ISBN-10: 4909154612
  • ISBN-13: 978-4909154613
  • 発売日: 2017/11/1

4.まとめ


建築家宮本忠長は、日本の近代を代表する建築家です。特に公共物の設計が多く、地方のまちづくりに多くの貢献をしてきました。特に長野県の小布施町は居間は日本でも有数の観光地となりましたが、この仕掛け人のひとりが建築家の宮本忠長です。今の時代には、日本の地方にはもっとこうした地方拠点の建築家がどんどん活躍してほしいと思います。

注意説明 公共建築以外の場所の特定は行っていません。個人の所有物である住宅は、場所の特定をしないように配慮しております。ご了承くださいませ。

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