建築家 サンティアゴ・カラトラバは、スペインのバレンシア地方出身の建築家です。構造デザインを主体にした独自のデザインスタイルをもつ建築家として知られています。
本記事の内容
本記事では、建築家 サンティアゴ・カラトラバの略歴、代表作、書籍を紹介したいと思います。建築家 サンティアゴ・カラトラバは、第二次世界大戦後のスペインを代表する建築家です。チューリヒに事務所を開いてから、建物だけでなく橋や電波塔などの日本でいう土木工学の領域に属する構造物も多く手掛けています。その独自のデザインは、見た瞬間に「あっ!サンティアゴ・カラトラバだ」とわかるような象徴的なものです。その意味では、記念碑的な建築に適しているのかもしれません。
目次
- 建築家 サンティアゴ・カラトラバの略歴
- 建築家 サンティアゴ・カラトラバの代表作 紹介
- 1998 オリエンテ駅
- 2001 ミルウォーキー美術館新館
- 2016 ワールドトレードセンター・トランスポーテーション・ハブ
- 建築家 サンティアゴ・カラトラバの書籍 紹介
- まとめ
1.建築家 サンティアゴ・カラトラバの略歴
建築家 サンティアゴ・カラトラバは、1951年にスペインのバレンシアの一部である古い自治体のベニマメットで生まれました。
建築家 サンティアゴ・カラトラバは、建築家だけでなく、構造エンジニア、彫刻家、画家としても知られています。有名な建築作品には、アテネのオリンピックスポーツ複合施設、ミルウォーキー美術館、スウェーデンのマルメのターニングトルソタワー、ニューヨーク市のWTCのトランスポーテション・ハブなどがあります。
カラトラバの姓は中世の古い貴族の姓であると言われています。スペインの騎士団と関連しているそうです。1964年交換留学生としてフランスに行き、1968年にパリのエコール・デ・ボザールに留学しました。しかし学生運動が過激になりスペインに帰国しました。
バレンシアでル・コルビュジエに興味を持ったことから、自分自身もル・コルビュジエのように芸術家と建築家の両立を模索します。(ル・コルビュジエは画家でもあり建築家だったので。)
バレンシア工科大学の高等建築学校に入学し建築家として彼の卒業証書を受け取りますが、さらに構築物の研究を進めるために1975年にチューリヒにあるスイス連邦工科大学に入学します。そこで土木工学の学位を取得し、1981年に「三次元構造の柔軟性」に関する論文で博士号を取得しました。
その後すぐに、チューリヒに自分のオフィスを開設し、設計活動を開始します。1984年から87年にかけて、彼はスペインのバルセロナに最初の橋であるBac de Rodaを建設しました。これにより、初めて国際的に注目されます。
1990年代の初めに、カラトラバは注目に値する鉄道駅と橋をいくつか建設し、カナダのショッピングセンターやビルバオ空港の新しい旅客ターミナルなど、より大きな建築物のを設計します。
近年のプロジェクトであるワールドトレードセンターのトランスポーテション・ハブも有名です。現在も精力的な設計活動を行っています。
2.建築家 サンティアゴ・カラトラバの代表作 紹介
1998 オリエンテ駅
オリエンテ駅は、テージョ川の北端に面した市街地にあり、市内中心部から6 kmのところにあります。
この極めて野心的なモダニズムのターミナルには、地下鉄駅、高速の通勤者や地域の鉄道ハブ、地元の国内および国際バスの駅、ショッピングセンター、警察署などがあります。オリエンテ駅は、さまざまな輸送手段が交差するマルチ・プラットフォームとして構想されました。
ゴシック建築の影響を受けたこの駅は、建築家 サンティアゴ・カラトラバの初期のアレンランバート・ガレリアに類似しています。
カラトラバの目的は、リスボンの大都市圏のさまざまなゾーン間の接続を提供する十分な空間と機能を備えた新しいスペースを実現することでした。
駅の1つの重要な側面は、駅が建設された都市環境とつながることです。駅はガラスと金属の格子構造で覆われており、主要構造は鉄筋コンクリートで構成されています。
道路から19メートル高くなり、鉄道ラインが8本あります。また駅には多くのギャラリーが併設されています。
2001 ミルウォーキー美術館新館
ミルウォーキー美術館のクアドラックパビリオン(1994〜2001)は、カラトラバの米国で最初の建物であり、彼の最初の美術館です。
カラトラバはの鉄道駅と空港で技術革新にる新しい形を示しましたが、新しい美術館の目的は、博物館に新しい入り口を与えることであり、特に「強いイメージで美術館のアイデンティティを再定義すること」でした。
カラトラバの解決策は、高さが2メートルのガラスと鋼の玄関ホール、移動可能な日よけの屋根、長さが32メートルの2つの大きな翼で「新しい美術館のアイデンティティ」を構成していることです。
建物の内部には、会議ホール、展示スペース、ショップ、湖を見下ろすレストランがあります。カラトラバは、市の中心と湖の端との間に吊り橋も設計しています。
2016 ワールドトレードセンター・トランスポーテーション・ハブ
ワールドトレードセンターの全体設計監修行なっていたダニエル・リベスキンドは、カラトラバにワールド・トレード・センターにおけるWTC交通ハブの設計を委託しました。
新しい駅は、地方列車を地下鉄や他の地元の交通機関と接続し、テロリストの攻撃によって破壊されたWTCの商業スペースに取って代わる大型小売店です。
また、ガラスと鋼でできた駅の地上「オクルス」は楕円形で、長さ35メートル、高さ29メートルです。カラトラバによると、それは「子供の手から飛ぶ鳥」に似ています。この地下鉄の駅はもともと天候の良いときに屋根が完全に開くように設計されていましたが、コスト制限のために削除する必要がありました。
WTCハブは、その費用として40億ドルの費用がかかり、当初の見積もりの2倍です。かつて建設された中で最も高価な駅で、予定より7年遅れたため、大きな物議を醸しています。
3.建築家 サンティアゴ・カラトラバの書籍 紹介
Santiago Calatrava: Architect, Engineer, Artist (Basic Art)
サンティアゴ・カラトラバは、建築家、構造エンジニア、彫刻家、芸術家として知られています。劇的な視覚的インパクトを組み合わせた構造で世界に名を馳せました。写真も充実していて。多くの主要プロジェクトが収録されているので、おすすめです。
Spanish visionary Santiago Calatrava is renowned around the world as an architect, structural engineer, sculptor, and artist. Famed for bridges as much as buildings, he has made his name with neofuturistic structures that combine deft engineering solutions with dramatic visual impact. From the Athens 2004 Olympic sports complex and the Museum of Tomorrow to the Peace Bridge in Calgary, Alamillo Bridge in Seville, and the Mujer Bridge in Buenos Aires, Calatravas creations show particular interest in the meeting point of movement and balance. With influences ranging from NASA space design to da Vincis nature studies, the structures dazzle with a sense of lightness, agility, and aerodynamism, but always with a graceful poise amid their particular surroundings. This compact introduction explores Calatravas unique aesthetic with key projects from his career, from early breakthroughs to his most recent work. Through buildings of culture, science, faith, and across his many famous bridges, we explore his integration of organic forms and human movements, and a uniquely fluid futurism, soaring towards tomorrow.
Amazonより
4.まとめ
建築家 サンティアゴ・カラトラバは、スペインを代表する建築家のひとりです。この極めて象徴的なデザインはどこかしらガウディに共通するようにも見えてくるのが面白いです。橋などの構築物も多いので、スペインを車で移動しながら見てみたいですね。