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建築家 ザハ ハディドを知ろう! Zaha Hadid アンビルドの女王

建築家ザハ ハディドのことは、オリンピックのメイン会場となる新国立競技場のコンペで、建築界だけでなく日本中の大きなニュースになったので、名前を知っている人も多いのではないでしょうか。

本記事では、建築家ザハ ハディドとはどんな建築家なのかについて、概要を解説します。

本記事の内容

本記事では、建築家ザハ ハディドの略歴、代表作、書籍を紹介したいと思います。ザハハディドは、2016年に心臓発作で65歳で急逝しました。まだまだ建築の第一線での活躍が大きく期待されていました。2020年現在も、ザハハディドの事務所は継続しており、彼女が残した多くの図面やスケッチを元に設計を続けています。

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目次

  1. 建築家 ザハ ハディドの略歴
  2. 建築家 ザハ ハディドの代表作 紹介
  3. 建築家 ザハ ハディドの書籍 紹介
  4. 建築家 ザハ ハディドの建築 全作品リスト
  5. まとめ

1.建築家 ザハ ハディドの略歴

ザハハディドは、1950年生まれ。イラク・バグダード出身でイギリスを拠点に活躍した建築家です。ザハハディドはフセインが実権を握ったときに家族でイランを離れ、1972年に渡英します。その後、AAスクールで建築を学び、レム・コールハースの事務所で働いた後に独立します。

ザハハディドは、日本人建築家の磯崎新によって見いだされたといっても良いかもしれません。香港のビクトリアピークの山頂に建設が予定されていたコンペで審査員であった磯崎が落選案の中から拾い上げた後、ザハ・ハディドの案が1等をとったと言われています。結局、コンペ案の実現はされませんでした。

それまでアンビルドの女王と異名を取り実現不可能なプロジェクトが多かったのですが、コンピュータの急速な発展により、多くのプロジェクトが実現に向かいます。

初期の作品では、家具会社であるヴィトラ社の敷地にないにある消防署が有名です。その後、本拠地をロンドンに移して多くの建築設計を行っていきます。2004年には建築界のノーベル賞であるプリツカー賞を受賞しました。その後も活動範囲を、中国、日本、カタールなど全世界に広げていきます。

最近有名なのは日本のオリンピックの主要会場である新国立競技場コンペで1等入選したことと、北京の新しい国際空港の建設です。新国立競技場コンペは、決まった後にすったもんだありました。くわしくは後述しますが、やはり設計の斬新さから費用がかさむため、実現しないプロジェクトも多いです。

2. 建築家 ザハハディドの代表作 紹介

ヴィクトリア・ピークコンペ案(1983)

ヴィクトリア・ピークコンペ案(1983)ザハ ハディド

1983年に開催された建築デザインコンペ案です。これは、香港のビクトリアピークの上に建設される予定だったレジャー・クラブのコンペです。この審査員だった磯崎が、落選案の中から見出して1等となったと言われています。ザハハディドによって建物が解体され、その複数の断片が再度空中に舞うように集合しているような設計案は、その後の設計に通じるザハハディドの特徴です。

実現されていないため、ここからアンビルドの時代が10年ほど長く続きます。

ヴィトラ社の消防ステーション (1991–93)

ヴィトラ社の消防ステーション (1991–93)ザハ ハディド

この作品は、ザハハディドが建築家としてスタートを開始する最初の作品です。有名な建築家の誰もがそうですが、ザハハディド、p最初から有名なわけではありません。最初に才能ある建築家を信頼し、頼むクライアントがいるわけです。

その1人が家具会社Vitraの社長であったRolf Fehlbaumでした。Fehlbaumは、プリツカー賞(Pritzker Architecture Prize)の審査員もしています。また、彼はフランク・O・ゲーリーにヴィトラ博物館の依頼もしています。これが、1989年です。

その後、Fehlbaumは1993年にザハハディドに消防署の設計を依頼しました。 彼女の極めて過激なフォルムは、中央で衝突する鋭い斜めの形で構成された彫刻作品のようでした。現在は、消防署ではなく展示ギャラリーとして使われています。彼女のキャリアとデザインを知る上で重要な作品です。

マギーセンター・ファイフ Maggie’s Center Fife (2006)

マギーセンター・ファイフ Maggie's Center Fife (2006)ザハ ハディド

ファイフにあるマギーセンターは、2006年にビクトリア病院の中にオープンしました。 この建物はザハ・ハディドによる英国で最初の設計です。建物は自然と人工物の移行という点から、病院と自宅の移行、治療後の移行といったものを意識させるものとなっています。エントランスの正面は、ほぼ全体がガラスです。北側は屋根の延長部が入り口を保護し、南側は日陰を提供しています。内部プランは、キッチンが建物の中心となっており、人々がコミュニケーションを取ることも意識されています。

ウィーン経済大学, 図書館と学習センター (2008–2013)

ウィーン経済大学, 図書館と学習センター (2008–2013)ザハ ハディド

図書館と学習センターは、ウィーン経済大学の中心として設計されました。なんと28,000平方メートルという広大なスペースに35度の傾斜壁と建物の前の広場に斜めに片持ち梁で支えられた巨大な黒のボリュームによって成り立っています。内部は、近未来的な印象です。

ザハハディドによると「建物の外側の直線は内側に移動するにつれて分離し曲線になり廊下と複数階のスムーズな移動を実現する。それによりセンターの主要な公共広場を生成する。」とのことです。

3.建築家 ザハハディドの書籍 紹介

ザハハディドの書籍を紹介します。

ザハ・ハディド全仕事 2018発売

建築界の女王、ザハ・ハディド。 その全貌を網羅した唯一の作品集。 建築界のノーベル賞とよばれるプリツカー賞を受賞した初めての女性建築家、ザハ・ハディド。 一目で彼女の手によるものとわかる独創的なデザインの建物を世界中に残し、 日本でも新国立競技場の当初案で広くその名を知られるようになった。 2016年に逝去した建築界の女王の足跡を、自身の作品解説によって振り返る。 初期のドローイングから最晩年のプロジェクトまで、200を超える作品群を「建物とプロジェクト」と 「オブジェ、家具、インテリア」に分け、それぞれ時系列順に整理。詳細なプロジェクトデータも収録。

「BOOK」データベースより

GAアーキテクト (05) ザハ・ハディド―世界の建築家

著者である松野高久氏にとって清家清の存在は、建築を志した東工大の清家長きにわたり多くご要望が寄せられていた『GAアーキテクト〈ザハ・ハディド〉』を復刻いたします。 1983年、香港の「ザ・ピーク」コンペティションで勝利し華々しくデビューするものの 実現には至らず、「アンビルトの女王」と呼ばれていた時代。 しかし、彼女独自の緻密で構成的なドローイングは、その後の活躍を予感させる エネルギーに満ちていました。 本作品集には初期のプロジェクト9作品を収録。 高精細に再現されたドローイング群が、美しいレイアウトによって頁を飾ります。 序文は、彼女を「ザ・ピーク」コンペで見い出した磯崎新。 巨匠のスタートを知るのに必携の歴史的作品集です。

AMAZON商品紹介より

目次

  • 形式の自動運転:ザハ・ハディドの建築 磯崎新
  • ザハ・ハディドとの対話:ザ・ピーク以後 アルヴァン・ボヤルスキー
  • 1976-77 マレーヴィッチのテクトニク イギリス、ロンドン
  • 1977-78 19世紀博物館 イギリス、ロンドン
  • 1978-79 オランダ議会場増築 オランダ、ハーグ
  • 1979-80 アイルランド首相官邸 アイルランド、ダブリン
  • 1981-82 イートン・プレイス59番地 イギリス、ロンドン
  • 1982-83 ラ・ヴィレット公園 フランス、パリ
  • 1982-83 ザ・ピーク 中国、香港
  • 1985 トラファルガー広場計画 イギリス、ロンドン
  • 1983 ザ・ワールド

GA ドキュメント・エクストラ 03―Zaha Hadid (GA DOCUMENT EXTRA)

4. 建築家 ザハ ハディドの日本の国立競技場のコンペの経緯

海外の建築家でザハハディド日本で最も有名な人のひとりです。それは、新国立競技場コンペを勝ち上がったにも関わらず、コンペ案が実質破棄されたことで大きなニュースになったことです。

これで、日本が国際的な建築コンペを行うことは今後殆どなくなったと言えるでしょう。コンペ勝利者の案がこういった形で破棄されるのでは、建築家は建築コンペへ参加をしなくなってしまいます。

建築家 ザハ ハディドの日本の国立競技場のコンペの経緯

5.最後に

ザハハディドは、現代を代表する建築家でした。しかし2016年に療養中のマイアミで心臓発作で急逝しました。建築家ザハ ハディドの早すぎる死に、その天才的な才能を惜しんでいる建築家も多いです。

是非機会があったら、ザハハディドの建築を見に行ってみてください。ここまで先鋭的なデザイン先行型建築はなかなか日本では見られないですから。

注意説明 公共建築以外の場所の特定は行っていません。特に住宅は、個人の所有物であるため、場所の特定をしないように配慮しております。ご了承くださいませ。

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