建築家 後藤慶二は、大正時代を代表する建築家であり、残念ながら36歳等若さで早逝した建築家です。
1883年に東京小石川生まれです。同じ歳生まれに、グロピウスと岡田新一郎がいます。
1909年に東京帝国大学工科大学建築学科を卒業します。卒業後は司法省に入って、山下啓次郎、横浜勉と、代表作となる豊多摩監獄の設計を行います。
その後、佐野利器、内田祥三、内藤多仲らと白光会を作ります。
方向性としては、構造と意匠に関する建築論が有名ですね。また、明治神宮宝物殿の校倉造は、建築設計競技で3等1席に入選した後藤慶二の影響があります。大江新太郎が実施設計をしています。
また、早稲田大学では内藤多仲と構造の講義を行っています。
1919年にスペイン風邪にかかり、36歳の若さで亡くなります。
生きていれば、構造と意匠を結びつけた建築を作っていたと思うので、若くして亡くなったのは残念ですね。
というわけで、今回は建築家 後藤慶二を知るための厳選書籍のご紹介です。
本記事の内容
本記事では、後藤慶二を知るための厳選書籍を紹介します。後藤慶二は、大正期を代表する建築家です。後藤慶二は、東京大学を卒業して、司法省に入省します。やはりこの時代の建築家は、逓信省に入省した吉田鉄郎、山田守、山口文象など国家的なプロジェクトの建築に携わっている人多いですね。後藤慶二もその一人で、豊多摩監獄を設計しています。この時代の建築家の職能は新しい国を作っていこうという意思を感じますね。
監獄といえば・・・パノプティコン(全展望監視システム)
ミッシェル・フーコーのこの本も紹介しておきます。
こちらも、建築設計に多くの影響を与えています。
今日の監獄は、いかなる歴史的・社会的背景のなかに生れ、変遷をとげてきたか。国家権力の集中機構としての監獄を考古学的手法に捉え、その本質と特長を摘出する。
目次
1.神殿か獄舎か(長谷川堯 著)
『神殿か獄舎か』の表紙に、後藤慶二が設計した「豊多摩監獄」のスケッチが使われています。
内容は大正建築なので、当然 … 豊多摩監獄と後藤慶二に言及しています。
建築界における後藤慶二の位置付けはこちらをみると良いでしょう。
あと、復刊されたSD選書は表紙が真っ黒なので「豊多摩監獄」のスケッチはないです。
残念!
大正建築を論じながら、建築というものの本質にまで届くような指摘をし、さらに、はっきりと、現代の日本の、そして世界の建築を「オス」と相対化する。モダニズムを震撼させた名著。〔相模書房 1972年刊の改訂〕【「TRC MARC」の商品解説】
2.日本劇場史(後藤慶二 著)
後藤慶二の主著の一つです。状態の良いものがおすすめです。
■目次
・緒言
・第一編 歌舞伎音楽略沿革
演劇の源流/演劇略史
・第二編 劇場沿革
・第三編 劇場構造史
歌舞伎以前の舞台/能舞台襲用時代
引幕大道具創始時代/劇場屋根架設時代
舞台破風消滅時代/各部の解説
洋風輸入時代
・第四編 結論
・第五編 劇場年表
・西洋劇場の話
残念ながら、Amazonなどのネットショップにもなかなか出てきません。
探したい方はこちらの古書サイトからどうぞ。
3.鉄筋混凝土構造(後藤慶二 著)
こちらは、後藤慶二が構造的な側面をどのように考えていたのかが分かります。
白水社から1925年に出版されました。
残念ながら、Amazonなどのネットショップにもなかなか出てきません。
探したい方はこちらの古書サイトからどうぞ。
4.叢書・近代日本のデザイン 23 後藤慶二氏遺稿(後藤慶二 著)
この「叢書・近代日本のデザイン」シリーズは貴重です。
なくならないうちにどうぞ。
近代日本の造形文化とその固有性を浮き彫りにするシリーズ。それぞれの時代の歩みを希少な原典で再現。23巻は、早世した後藤慶二の建築論のみならず、洒脱なエッセイ、グラフィック作品を収録。〔初版:私家版 大正14年刊〕【「TRC MARC」の商品解説】
残念ながら、Amazonなどのネットショップにもなかなか出てきません。
探したい方はこちらの古書サイトからどうぞ。
5.住宅建築/建築世界社発行
大正5年発行です。現在はほとんど手に入らない貴重な本です。
見ておきたいですね!!
本書は戦前の建築世界社発行の「建築世界」誌十周年を記念して発行されたものである。当時の建築家、研究者ら専門家43名による住宅に関する諸説を収録している。また、当時の住宅建築の図面・写真等も収録した資料性の高い一冊。
■目次
「住宅建築」発刊に就て/住宅建築設計要項/日本住家の沿革 中村達太郎/桃山時代の住宅建築 小島栄吉/江戸時代における住宅建築概論 大熊喜邦/欧州の住宅建築沿革 塚本靖/米国住宅の様式 滋賀重列/支那の住宅 伊東忠太/朝鮮の住宅 関野貞/台湾の住宅 井手薫/南洋の住宅建築 田村鎮/北以湖地方のビラとイソラベラ 前田松韻/住宅建築寓意 武田五一/住宅建築雑感 中條精一郎/住宅の改良と服装問題 土屋純一/生活と住宅 岡田信一郎/日本における住宅設備の問題 本野精吾/住宅問題について 大塚泰/住宅改良雑威 後藤慶二/住宅と趣味 山崎静太郎/建築問題雑威 高松政雄/新しき生活と住宅 中村鎮/都市の住宅 佐藤功一/住宅の外観 池田稔/住宅を造る紳士 田邉純吉/住宅の各室構造上の一般的注意 山口孝吉/贅沢なる住宅 日高胖/中流紳士の住宅間取 保岡勝也/住宅と地震 佐野利器/別荘建築 櫻井小太郎/土蔵と鉄筋コンクリート 内田祥三/住宅の家具装飾 遠藤於菟/数寄と住宅 大江新太郎/床の間について 沼尻政太郎/ダイニング・ルーム 大沢三之助/台所、浴室、便所 大倉直介/台所 古橋柳太郎/児童室について 三田谷啓/和風住宅構造法 中嶋猛矣/住宅と方位 大島 株/住宅家相について 葛野壮一郎/近代的庭園の設計 長岡安平/欧米における細民住宅/暖房設備の発達 大澤一郎
このシリーズは貴重です。
なくならないうちにどうぞ。
近代日本の造形文化とその固有性を浮き彫りにするシリーズ。それぞれの時代の歩みを希少な原典で再現。23巻は、早世した後藤慶二の建築論のみならず、洒脱なエッセイ、グラフィック作品を収録。〔初版:私家版 大正14年刊〕【「TRC MARC」の商品解説】
残念ながら、Amazonなどのネットショップにもなかなか出てきません。
探したい方はこちらの古書サイトからどうぞ。
最後に
如何でしたか?今回は、建築家 後藤慶二を知るための厳選書籍を紹介しました。さすが、昔の建築家で世間的にも認知度は高くないので、あまり手に入れられる本はないですね。調べると面白いですけどね。絶版ばかりで、古書でも見つけるのが難しい・・・。良い本があれば是非とも手に入れておきましょう。
ちょっと開いた時間に書籍を聞くサービス
建築をやっているとたくさん本が読みたくなりますが、なかなか時間がない人も多いのでは!
そんな時は「書籍を聞く」こともできます。
特に電車の中などで通勤・通学中の時間に良いと思います。
現在2ヶ月無料体験実施中なので、まずは1度試してみてください。
Amazonプライム Student/学生は6ヶ月無料
AmazonプライムStudentは、学生用のAmazonプライムです。
なんと、書籍のポイント還元最大10%となります。
現在、学生だと6ヶ月は無料で利用できます。
あとは、Amazonプライム映画やドラマなども、見放題なのでとても便利で使えると思います。
Amazonプライム/一般会員は1ヶ月無料
一般会員は1ヶ月無料で利用することができます。
Kindleの利用もできるので、電子書籍はめちゃ便利です。
さらに、Amazonファミリーがあります!
幼い子供がいる方やこれから家庭を始める方のための、Amazonプライム会員限定のサービスです。
上記の、プライム会員(年会費3,900円、税込)に申し込み、お子様の出産予定日/誕生日を登録すると、AmazonプライムとAmazonファミリーの両方の特典を受けることができます。
*Amazonプライムの年間会員費以外の追加料金はありません。