建築家 丹下健三は、日本出身で初めて世界に名を知られた建築家です。
丹下健三は、「世界のTANGE(タンゲ)」として有名ですね。
私の建築家の友人も、日本のきたときに何を見にいこうかいったら、まずは「TANGE」でした。
特に、高度経済成長期にかけて多くの国家プロジェクトを手がけたことでも知られています。
「西の村野藤吾、東の丹下健三」
あるいは、
「民の村野藤吾、官の丹下健三」
なんても言われますね!
丹下健三は、東京大学の研究室で、磯崎新、黒川紀章、槇文彦、谷口吉生などを育てました。
まさに、日本の近代建築の中興の祖ともいえます。
というわけで、今回は建築家 丹下健三を知るための厳選書籍のご紹介です。
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本記事の内容
本記事では、丹下健三を知るための厳選書籍を紹介します。丹下健三は、日本を代表する世界的な建築家です。丹下は、1970年に開催された大阪万博のメイン会場である「お祭り広場」の設計者であり、万博全体のプロデューサーです。多くの名だたるデザイナーや政治家などを束ねて、全体設計を行い日本を世界に知らしめました。この時代の建築家はやっぱり違いますね!
目次
- 人間と建築―デザインおぼえがき(丹下健三 著)
- 建築と都市―デザインおぼえがき(丹下健三 著)
- 丹下健三(藤森照信 著)
- 国立代々木競技場と丹下健三 (豊川斎赫 著)
- 丹下健三を語る: 初期から1970年代までの軌跡(槇文彦 著)
- 神殿か獄舎か(長谷川堯 著)
1. 人間と建築―デザインおぼえがき(丹下健三 著)
丹下健三自身が著したものをまとめたものです。
1970年に刊行された丹下健三著『人間と建築 デザインおぼえがき』の復刻版です。
初期の丹下健三の思想(1951年から1965年までの、主に雑誌に発表した文章)を知ることができるのが大きいですね。
丹下ファンは絶対見逃せない一冊です。
1970年に刊行された丹下健三著『人間と建築 デザインおぼえがき』の復刻版。1951年から1965年までの、主に雑誌に発表した文章を収録している。建築家の職能から始まって、建築家と民衆の関わり、岡本太郎や猪熊弦一郎ら芸術家との共同作業、弥生的なものと縄文的なもの、コンクリートへの愛、設計論など話題は多岐にわたる。現代建築についての丹下健三の考え方を知る上での貴重な1冊。(彰国社WEBより)
目次
Ⅰ 建築家論
Ⅱ 現代建築と芸術
Ⅲ 現実と創造
Ⅳ 技術と人間
Ⅴ 機能と空間
Ⅵ 設計の経験
解説 藤森照信
2. 建築と都市―デザインおぼえがき(丹下健三 著)
こちらは、上記以後の丹下健三の文章をまとめたものです。
特に東京オリンピックと大阪万博にかかわる丹下健三の思想がよく分かります。
「東京計画1960」に興味がある人にもおすすめです。
1970年に刊行された丹下健三著『建築と都市 デザインおぼえがき』の復刻版。都市についての、主に1960年代の論考が収録されている。この時期、日本では1964年に東京オリンピックが、1970年には大阪万博が開催され、著者はこの2つの国家的イベントに深くかかわっている。その著者がこの時期に提案したのが、政府の同心円的首都圏整備計画に対抗する「東京計画1960」と、日本列島の将来像を論じた「東海道メガロポリス」である。本書には著者が日本で創造したかった都市環境が描かれている。(彰国社WEBより)
目次
復刻に寄せて 丹下憲孝
Ⅰ 内部機能と外部機能
Ⅱ 機能と構造
Ⅲ 日本列島の将来像
Ⅳ 東京計画―1960―その構造改革の提案
Ⅴ 空間都市と人工土地―都市・交通・建築の有機的統一
Ⅵ 現代都市と人間性―現代都市における人間性豊かな空間秩序の回復
Ⅶ 設計の経験
解説 藤森照信
3. 丹下健三(藤森照信 著)
こちらは高額な本ですが、丹下健三の全体像を知る上で重要な本です。
建築史家の藤森照信の渾身の一冊とっても良いでしょう。
限定2500部のみなので、その本自体が貴重ですが、内容も充実しています。
藤森照信のオリジナル資料もあり、建築の仕事だけでなく「人間としての丹下健三」が見えてきます。
その意味で、本書は唯一の丹下健三解体新書的な意味を持っています。
藤森照信は膨大なオリジナル資料に独自の解釈を施しながら、丹下健三の関係者へのインタビューがあり、説得力があります。
丹下健三自身も、本書を承諾していることから「丹下健三・藤森照信」の共著となっていることも見逃せません。
なんとギリギリ、丹下健三が亡くなる直前に出版されました。
もっともっと10年ぐらい前に読みたかった1冊です!!
4. 国立代々木競技場と丹下健三 (豊川斎赫 著)
こちらは、東京オリンピックのメイン会場であった国立代々木競技場ついての評論です。
国立代々木競技場についてここまで詳細に書かれた書籍はこれまでなかったと思います。
国立代々木競技場について知りたい人は必見ですね。
世界遺産登録を目指す国立代々木競技場。丹下健三はどのようにしてこの偉大な建築物を作ったのか。施設はどのように使われ、また管理されてきたか。代々木競技場を評価するうえで欠かすことのできない5つの視点を提示し、縦横に論じる。代々木という場所を通して、20世紀後半の日本の歩みが見えてくる一冊。(Amazonより)
5. 丹下健三を語る: 初期から1970年代までの軌跡(槇文彦 著)
こちらは、1945年~70年代の丹下作品について、様々な丹下健三の関係者にインタビューにしたものです。
なんと、グロピウスとの往復書簡まであります。
東大建築と、近代モダニズムの関係性についても分かり、なんか内部事情もわかるようで面白いですね。
戦後日本の建築デザインを世界に知らしめた巨匠・丹下健三。主に1945年~70年代に焦点をあて、その人と作品、活動の軌跡を座談会やインタビューにより明らかにする。W.グロピウスとの往復書簡も紹介する。(Amazonより)
6. 神殿か獄舎か(長谷川堯 著)
こちらは、著者が長谷川堯で、NHK大河ドラマ「麒麟がくる」の主役の長谷川博己の父親です。
長谷川堯は早稲田大学出身で、学生時代から建築評論で活躍していたそうです。すごいですね。
『都市廻廊』で毎日出版文化賞、『建築有情』でサントリー学芸賞を受賞しました。
長谷川堯の有名な著書の一つが、この「神殿か獄舎か」ですね。
丹下健三(他にも辰野金吾、ル・コルビジェなど)を、英雄/権威を表象する神殿建築として、伊東忠太や村野藤吾を、監獄建築として比較しています。
ジョン・ラスキンやウィリアム・モリスなども引き合いに出して語る本書は、やっぱり読んでいて面白いですね。想像力をかき立てられます。
やっぱり歴史家の想像力とストーリーの組み立ては、綿密な資料に基づいているだけに面白いです!
最後に
如何でしたか?今回は、建築家 丹下健三を知るための厳選書籍【5選】を紹介しました。丹下健三の建築は、力強くて「俺についてこい!」と言っているようで、頼もしい建築であると私は感じます。しかし、ちょっと体や心が弱っている時はそんな迫力に圧倒されてしまうこともあります。それは高度成長期の建築の特徴かもしれません。作られた時代を知ると、丹下建築の魅力がもっとわかると思います。
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