建築家 丹下健三は、日本の近代建築を代表する建築家で世界的にもとても有名です。
「世界のタンゲ」とも言われます!
海外で活躍する建築家としては、安藤忠雄も有名ですが、丹下健三はやはり最も早く日本国外で活動した建築家の一人です。
東京大学で教授をしていたので、そこで磯崎新、黒川紀章、槇文彦、谷口吉生などの建築家を育成しました。
巨匠の先生と言ったところですね。それにしても、丹下研究室のメンバーがすごい!
というわけで、今回は丹下健三の執筆した本のご紹介です。
丹下健三について詳しくは以下の記事をご覧ください。
本記事の内容
本記事では、丹下健三の思考と設計へプロセスを理解するために重要な書籍【8選】を紹介します。丹下健三は、戦後の復興計画の中でも重要な「広島平和記念資料館」の設計が有名です。コンペで1等を勝ち取って設計しています。その後も、東京オリンピックのための代々木体育館など国家プロジェクト的な案件も多いです。ここでは、丹下健三の設計も人間性も総合して全体像が見渡せる書籍を選んでみました。
目次
- 丹下健三(丹下健三 著)
- 建築と都市―デザインおぼえがき(丹下健三 著)
- 人間と建築―デザインおぼえがき(丹下健三 著)
- 丹下健三―一本の鉛筆から (人間の記録 (57))(丹下健三 著)
- 【翻訳】都市のイメージ 新装版(丹下健三 訳)
- 丹下健三〈4(1991)〉 (現代の建築家)(丹下健三 著)
- a+u(エーアンド・ユー)2019年10月号/丹下健三アーカイヴのドローイング(丹下健三 著)
- 【評論】丹下健三を語る: 初期から1970年代までの軌跡(槇文彦 著)
1. 丹下健三(丹下健三 著)
こちらは、建築史家の藤森照信がまとめた丹下健三論です。
さすが、建築に関する随一の書き手だけあって読み物的にも面白いですし、写真も充実しています。
なんといっても、全作品を網羅しているのがすばらしいですね。こちらがあれば、まずは一覧を網羅できるので、これ以上探さなくても良いという安心感があります。
状態の良い古書を探してみるのも良いと思います。
20世紀の建築をリードした丹下健三の評伝と全作品を、近代建築史に精通した藤森照信がまとめる。丹下はどのようにして世界のタンゲになったのか、現在の日本の建築界はいかに成立したのか。資料、図面、写真を多数掲載する。「MARC」データベースより
2. 建築と都市―デザインおぼえがき(丹下健三 著)
こちらは、彰国社からの復刻版です。
こういう本を復刻できる彰国社に感謝です。
丹下健三の最も有名な計画である「東京計画1960」と、日本列島の将来像について描いた「東海道メガロポリス」が掲載されています。
「東京計画1960」は今考えても、斬新ですね!
1970年に刊行された丹下健三著『建築と都市 デザインおぼえがき』の復刻版。都市についての、主に1960年代の論考が収録されている。この時期、日本では1964年に東京オリンピックが、1970年には大阪万博が開催され、著者はこの2つの国家的イベントに深くかかわっている。その著者がこの時期に提案したのが、政府の同心円的首都圏整備計画に対抗する「東京計画1960」と、日本列島の将来像を論じた「東海道メガロポリス」である。本書には著者が日本で創造したかった都市環境が描かれている。
[主な目次]
復刻に寄せて 丹下憲孝
Ⅰ 内部機能と外部機能
Ⅱ 機能と構造
Ⅲ 日本列島の将来像
Ⅳ 東京計画―1960―その構造改革の提案
Ⅴ 空間都市と人工土地―都市・交通・建築の有機的統一
Ⅵ 現代都市と人間性―現代都市における人間性豊かな空間秩序の回復
Ⅶ 設計の経験
解説 藤森照信
3. 人間と建築―デザインおぼえがき(丹下健三 著)
こちらも、上記と同じで彰国社からの復刻版です。
こちらは、収録されたエッセイとして「弥生的なものと縄文的なもの」があり、結構好きな論議です。
あと、私の興味のあるのは「建築家の職能」ですね。
建築家とは何か?!今考えていかなくてはならないことであると思います。
1970年に刊行された丹下健三著『人間と建築 デザインおぼえがき』の復刻版。1951年から1965年までの、主に雑誌に発表した文章を収録している。建築家の職能から始まって、建築家と民衆の関わり、岡本太郎や猪熊弦一郎ら芸術家との共同作業、弥生的なものと縄文的なもの、コンクリートへの愛、設計論など話題は多岐にわたる。現代建築についての丹下健三の考え方を知る上での貴重な1冊。
[主な目次]
Ⅰ 建築家論
Ⅱ 現代建築と芸術
Ⅲ 現実と創造
Ⅳ 技術と人間
Ⅴ 機能と空間
Ⅵ 設計の経験
解説 藤森照信
4. 丹下健三―一本の鉛筆から (人間の記録 (57))(丹下健三 著)
1985年刊「一本の鉛筆から」を、題名を変えて出版されたものです。
丹下健三が自分自身に語った最初で最後の本です。
人間としても丹下健三の魅力がよくわかります。建築家になりたくなりますね!
新旧東京都庁舎の建築などで知られる国際的な建築家・丹下健三。国内だけでなく、ユーゴやイタリアなどでの都市設計をも手がけた経験から生まれたエピソードの数々をまとめた。1985年刊「一本の鉛筆から」の改題。
5. 【翻訳】都市のイメージ 新装版(丹下健三 訳)
こちらは、ケヴィン・リンチという建築家の本を、丹下健三と象設計集団の富田玲子が訳したものです。
この本自体はかなり有名なので、知っている人も多いかと思いますが、丹下健三がこの本を共訳しているということは、やはり「人」と「都市」について並々ならぬ関心があったことがよくわかります。
新装版なので読み直しにも良いと思います!
イメージアビリティ.この独自の概念を提唱する本書は,かつ
て都市デザインの世界に新風を吹き込んだ.以来およそ半世紀.著者ケヴィン・
リンチの卓抜な視点は,いまもなお清冽な光を放つ.美しく,楽しい,喜びあ
る都市の姿とは.都市に暮らす人びとの視覚・心理・行動様式に着目し,豊かな
生活拠点を築くためのデザイン原理を考究する.読み継がれる名著の新装版.
6. 丹下健三〈4(1991)〉 (現代の建築家)(丹下健三 著)
こちらは、丹下健三の作品集です。
幕張プリンスホテル、新宿パークタワー、東京計画1960‐1986などが掲載されています。
状態の良い古書が見つかると良い感じです。
目次 21世紀に向けて―都市と建築への私の提言 作品(横浜美術館;大津プリンスホテル;広島国際会議場;君津市民文化ホール;大阪市バイオサイエンス研究所;幕張プリンスホテル;新宿パークタワー;東京計画1960‐1986 ほか) 作品年表・作品データ 経歴
7. a+u(エーアンド・ユー)2019年10月号/丹下健三アーカイヴのドローイング(丹下健三 著)
a+u(エーアンド・ユー)の建築家特集による特別号はおすすめです。
こちらは、「丹下健三アーカイヴのドローイング」として、丹下健三の多くのスケッチを見ることができます。
あと、巻末にある磯崎新、佐々木睦朗、内藤廣、ギイ・ノーデンセン、妹島和世のエッセイも興味深いです。
特集:丹下健三アーカイヴのドローイング──国立屋内総合競技場序文:丹下の代々木、世界の代々木、セン・クアン国立屋内総合競技場ドローイング配置計画、鼎談:私が見た丹下健三槇文彦、隈研吾、セン・クアン第一体育館インタヴュー:丹下健三の都市への眼差し曽根幸一エッセイ:代々木競技場、川口衞、複曲面の近代軽量構造マイク・シュライヒ第二体育館エッセイ:オリンピックの「総合施設計画」と東京の都市計画中島直人外構およびその他施設エッセイ:丹下健三アーカイヴ、建築図面の保存、デボラ・D・メイヤー、ケリー・ピオトロフスキー現代に生きる丹下、建築エッセイ:世界遺産と近代、稲葉信子、広島平和記念資料館本館(旧広島平和会館原爆記念陳列館)東京カテドラル聖マリア大聖堂、香川県庁舎(旧:本館、現:東館)山梨文化会館、ゆかり文化幼稚園エッセイ:丹下初期作品と改修、丹下憲孝エッセイ:構造に夢を見た時代──代々木だけではない──小澤雄樹追悼:川口衞(1932〜2019)磯崎新、佐々木睦朗、内藤廣、ギイ・ノーデンセン、妹島和世
8. 【評論】丹下健三を語る: 初期から1970年代までの軌跡(槇文彦 著)
こちらは、建築家 槇文彦が様々な建築家とインタビューで話しながら、巨匠 丹下健三の実像について明らかにしていきます。
丹下健三がどのように、その後の建築家に影響を与えていたのかよくわかります。
戦後日本の建築デザインを世界に知らしめた巨匠・丹下健三。主に1945年~70年代に焦点をあて、その人と作品、活動の軌跡を座談会やインタビューにより明らかにする。W.グロピウスとの往復書簡も紹介する。
最後に
如何でしたか?今回は「建築家丹下健三」をよく知るために、丹下健三自身が執筆した本【8選】をご紹介しました。丹下健三は日本人建築家として世界で初めて知られるようになった建築家です。丹下健三の書籍を読むと、その視野の広さがよくわかります。思ったよりも本人の書いた書籍は少ないですね。今後は英語の本もリストに増やしていきたいと思います。
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