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建築家 アントニン レーモンドの戦前・戦中時代の作品

アントニン・レイモンドの建築は日本にたくさんあります。ここでは、戦前・戦中のみておくべきレイモンド建築を紹介します。

本記事の内容

日本の建築界は、フランク・ロイド・ライトの帝国ホテルの設計・実施の際に助手として来日した建築家アントニン・レイモンドという建築家が日本に残ったおかげで、初期のモダニズムと日本建築の融合の上で大きな影響を受けます。レイモンド建築は知れば知るほど、本物が見たくなります。ここでは、アントニン レーモンドの戦前・戦中の最も見ておくべき作品を紹介します。

目次

  1. 東京女子大学の建物群 アントニン・レーモンドの戦前の代表作
  2. 霊南坂の家(1924)
  3. イタリア大使館別荘(1928)
  4. サマーハウス・軽井沢(1933)現:ペイネ美術館
  5. 最後に

1.東京女子大学の建物群 アントニン・レーモンドの戦前の代表作

東京女子大学の建物群は、建築家アントニン・レーモンドによる設計で施工は1924年に開始されました。

この時代のレイモンドの建築は、フランク・ロイド・ライトの影響を強く受けていることがわかります。

また、建物群にあるその低くて屋根付きの屋根と張り出した軒は、ライトの大草原の家を連想させます。またこの初期の作品は、チェコで始まったキュービズムとオーギュスト・ペレの作品への関心を示しています。

教会・講堂

  • 建築年:1938(昭和13)年
  • 平成4年度BELCA賞(ロングライフ・ビルディング部門)受賞
  • 平成10年度文化庁登録有形文化財登録
東京女子大学教会・講堂 アントニン・レーモンド

本館

  • 建築年:1931(昭和6)年
  • 平成4年度BELCA賞(ロングライフ・ビルディング部門)受賞
  • 平成10年度文化庁登録有形文化財登録
東京女子大学本館 アントニン・レーモンド

ライシャワー館

  • 建築年:1927(昭和2)年
  • 平成10年度文化庁登録有形文化財登録
東京女子大学ライシャワー館 アントニン・レーモンド

外国人教師館

  • 建築年:1924(大正13)年
  • 平成10年度文化庁登録有形文化財登録
東京女子大学外国人教師館 アントニン・レーモンド

安井記念館

  • 建築年:1925(大正14)年
  • 平成10年度文化庁登録有形文化財登録
東京女子大学安井記念館 アントニン・レーモンド

7号館(西校舎)

  • 建築年:1924(大正13)年
  • 平成4年度BELCA賞(ロングライフ・ビルディング部門)受賞
  • 平成10年度文化庁登録有形文化財登録
東京女子大学7号館(西校舎) アントニン・レーモンド

6号館(東校舎)

  • 建築年:1927(昭和2)年
  • ※1951(昭和26)年・1956(昭和31)年に一部増築
  • 平成4年度BELCA賞(ロングライフ・ビルディング部門)受賞
  • 平成10年度文化庁登録有形文化財登録
東京女子大学6号館(東校舎)アントニン・レーモンド

2.霊南坂の家(1924)アントニン・レーモンドの自邸

霊南坂の家(1924)アントニン・レーモンドの自邸
出典:川喜田煉七郎編『レイモンドの家』1931年 洪洋社
霊南坂の家(1924)アントニン・レーモンドの自邸
出典:川喜田煉七郎編『レイモンドの家』1931年 洪洋社
霊南坂の家(1924)アントニン・レーモンドの自邸
出典:川喜田煉七郎編『レイモンドの家』1931年 洪洋社
霊南坂の家(1924)アントニン・レーモンドの自邸
出典:川喜田煉七郎編『レイモンドの家』1931年 洪洋社


関東大震災によって自身の家が破壊された後、アントニン ・レイモンドは麻布に新しい家を設計しました。

残念ながら現存していませんが、それは「霊南坂の家」と言われていました。レイモンドは、彼の師であったフランク・ロイド・ライトのデザインを大きく離れて、モダニズムの方向に進んでいきます。

霊南坂の家では、リビング、書斎、ダイニングなどの独立した関係がプランに盛り込まれています。また、構造は鉄筋コンクリートによって構成されています。

3.イタリア大使館別荘(1928)アントニン・レーモンドによる大使館設計群のひとつ

イタリア大使館別荘(1928)アントニン・レーモンド

中禅寺湖畔には、多くの大使館をはじめとする外国人別荘が建てられました。

レイモンドは1916年に帰化してアメリカ市民になったにもかかわらず、チェコスロバキア共和国の名誉領事となりました。そのおかげで、彼はその時代の建築家サークルの外で、強い人間関係をもつことができました。

1928年から1930年にかけて、レイモンドはアメリカ、ソビエト、フランスの大使館を設計しました。1928年(昭和3年)に作られたイタリア大使館の別荘もその一つです。

なんと平成9年まで歴代の大使が使用していました。実は、ついこの前まで使われていたものです。

この別荘は、二階建ての木造建築です。レーモンドによると、この設計時、地元の職人たちとコラボレーションを重視したとのことです。

レイモンドは、この地域にはどのような建材が適しているかを、職人に聞き、その結果外壁は日光杉を使用しました。

デザイン的には、樹皮と薄い板によって市松模様をつくり、モダニズムのデザインとなっています。また、一階の天井はレイモンドの奥さんのデザインとも言われています。そこでは、杉皮を使うことで日本建築の要素もよく見られます。

4.サマーハウス・軽井沢(1933)現:ペイネ美術館 アントニン レーモンド自身の夏別荘

霊南坂の家を設計して以来、レイモンドはスイスの建築家ル・コルビュジエの作品に強い興味を持っていました。

レイモンドは、コルビュジエのアイデアが自身の設計に影響したのは、1930年に前川國男(パリのオフィスでル・コルビュジエで働いていた2年から戻ったばかり)が、レイモンド設計事務所に入所からであることを認めています。レイモンドは、その後ル・コルビュジエのアイデアと日本固有の建築を融合させていきます。

レイモンドは、ル・コルビュジエのチリのエラズリス氏のための未完成の住宅計画「メゾン・ド・エラズリス」のモチーフ利用して、長野の軽井沢に自分用のサマーハウスを設計しました。このサマーハウスは、コルビュジエのインスピレーションによるとも言われています。

コルビュジエが粗い石積みとタイル張りの蝶の屋根を使用していた場所では、レイモンドは唐松を使用しました。このデザインはル・コルビュジエのデザインのコピーであるとアメリカの評論家によって批判されましたが、その後コルビジェとやりとりをして友好な関係を持っています。

5.最後に

アントニン レーモンドの戦前・戦中のもっとも見ておくべき作品を紹介しました。興味がありましたら、是非とも足を運んでみてください。日本のことを日本人以上によく知っている建築家に強い興味が湧くはずです!

注意説明 公共建築以外の場所の特定は行っていません。個人の所有物である住宅は、場所の特定をしないように配慮しております。ご了承くださいませ。

建築家 アントニン レーモンドを知ろう!その2 自邸/旧井上房一郎邸

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