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建築家 篠原一男を知ろう! 数学と建築の接点(全作品リストあり)

数学者が、建築をやるとどんな建築を作るんだろう?そういえば、コルビジェの弟子に音楽家クセナキスがいたっけ?しかも彼は数学もやっていたし。数学すごい!二つの専門が融合した建築ってどんな感じかな?

学生
先生、代々木上原ですげーかっこいい建築見つけました!なんか、コンクリートの家なんだけど、三角窓と上に半円形の筒がのっていて、なんとも説明できないけど、すげーかっこいいんです!
建築の先生
おー、いい建築を見つけましたね。それは、篠原一男という建築家の「上原通の住宅」ですね!ですね!一九七六年に竣工なので、もう40年以上前の建築ですよ!今の現代建築を考えても、先見性があったと言うか、コンセプト洗練すると時代を超えたデザインに至る良い例ですね!よーし、それでは今日は、建築家の篠原一男についてちょっと勉強してみましょう!

本記事の内容

建築家 篠原一男の代表作を紹介します。

建築家 篠原一男に関わる書籍を紹介します。

建築家 篠原一男の建築全作品リストを付けます。

✔POINT

篠原一男は、1925年生まれで戦後の住宅建築の大きな影響を与えたプロフェッサーアーキテクトですね。かっこいいですね!プロフェッサーとアーキテクトを両立していました。昔の東京物理学校、今の東京理科大学と東北大学で数学を専攻後、建築に転向します。数学と建築!これは、必然の出会いであったのでしょうね。この出会いは、日本の建築のその後にも大きな影響を与えていますよね。篠原一男は、東京工業大学の教授であった清家清の元で学んでいます。清家清は、吉阪隆正と同世代の建築家ですね。


建築をやっている人で、篠原一男を知らない人はいないです。知らなかったら、「おーーい!学校で何やってたんだ?!」ってことになります。篠原一男は、教育者としても非常に優れていました。その弟子を見てみるとよくわかります。坂本一成、白澤宏規、長谷川逸子などが篠原研出身です。あと、篠原スクールと言われる建築研究会で伊東豊雄も学んでいたそうです。私もとても尊敬する建築家の一人です。

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目次

  1. 建築家 篠原一男の略歴
  2. 建築家 篠原一男の代表作 紹介
  3. 建築家 篠原一男の書籍 紹介
  4. 建築家 篠原一男の建築 全作品リスト
  5. まとめ

1.建築家 篠原一男の略歴

静岡県で1925年生まれ。

東京物理学校(今の東京理科大学)を卒業して、東北大学で数学を専攻していた。その後に、東京工業大学で建築を学ぶ。清家清に師事する。

篠原の著作である「住宅論」「続住宅論」(後述)によると、篠原一男の建築様式は大きく4期に分けられる。第1の様式:1954~1969年 日本建築の伝統との対応の模索。第2の様式:1970~1974年 コンクリートの構成を用いた時期。第3の様式:1975~1983年 幾何学形態をモチーフにした時期。第4の様式:1984~2006年 最終型として都市の多様な形態を組み合わせた時期。

4つの時代様式その中で日本の伝統的な建築様式を徐々に抽象化しながら,近代の思想との融合をはかった。

主な建築作品としては、久我山の家 (1954) 、から傘の家 (1961) 、白の家 (1966) などがある。

2006年に亡くなりました。

2.建築家 篠原一男の代表作 紹介

白の家 (1966)

  • 設計:篠原一男
  • 竣工:1966年
  • 場所:東京都杉並区

谷川さんの住宅 (1974)

  • 設計:篠原一男
  • 竣工:1974年
  • 場所:群馬県長野原町

上原通の家 (1976)

  • 設計:篠原一男
  • 竣工:1976年
  • 場所:渋谷区代々木上原

上原通りの住宅の内部動画があります!

3.建築家 篠原一男の書籍 紹介

私が読んだことのある3冊の本を紹介しますね。住宅論は、篠原一男の考え方が端的にわかる良書です。まずはこれが重要です。あと、多木浩二による篠原一男論です。こちらは、建築評論としておすすめです。最後に、図面集です。図面は建築家のテキストですよね。住宅論で書ききれなかった思想は、すべてこの図面の中に示されているので、それを読み取っていかなくてはいけません。何度読んでも面白い!

住宅論

内容: 非合理性を含めた人間の「生」の空間を追い、「美」をさぐり、「永遠性」を主張する著者の、「住宅は芸術である」、「三つの原空間」など、評判高い諸論文十数編をまとめたユニークな評論集。(Amazon内容紹介より引用)

建築家・篠原一男―幾何学的想像力

内容: 「住宅は芸術である」―。日本的伝統に立脚しつつ、幾何学的精神に満ちた美しい空間を探求し続けた神話的建築家・篠原一男。生きることの意味と美と永遠性が創出されたその住空間の魅力と理念を精緻に分析し、建築空間の可能性を切り拓いた意欲的クリティーク。「BOOK」データベースより

篠原一男住宅図面

内容: 目次

  • 第1の様式(久我山の家;谷川さんの家;狛江の家;茅ヶ崎の家;から傘の家;大屋根の家;土間の家;原型住宅(1);原型住宅(2);花山北の家;朝倉さんの家;白の家;地の家;花山南の家;山城さんの家;鈴庄さんの家)
  • 第2の様式(未完の家;篠さんの家;同相の谷;海の階段;空の矩形;久ヶ原の住宅;東玉川の住宅;成城の住宅;直角3角柱)
  • 第3の様式(谷川さんの住宅;軽井沢旧道の住宅;糸島の住宅;上原通りの住宅;花山第3の住宅;愛鷹裾野の住宅;上原曲り道の住宅;花山第4の住宅;高圧線下の住宅;東玉川コンプレックス)
  • 第4の様式(ハウスインヨコハマ;ハネギ・コンプレックス;テンメイ・ハウス)
  • プロジェクト(後藤さんの住宅;同相の谷増築計画;未完の家増築計画;蓼科山地の初等幾何)

「BOOKデータベース」 より

4.建築家 篠原一男の建築 全作品リスト

建築作品名 竣工 所在地 備考
久我山の家 1954 東京都杉並区  
久我山の家 その2 1958 東京都杉並区  
谷川さんの家 1958 東京都杉並区  
狛江の家 1960 東京都狛江市  
茅ヶ崎の家 1960 神奈川県茅ケ崎市  
から傘の家 1961 東京都練馬区  
大屋根の家 1961 東京都大田区 現存せず
城山の家 1961 福島県いわき市平  
土間の家 1963 長野県御代田町  
花山北の家 1965 神戸市長田区  
朝倉さんの家 1966 東京都渋谷区  
白の家 1966 東京都杉並区  
地の家 1966 東京都練馬区  
山城さんの家 1967 横浜市磯子区  
花山南の家 1968 神戸市長田区  
鈴庄さんの家 1968 神奈川県葉山町 現存せず
未完の家 1970 東京都杉並区  
篠さんの家 1970 東京都練馬区  
直方体の森 1971 川崎市多摩区 現中村正義の美術館
同相の谷 1971 東京都大田区  
海の階段 1971 東京都練馬区  
空の矩形 1971 東京都世田谷区  
久ヶ原の住宅 1972 東京都大田区  
東玉川の住宅 1973 東京都世田谷区  
成城の住宅 1973 東京都世田谷区  
直角3角柱 1974 山梨県山中湖村  
谷川さんの住宅 1974 群馬県長野原町  
軽井沢旧道の住宅 1975 長野県軽井沢町  
糸島の住宅 1976 福岡県糸島郡志摩町  
上原通りの住宅 1976 東京都渋谷区  
花山第3の住宅 1977 兵庫県神戸市  
愛鷹裾野の住宅 1977 静岡県沼津市  
上原曲がり道の住宅 1978 東京都渋谷区  
花山第4の住宅 1980 兵庫県神戸市  
高圧線下の住宅 1981 東京都世田谷区  
日本浮世絵博物館 1982 長野県松本市  
東玉川コンプレックス 1982 東京都世田谷区  
ハウス イン ヨコハマ 1984 横浜市港北区 現存せず
東京工業大学百年記念館 1987 東京都目黒区  
ハネギコンプレックス 1988 東京都世田谷区 現存せず
テンメイハウス 1988 横浜市鶴見区  
花山の病院 1988 神戸市長田区  
K2ビルディング 1990 大阪市都島区  
熊本北警察署 1990 熊本市中央区 現熊本中央警察署)

5.最後に

篠原一男の建築は、世界的にも有名です。時代を超えて、しかも住宅を通してひとつの世界観を伝えています。オランダのレム・コールハースとの親交もあり、日本の様式の影響がどのようなものかしっかりと認識しながら、モダニズムの可能性を建築通して実践していたとも言えるのではないでしょうか。時々、見学会もあるようなので、建築に興味のある人は是非見に行ってくださいね。

注意説明 公共建築以外の場所の特定は行っていません。特に住宅は、個人の所有物であるため、場所の特定をしないように配慮しております。ご了承くださいませ。

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すむことコム管理人 シミズ
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