スイスは、ヨーロッパの中でも永世中立国として独自の立場を保っています。ヨーロッパでは他にもベルギー・オーストリアが永世中立国であり、小国の独自の外交戦略でもあります。そんな小さな国ですが、建築は本当に豊富です。ル・コルビジェがスイス出身ということを知っている人も多いと思います。
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本記事の内容
本記事では、私が行ったことのある場所の中からスイス観光で絶対見るべき名所建築5選を紹介したいと思います。スイス観光は歴史遺産と共に自然遺産が有名です。モンブランやハイジなど自然のイメージが強いです。しかし、近代建築から現代にかけて重要な建築がいくつもあります。ここでは、近代建築を中心にしながら、スイス観光で見ておくべき名所5選を紹介したいと思います。
目次
- スイス観光 1選:セカンド・ゲーテアヌム(ルドルフ・シュタイナー設計)
- スイス観光 2選:リヴァ・サンヴィターレの住宅(マリオ・ボッタ設計)
- スイス観光 3選:テルメ・ヴァルス(ピーター・ズントー設計)
- スイス観光 4選:KKL(ルツェルン・カルチャー・コングレスセンター)(ジャン・ヌーベル設計)
- スイス観光 5選:ル・コルビュジエ・センター(ル・コルビュジエ設計)
- まとめ
スイス観光 1選:セカンド・ゲーテアヌム(ルドルフ・シュタイナー設計)
スイスのドルナッハにゲーテアヌムがあります。ここは、ルドルフ・シュタイナーが提唱した人智学運動の中心地です。
最初の建物は火災で焼け落ちて、2番目のゲーテアヌムもルドルフ・シュタイナーによって設計されました。この建物の名前は、ヨハン・ヴォルフガング・ゲーテにちなんでいます。
ホール(1500席)、ギャラリー、レクチャースペース、図書館、書店、人智学協会の管理スペースが含まれています。
この建築は、近代建築の傑作として広く引用され、表現主義的建築として位置付けられています。時代的には、エーリヒ・メンデルゾーン設計のアインシュタイン・タワーと同時期です。
このゲーテアヌムは、コンクリート造で建築家の死後1928年に完成しました。造形的なコンクリートの先駆的な使用です。
現在の建物のステンドグラスの窓はシュタイナーの時代のものですが、塗装された天井と彫刻の柱は、最初のゲーテアヌムのものを現代に複製したものです。
ゲーテアヌムは年中無休で訪問者に開放されており、毎日数回ツアーを提供しています。
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スイス観光 2選:リヴァ・サンヴィターレの住宅(マリオ・ボッタ設計)
建築家マリオ・ボッタは、1971年に友人のために住宅を設計しました、現在ビアンキ・ハウスとして知られるこの建物は、マリオ・ボッタの初期の傑作住宅として有名です。
ルガーノ湖のほとりにある小さな町であるリヴァサンヴィターレの急傾斜の丘の中腹に建てられています。
この家は、上部に入り口があり、区画の下部に行くに従ってプライベートの度合いが上がっていくように設計されています。
塔のような外観が特徴的です。
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住宅の位置は特定していませんが、リヴァ・サンヴィターレの町は、ここです。
探すのはすこし大変ですが、湖周辺なので見つけられるかもしれません。
スイス観光 3選:テルメ・ヴァルス(ピーター・ズントー設計)
ピーター・ズントーが設計した温泉施設であるテルメ・ヴァルスは、国際的に高く評価されているピーター・ズントーの代表作です。
ヴァルスで採石される珪岩を、なんと60,000枚も使ってスラブ、壁、天井を仕上げています。
内部の薄暗い独特の雰囲気と、摂氏30度の快適なミネラル分を含んだ水は、日本とはまた違う温泉体験ができます。
ここで過ごすと、時間を忘れて深くリラックスした体験になります。ここは、是非また行きたい!と思わせる場所です。
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スイス観光 4選:KKL(ルツェルン・カルチャー・コングレスセンター)(ジャン・ヌーベル設計)
ジャン・ヌーベルは当初、船の形をした新しいコンサートホールをルツェルン湖に直接建設することを計画していました。
しかし、このアイデアは、法的な制約、都市的な問題、また生態学的にも大きな影響を与えることから実現できませんでした。
そのため、ヌーベルはプロジェクトを修正して、次のような解決策を考え出しました。
それは・・・「水に行けない場合は、水を呼び寄せるようにしよう!」
つまりヌーベルは建物に直接つながる水路と、湖の上に長く伸びる屋根を設計します。
3つの建物を作成し、コンサートホール、ルツェルンホール、議会と博物館ウィングを3つ並べてまるで造船所に船のように見立てました。
1つの大きな屋根の下で、個別にだけでなく、透過性のある境界線を使用して、さまざまなイベントが相互に発生するような空間を作っています。
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スイス観光 5選:ル・コルビュジエ・センター(ル・コルビュジエ設計)
ル・コルビュジエ・センター(Pavillon Le Corbusier)は、チューリッヒにある美術館で、建築家ル・コルビュジエの作品を展示しています。
1960年にハイジ・ウェーバーは、ル・コルビュジエによって設計された「ル・コルビュジエ博物館」の構想を実現するために、晩年のル・コルビュジエ自身に設計を依頼します。
1年後、コンクリートで建設される建物の最初の図面が提示され、1962年に設計は鉄骨造の建物に変更されました。 2年後に建設が開始されましたが、1965年にル・コルビュジエが亡くなります。
そのために、この建物はル・コルビュジエの遺作となりました。
その後、1967年にル・コルビュジエ・センターが正式にオープンしました。
この建物の最も顕著な建築要素である屋根は、2つの正方形の部分で構成されています。
屋根はプレハブで、可能な限り最大のユニットで建築現場に運ばれて、現場で組み立てられました。クレーンで最終的な高さ(9メートル)まで持ち上げ、柱に固定しました。次に、壁、窓、天井、床を鉄骨にねじ込んで大方の骨組みは完成です。
壁は、3.7フィートx7.4フィートのエナメルパネルで構成されています。これらのエナメルパネルの配置には、特有のリズムがあります。
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まとめ
今までにスイスで行ったことのある場所の中から、今後もスイス観光で訪れてみたい建築を選んでみました。まだまだご紹介したい場所が盛り沢山なので、随時更新したいと思います。雄大な自然に解け込んだ、すばらしい現代建築も多いです。是非機会があったら行ってみてください。