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建築家 クロード・ニコラ・ルドゥーを知ろう!アル=ケ=スナンの王立製塩所など

建築家 クロード・ニコラ・ルドゥー

建築家 クロード・ニコラ・ルドゥーは、フランスのシャンパーニュ地方出身の建築家です。王立お抱えの建築家として活躍しましたが、その中でも自由主義的な考え方を持った極めて異例の建築家であったと言えます。

本記事の内容

本記事では、建築家 クロード・ニコラ・ルドゥーの略歴、代表作、書籍を紹介したいと思います。建築家 クロード・ニコラ・ルドゥーは、フランスのシャンパーニュ出身で、新古典主義建築家として有名です。エティエンヌ・ルイ・ブーレーと共に、「幻視の建築家」と呼ばれますが、その実現しなかった建築の理想を紐解いてみると、建築と社会の関係を空間として実現するという、まさに現代の建築への応用が可能な実践的な計画であったことがわかります。

建築家 クロード・ニコラ・ルドゥー

目次

  1. 建築家 クロード・ニコラ・ルドゥーの略歴
  2. 建築家 クロード・ニコラ・ルドゥーの代表作 紹介
    • 1778 アル=ケ=スナンの王立製塩所
    • 1784 ブザンソンの劇場
  3. 建築家 クロード・ニコラ・ルドゥーの書籍 紹介
  4. まとめ

1.建築家 クロード・ニコラ・ルドゥーの略歴

建築家 クロード・ニコラ・ルドゥーは、1736年にシャンパーニュ地方で生まれました。クロード・ニコラ・ルドゥーは、フランスの新古典主義建築の建築家です。

ルドゥーは、1736年にシャンパーニュ地方の商人の息子として生まれました。幼い頃からドローイングが格段に上手だったそうです。サセナージュ修道院がパリでの学業に資金を提供し、17歳からは彫刻家として働いて、ジャック・フランソワ・ブロンデルの指導の下で建築を学び始めました。

その後、ピエール・コンタン・ディヴリーの下で訓練を受け、ジャン・ミシェル・シェヴォテの知り合いにもなりました。これら2人の著名なパリの建築家は、いわゆるルイ15世のスタイルとして知られているロココ様式と初期の新古典主義(ギリシャ風味とよばれる)スタイルで設計していました。

コンタン・ディヴリーとシェヴォテの指導の下でレドゥーは古典建築にも精通しました。この2人のマスターアーキテクトにより、ルドゥーは裕福な顧客と出会うことになります。

クロード・ニコラ・ルドゥーは当時の建築理論を応用して、建築だけでなく街の計画も設計しました。「理想的なショーの都市に関する計画」を発表し、ルドゥーはユートピア建築家としても知られるようになりました。

ルドゥーの作品はフランスのルイ16世の君主制によって資金提供されていたため、フランス革命はルドゥーのキャリアを大きく妨げ、作品の多くは19世紀に破壊されてしまいます。

1804年に、ルドゥーは彼のデザイン・コレクションを、「建築(芸術、道徳、法律に関連して検討される建築)」というタイトルで発表しました。

この本では、以前のデザインを改訂し、より厳密に新古典主義での最新のものにしました。この改訂は、新古典主義建築の進化における彼の役割の正確な評価を歪めることにもなりましが、重要なルドゥー研究においては極めて重要な書籍です。その中で彼のもっとも野心的な作品は、アルクセナンの王立製塩所(未完成)です。一方で、パリ周辺の料金所などより日常的な建築物も含まれているのが面白いですね。

クロード・ニコラ・ルドゥーは、1806年に70歳で亡くなります。

2.建築家 クロード・ニコラ・ルドゥー代表作 紹介

1778 アル=ケ=スナンの王立製塩所

18世紀に塩は不可欠で貴重な商品でした。そして、この塩に課される税(塩税)は、フランスにとって貴重な収入源でした。

サラン・レ・バンまたはモンモローでは、製塩所のボイラーは井戸の近くに建設され、木材は隣接する森林から持ち込まれました。

レドゥーは製塩所を塩水源ではなく森の近くに置きました。彼は木材よりも水を運ぶ方が簡単だろうと考えたからです。塩水は新しく建設された運河によって工場に運ばれることになっていました。

王立の承認を受けたアル=ケ=スナンの王立製塩所のデザインは、レドゥーの傑作とされています。最初の建築作業は、新しい理想的な都市のための壮大な計画の最初のフェーズでした。

1778 アル=ケ=スナンの王立製塩所 建築家 クロード・ニコラ・ルドゥー

建物の最初の(結局のところ、唯一の)ステージは1775年から1778年の間に建設されました。入り口は、ペストゥムの寺院に触発された大規模なポルティコを通ります。柱は新古典主義の典型的なモチーフです。

内部にはホールがあり、自然の力と人間の力を表す装飾で飾られています。そして、実際の塩鉱山に入るような印象を与えます。

入口の建物は、半円の弧上に配置された10の建物に囲まれた広大な半円形のオープンエアスペースに通じています。この周りには鍛冶場、鍛造工場、そして労働者のための部屋があります。まっすぐな直径には、管理用建物と塩を抽出するための建物があります。中央には、元々は礼拝堂でもあった館長の家があります。

この計画の重要な点は二つでしょう。完全な円は理想的な都市の調和を呼び起こし、労働作業の調和の場ともいえます。一方で、組織的で公式な監視システム、つまりパノプティコンの現代理論も想起させます。

製塩所は生産に大して十分な利益を得ることができず、フランス革命の後、1790年に閉鎖されました。それにより、王室が企てた新しい都市と工場の理想の夢は終わったといえます。

1920年代には短期間、製塩所は再利用されましたが現在は閉鎖されています。ユネスコ世界遺産に指定され、地元の文化センターとして改装されています。

1778 アル=ケ=スナンの王立製塩所 建築家 クロード・ニコラ・ルドゥー
wikipedia

1784 ブザンソンの劇場

ルドゥーは、フランシュコンテのブザンソンで劇場を設計するために選ばれました。

劇場の外壁は、6つのイオニア式柱に近い新古典主義の柱廊だけで飾られたており、パラディアンキューブ(パラデォ式キューブ)として設計されています。

1784 ブザンソンの劇場 建築家 クロード・ニコラ・ルドゥー

しかし、新古典主義の外観からは想像できないぐらい、内部は革新的です。ルドゥーは、エリート主義者ではなく極めて自由主義的な考え方を持っていました。

それまで公共の催し物が開催される場所は、パリなどの都市がほとんどであり、フランスの地方では極めて稀でした。またそうした地方の場所では、貴族だけが劇場に行くのが通例でした。貴族は庶民と一緒に座ることを望んでいませんでした。

しかしルドゥーは、こうした状況に風穴を開けようとしたのです。エリート主義者はブザンソンの劇場を貴族のみの席で計画していましたが、ルドゥーはフランシュコンテに賛同者を見つけ、計画を実行に移していきます。

それでも、社会階級は依然として分離されることが必要とされたので、1階に普通の公的座席を備え、その上にフランス国営雇用主のために一部高くなったバルコニーをもうけました。その真上は貴族のための席で、さらにその上は中産階級が占める席としました。

つまり、ルドゥーは、劇場とは社会の交わりの場であり、実際には厳密な階層(階級)を維持しながら娯楽を共有できる場所としたのです。

こうした理想を現実の空間としたことは極めて重要な変化であり、まさに革命的なことでした。

またこうした劇場の革新は座席だけではありませんでした。機械工の助けを借りてバックステージの景観装置を拡張し、多くの近代的な改良を施しました。ブザンソンは、オーケストラピットでミュージシャンが上演した最初の劇場となったのです。

こうしてみると、ルドゥーに親近感が湧いてきます。

現存せず

3.建築家 クロード・ニコラ・ルドゥーの書籍 紹介

L’Architecture (Classic Reprint (Princeton Architectural))

極めて貴重な本がお手頃価格で(いや、お手頃というには高いですが)、リプリントとしては貴重で実はかなりお手頃価格なのです。

この本は、1804年にルドゥーがデザイン・コレクションを、「建築(芸術、道徳、法律に関連して検討される建築)」というタイトルで発表ものを、1847年にダニエル・レームが300枚の版画プレートで2巻にまとめたものです。

このレーム・エディションは現在は極めて希少ですが、プリンストン・アーキテクチュラル・プレスはは1巻形式でリプリントされています。

プリンストン・アーキテクチュラル・プレスは、私の好きな出版社の一つですが、この本の最高品質の印刷と製本はまさに圧巻です。

オリジナルの本と同じ9 x 12インチのフォーマットにより、手頃な価格(いや高いですが・・・)で手に入れることができます。

こんな本を家の本棚に一ついかがでしょうか?高いけど、手元に置いておきたくなります。

Few architects have had a vision of architecture as provocative as that of Claude-Nicolas Ledoux. In 1847 Daniel Rame assembled 300 plates by Ledoux in two volumes. The Rame edition is now scarce, but has been reproduced here in a one-volume format. Princeton Architectural Press’s Reprint Series was established in 1981 to make rare volumes on architecture available to a wider audience. The books’ beautiful reproductions and finest quality printing and binding match those of the originals, while their 9-by-12-inch format makes them accessible and affordable. New introductions bring a modern voice to these classic texts, updating them to become invaluable contemporary resources. These critically acclaimed books are an essential addition to any library.

Amazonより
  • 発売日 : 1997/9/1
  • ハードカバー : 328ページ
  • ISBN-10 : 9780910413039
  • ISBN-13 : 978-0910413039
  • 出版社 : Princeton Architectural Press (1997/9/1)
  • 商品の寸法 : 24.05 x 3.25 x 31.32 cm

4.まとめ

建築家 クロード・ニコラ・ルドゥーは、フランスにおける新古典主義建築を代表する建築家のひとりです。しかし、外観が新古典主義でパラディ案様式のクーポラであったとしても、内部の革新性や、都市計画の斬新さには目を見張ります。新古典主義建築を誤解していたように思います。もっと見るべきものがクロード・ニコラ・ルドゥーの中にありました。もっと調べてみようと思います。

注意説明 公共建築以外の場所の特定は行っていません。個人の所有物である住宅は、場所の特定をしないように配慮しております。ご了承くださいませ。

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